第33話 青が散る
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「最初からさっさと入れろよ」
と言いながら五条さんは部屋に入ると、
「おい、オマエらも入れよ」
と後ろを振り返る。
すると、続いて七海さんと灰原君もやって来た。
「おじゃまします」
「おじゃましまーす!」
しかし、そこに夏油さんはいない。
「傑君は?」
「声をかけたんですけど、お疲れのようで今日はもう休むと」
と、私の問いかけに七海さんが答えた。
「そうなんだ・・・。大丈夫かな。カーテンコールの時も顔色悪かったし」
誰に言うでもなく呟くと、
「大丈夫だろ。一晩寝れば治るって」
と五条さんが言った。
「ほれ、オマエもアイス食えよ。どれにする?ハーゲンダッツか?バニラ?抹茶?クリスピーサンドもあるぜ~」
「えっ。クリスピーサンド!?」
滅多に食べられないヤツ!
私は嬉々としてクリスピーサンドを選んだ。
各々自分好みのアイスを選んで食べながら、私達はあれこれ話をした。
このところ多忙で色んなことがあって、ずっと気を張り詰める日々だった。
交流会を終えてそんな日々にも一区切りついて、ようやく心がほぐれる時間が訪れた。
それは他のみんなも同じのようで、いつもは付き合いの悪い七海さんも夜遅くまで部屋に残り話し込んでいた。
「あ、雨」
ふと窓の外に目をやると、再び雨が降っていることに気がついた。
つられて五条さんも窓の方を見る。
「あー、また降ってんのか。昨日といいよく降るな」
ジメジメしてヤダねぇ、とこぼしながら五条さんは会話に戻る。
雨音は、賑やかな話し声にかき消されていく。
だけど。
パチパチパチパチ・・・
夏油さんは部屋で一人、この雨音を聞いていた。
翌日。
この日は誰も任務がなく、放課後、私達は街へ繰り出すことにした。
今度は、夏油さんも一緒だ。
顔色も良く元気そうだ。
(良かった)
私はホッと胸を撫で下ろした。
「ゲーセン行こうぜ!」
と言い出したのは五条さんだ。
「傑、今日こそハッキリ決着着けるぞ」
夏油さんはそれを受けて立つ。
「いいよ、望むところさ」
それを聞いて私は首を傾げる。
「決着?」
「格闘アーケードゲーム対決のこと」
硝子さんが言った。
「今年の春から始まって、お互いに通算成績は20勝20敗」
「40回もやってるの・・・」
「今日で41戦目。和紗はどっち?」
「どっちって?」
何のことかわからず答えあぐねていると、
「私は夏油さんですね」
「僕も!」
七海さんと灰原君が答えた。
「じゃ、私は五条に賭ける」
と硝子さん。
どうやらどちらが勝つのか賭けをしているらしい。
「和紗はどっちに賭ける?」
改めて硝子さんに訊かれるものの、
「「・・・・・・」」
五条さんと夏油さんの張り付くような視線を感じて答えづらい。
どちらかと答えれば、そちらだけを応援しているみたいで。
「答えなきゃダメ?」
「答えなきゃ賭けにならないでしょ」
「でも・・・!」
「じゃあ、和紗がマック奢ってくれる?ここにいる全員分」
「〜〜〜っ」
硝子さんと二人の視線に追い詰められて、
「じゃ、じゃあ平等にってことで悟君!」
と苦し紛れに答えた。
「そうこなくっちゃ。気張れよ、五条!」
という硝子さんの声を受けて、五条さんはニッと笑った。
(ごめんね、傑君!)
内心謝る私の隣で、
「頑張ってください!夏油さん!!」
「鼻をへし折ってください」
と灰原君と七海さんがエールを送る。
そして、その結果。
「いやぁ〜、人の奢りで食うビッグマックは美味いなぁ」
辛くも五条さんが勝利し、賭けは硝子さんと私の勝ちとなった。
「ほらほら、もっとしっかり。普段アンタ達の治療してるんだから」
硝子さんに至っては、七海さんと灰原君に肩をマッサージさせている。
と言いながら五条さんは部屋に入ると、
「おい、オマエらも入れよ」
と後ろを振り返る。
すると、続いて七海さんと灰原君もやって来た。
「おじゃまします」
「おじゃましまーす!」
しかし、そこに夏油さんはいない。
「傑君は?」
「声をかけたんですけど、お疲れのようで今日はもう休むと」
と、私の問いかけに七海さんが答えた。
「そうなんだ・・・。大丈夫かな。カーテンコールの時も顔色悪かったし」
誰に言うでもなく呟くと、
「大丈夫だろ。一晩寝れば治るって」
と五条さんが言った。
「ほれ、オマエもアイス食えよ。どれにする?ハーゲンダッツか?バニラ?抹茶?クリスピーサンドもあるぜ~」
「えっ。クリスピーサンド!?」
滅多に食べられないヤツ!
私は嬉々としてクリスピーサンドを選んだ。
各々自分好みのアイスを選んで食べながら、私達はあれこれ話をした。
このところ多忙で色んなことがあって、ずっと気を張り詰める日々だった。
交流会を終えてそんな日々にも一区切りついて、ようやく心がほぐれる時間が訪れた。
それは他のみんなも同じのようで、いつもは付き合いの悪い七海さんも夜遅くまで部屋に残り話し込んでいた。
「あ、雨」
ふと窓の外に目をやると、再び雨が降っていることに気がついた。
つられて五条さんも窓の方を見る。
「あー、また降ってんのか。昨日といいよく降るな」
ジメジメしてヤダねぇ、とこぼしながら五条さんは会話に戻る。
雨音は、賑やかな話し声にかき消されていく。
だけど。
パチパチパチパチ・・・
夏油さんは部屋で一人、この雨音を聞いていた。
翌日。
この日は誰も任務がなく、放課後、私達は街へ繰り出すことにした。
今度は、夏油さんも一緒だ。
顔色も良く元気そうだ。
(良かった)
私はホッと胸を撫で下ろした。
「ゲーセン行こうぜ!」
と言い出したのは五条さんだ。
「傑、今日こそハッキリ決着着けるぞ」
夏油さんはそれを受けて立つ。
「いいよ、望むところさ」
それを聞いて私は首を傾げる。
「決着?」
「格闘アーケードゲーム対決のこと」
硝子さんが言った。
「今年の春から始まって、お互いに通算成績は20勝20敗」
「40回もやってるの・・・」
「今日で41戦目。和紗はどっち?」
「どっちって?」
何のことかわからず答えあぐねていると、
「私は夏油さんですね」
「僕も!」
七海さんと灰原君が答えた。
「じゃ、私は五条に賭ける」
と硝子さん。
どうやらどちらが勝つのか賭けをしているらしい。
「和紗はどっちに賭ける?」
改めて硝子さんに訊かれるものの、
「「・・・・・・」」
五条さんと夏油さんの張り付くような視線を感じて答えづらい。
どちらかと答えれば、そちらだけを応援しているみたいで。
「答えなきゃダメ?」
「答えなきゃ賭けにならないでしょ」
「でも・・・!」
「じゃあ、和紗がマック奢ってくれる?ここにいる全員分」
「〜〜〜っ」
硝子さんと二人の視線に追い詰められて、
「じゃ、じゃあ平等にってことで悟君!」
と苦し紛れに答えた。
「そうこなくっちゃ。気張れよ、五条!」
という硝子さんの声を受けて、五条さんはニッと笑った。
(ごめんね、傑君!)
内心謝る私の隣で、
「頑張ってください!夏油さん!!」
「鼻をへし折ってください」
と灰原君と七海さんがエールを送る。
そして、その結果。
「いやぁ〜、人の奢りで食うビッグマックは美味いなぁ」
辛くも五条さんが勝利し、賭けは硝子さんと私の勝ちとなった。
「ほらほら、もっとしっかり。普段アンタ達の治療してるんだから」
硝子さんに至っては、七海さんと灰原君に肩をマッサージさせている。