第33話 青が散る
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・・・なんだろう。交流会を経て、もっと熱い仲間意識が生まれると思ったのに。
すると夜蛾さんも、
「オマエ達、今回の交流会で学んで得たものはないのか・・・」
と肩を落としている。
「いやぁ、負けてもうたわ。完敗や~。東京校のみなさん、おめでとさん」
直哉さんが東京校側の席に歩み寄ってきた。
それに夏油さんがピクリと反応する。
直哉さんは言葉を続ける。
「でも、確かにロミオとジュリエットの二人は素晴らしい演技やったな。あ、もしかして演技じゃなくてホンマにふたりそういう仲とか?」
その言葉に、私はカッと顔を赤らめる。
夏油さんは呆れたように肩をすくませて、
「そんな幼稚な・・・」
「素晴らしい演技だったのは、コイツらだけじゃねーだろー」
夏油さんの言葉に被せるように、五条さんが言った。
「この俺の悪役が輝いてたからこそ、主役が引き立ってたんだろ」
すると直哉さんは一瞬キョトンと目を丸めた後、
「確かに。悟君がいてこそやな」
と、ニヤリと笑った。
そして、
「来年こそは個人戦で戦いたいもんやな。ま、それまでお互い生きてたらやけど」
と続けながら夏油さんの顔を見た。
「心身ともに、大事にしぃや」
「・・・・・・」
夏油さんは何も言わない。
そして、直哉さんは踵を返して立ち去って行った。
その後に催された打ち上げを終えて、京都校の面々は帰って行った。
「和紗~、すっごく良かったわよ!」
その晩。
硝子さんの部屋で、歌姫さんと冥さんも招いて女子限定の打ち上げ会を開いた。
歌姫さんは劇を観て大そう感動したそうで、私を沢山褒めてくれた。
あまりにも褒めてくれるので、私は照れくさい。
「あ、ありがとうございます」
「特に最後のロミオが死んでるって気づいた場面。動揺してる演技がすごーくリアルだったわね」
「・・・・・・」
歌姫さんに言われて、私は内心ギクッとする。
あの時は演技ではなく、夏油さんにキスされて本当に動揺していたからだ。
「リアルといえば」
冥さんが言った。
「ロミオが最後にジュリエットにキスする場面、あれ本当にしているように見えたんだけど」
「ぶっ!」
思わず飲みかけのジュースを吹き出す。
「え、何。本当にされたの!?」
「さ、されてないです!」
歌姫さんの問いかけに、私は首を横に振った。
だけど、歌姫さんは懐疑的だ。
「本当~?ならいいけど。夏油のヤツ、そういうことサラッとしかねないから」
「え・・・」
「で、そうやって相手の女をその気にさせて自分を好きにさせるように仕向けるのよ」
「そんな、傑君がそんなこと・・・」
「そういうヤツなのよ。最初から言ってるでしょ、あの二人はクズだって!」
「二人って、悟君もですか」
「モチロンよ!」
「五条の場合は~」
そこへ硝子さんが言った。
「そこらへん、ダメダメだよね」
「ダメダメ?」
「そういう高度な駆け引き出来ないタイプ。『オマエ、俺のこと好きだろ』って自信満々に言っちゃって、事実でも醒めさせちゃう」
その言葉に、
「「あぁ~・・・」」
と歌姫さんと冥さんは納得して頷く。
「とにかく!和紗はあのクズ共の毒牙にはかけさせないから!」
「毒牙って・・・」
と苦笑いしていたら、
「ふぇっくしょん!」
廊下から大きなクシャミが聞こえてきた。
そして、
「誰かこのグッドルッキングガイの噂してんな~?」
と、ノックもなくドアを開けて五条さんが入ってきた。
「勝手に入るなって言ってるだろ」
「男子禁制ーっ!」
と硝子さんと歌姫さんが抗議すると、
「そんなつれないこと言うなよ。せっかく差し入れ持ってきてやったのに」
と五条さんは両手に提げたスーパーの袋を掲げて見せた。
「菓子とかアイスとか。夜蛾先生がポケットマネーで買ってくれたんだ。二日間よくやったって」
すると硝子さんは、
「入札を許可する」
コロッと態度を変えた。
すると夜蛾さんも、
「オマエ達、今回の交流会で学んで得たものはないのか・・・」
と肩を落としている。
「いやぁ、負けてもうたわ。完敗や~。東京校のみなさん、おめでとさん」
直哉さんが東京校側の席に歩み寄ってきた。
それに夏油さんがピクリと反応する。
直哉さんは言葉を続ける。
「でも、確かにロミオとジュリエットの二人は素晴らしい演技やったな。あ、もしかして演技じゃなくてホンマにふたりそういう仲とか?」
その言葉に、私はカッと顔を赤らめる。
夏油さんは呆れたように肩をすくませて、
「そんな幼稚な・・・」
「素晴らしい演技だったのは、コイツらだけじゃねーだろー」
夏油さんの言葉に被せるように、五条さんが言った。
「この俺の悪役が輝いてたからこそ、主役が引き立ってたんだろ」
すると直哉さんは一瞬キョトンと目を丸めた後、
「確かに。悟君がいてこそやな」
と、ニヤリと笑った。
そして、
「来年こそは個人戦で戦いたいもんやな。ま、それまでお互い生きてたらやけど」
と続けながら夏油さんの顔を見た。
「心身ともに、大事にしぃや」
「・・・・・・」
夏油さんは何も言わない。
そして、直哉さんは踵を返して立ち去って行った。
その後に催された打ち上げを終えて、京都校の面々は帰って行った。
「和紗~、すっごく良かったわよ!」
その晩。
硝子さんの部屋で、歌姫さんと冥さんも招いて女子限定の打ち上げ会を開いた。
歌姫さんは劇を観て大そう感動したそうで、私を沢山褒めてくれた。
あまりにも褒めてくれるので、私は照れくさい。
「あ、ありがとうございます」
「特に最後のロミオが死んでるって気づいた場面。動揺してる演技がすごーくリアルだったわね」
「・・・・・・」
歌姫さんに言われて、私は内心ギクッとする。
あの時は演技ではなく、夏油さんにキスされて本当に動揺していたからだ。
「リアルといえば」
冥さんが言った。
「ロミオが最後にジュリエットにキスする場面、あれ本当にしているように見えたんだけど」
「ぶっ!」
思わず飲みかけのジュースを吹き出す。
「え、何。本当にされたの!?」
「さ、されてないです!」
歌姫さんの問いかけに、私は首を横に振った。
だけど、歌姫さんは懐疑的だ。
「本当~?ならいいけど。夏油のヤツ、そういうことサラッとしかねないから」
「え・・・」
「で、そうやって相手の女をその気にさせて自分を好きにさせるように仕向けるのよ」
「そんな、傑君がそんなこと・・・」
「そういうヤツなのよ。最初から言ってるでしょ、あの二人はクズだって!」
「二人って、悟君もですか」
「モチロンよ!」
「五条の場合は~」
そこへ硝子さんが言った。
「そこらへん、ダメダメだよね」
「ダメダメ?」
「そういう高度な駆け引き出来ないタイプ。『オマエ、俺のこと好きだろ』って自信満々に言っちゃって、事実でも醒めさせちゃう」
その言葉に、
「「あぁ~・・・」」
と歌姫さんと冥さんは納得して頷く。
「とにかく!和紗はあのクズ共の毒牙にはかけさせないから!」
「毒牙って・・・」
と苦笑いしていたら、
「ふぇっくしょん!」
廊下から大きなクシャミが聞こえてきた。
そして、
「誰かこのグッドルッキングガイの噂してんな~?」
と、ノックもなくドアを開けて五条さんが入ってきた。
「勝手に入るなって言ってるだろ」
「男子禁制ーっ!」
と硝子さんと歌姫さんが抗議すると、
「そんなつれないこと言うなよ。せっかく差し入れ持ってきてやったのに」
と五条さんは両手に提げたスーパーの袋を掲げて見せた。
「菓子とかアイスとか。夜蛾先生がポケットマネーで買ってくれたんだ。二日間よくやったって」
すると硝子さんは、
「入札を許可する」
コロッと態度を変えた。