第31話 懐玉ー壱ー
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「そうは言っても、悟だって和紗を心配してたじゃないか」
「あ?」
夏油さんの言葉に五条さんは顔をしかめる。
私は目をパチクリさせて五条さんの顔を見上げた。
すると五条さんはパッと私から顔を逸らして、
「ま、黒井さんも無事だったしな。こんな薄気味悪ぃところさっさとオサラバして観光に行こうぜ」
と言った。
すると理子ちゃんも、
「そうじゃ!海じゃ!海に行くのじゃ!」
と乗り気になっている。
私と黒井さんはポカンとして、
「海・・・?江ノ島にでも行くの・・・?」
「お嬢様。そんなことしてる場合ではないのでは?」
と言うと、
「そっか。二人ともここがどこかわかってないのか」
夏油さんが言った。
「ここは沖縄だよ」
その言葉に一瞬「?」となった後、私は叫んだ。
「沖縄ーーーっ!?」
「じゃあ、和紗も『星漿体』も世話係も無事なんだ。よかったよ」
『盤星教』のアジトを去った後、私は硝子さんに電話をした。
皆の無事と、現在沖縄にいること、そして夕刻の飛行機で帰ることを報告するためだ。
「うん、心配かけてごめんね」
「急にいなくなった時はビビったけど。ま、無事ならよかったよ。お土産ヨロシク。泡盛とオリオンビールがいいな」
そうして電話を切った直後、
「和紗さん、この水着はどうじゃ!?」
理子ちゃんがフリフリのフリルの水着を私の目の前に突き出してきた。
私はギョッとしてそっとそれを押し返す。
「理子ちゃん、これはちょっと派手過ぎないかなぁ?」
「じゃあこれはどうじゃ!?」
と理子ちゃんは別の水着を突き出した。
私達は今、国際通りに買い物に来ている。
さっき話していた通り、『盤星教』は私と黒井さんを人質として拉致した後、交渉の場に沖縄を指定したのだ。
それで五条さん達は沖縄へひとっ飛びして、『盤星教』の沖縄支部にやって来て私達を奪回し、せっかく沖縄に来たのだからと小一時間ほど海へ行こうということになったのだ。
「さ、次は着替えの服を買うのじゃ!制服じゃ観光気分にならん」
理子ちゃんは観光時特有のハイテンションで、私ともすっかり打ち解けていた。
お互いにああだこうだと言い合いながら、お互いに似合う水着とワンピースを選び合った。
この時の理子ちゃんは、『星漿体』という重い定めからも解放されて、年相応の表情をしていた。
救出を成功させて沖縄観光しようと言い出したのは、五条さんだという。
ただ自分が観光したいというのもあるだろうけれど、五条さんなりに理子ちゃんのことを考えたのだろう。
思い出作りというには切ないけれど、短くても素敵な時間になるように、私も一緒にめいいっぱい楽しむことにした。
「「めんそーれ!!」」
と五条さんと理子ちゃんは同時に海の中へ駆け込んで行く。
夏油さんと黒井さんは波打ち際で、そんな二人を見守っている。
そして私は、
(・・・調子に乗りすぎた・・・)
パラソルの下の荷物と一緒にしゃがみ込んでいた。
男子達は短パンにかりゆしを羽織り、女子達は水着にラッシュガードを羽織った解放的な格好をしている。
私はというと、ラッシュガードをしっかり着込み、下はタオルでぐるぐる巻きにしている。
水着を着ているには着ているのだが、
(どうしてこんな水着買っちゃったんだろ~~~っ!!)
それが、真っ白なビキニタイプなのだ。
しかも、肩と腰部分がヒモで結ぶタイプの。
「これじゃ!これで決まりじゃ!」
この水着を選んだのは、理子ちゃんだ。
「え。なんか布の面積少なくない?」
最初は拒否していた私だったのだが。
「解放的な沖縄の海には、これくらいの方がいいんじゃないですか?」
「そうじゃ!ワンピタイプじゃきっと悪目立ちするのじゃ」
「え、そうなのかな・・・」
黒井さんと二人でゴリ押しされて、買ってしまったのだ。
「あ?」
夏油さんの言葉に五条さんは顔をしかめる。
私は目をパチクリさせて五条さんの顔を見上げた。
すると五条さんはパッと私から顔を逸らして、
「ま、黒井さんも無事だったしな。こんな薄気味悪ぃところさっさとオサラバして観光に行こうぜ」
と言った。
すると理子ちゃんも、
「そうじゃ!海じゃ!海に行くのじゃ!」
と乗り気になっている。
私と黒井さんはポカンとして、
「海・・・?江ノ島にでも行くの・・・?」
「お嬢様。そんなことしてる場合ではないのでは?」
と言うと、
「そっか。二人ともここがどこかわかってないのか」
夏油さんが言った。
「ここは沖縄だよ」
その言葉に一瞬「?」となった後、私は叫んだ。
「沖縄ーーーっ!?」
「じゃあ、和紗も『星漿体』も世話係も無事なんだ。よかったよ」
『盤星教』のアジトを去った後、私は硝子さんに電話をした。
皆の無事と、現在沖縄にいること、そして夕刻の飛行機で帰ることを報告するためだ。
「うん、心配かけてごめんね」
「急にいなくなった時はビビったけど。ま、無事ならよかったよ。お土産ヨロシク。泡盛とオリオンビールがいいな」
そうして電話を切った直後、
「和紗さん、この水着はどうじゃ!?」
理子ちゃんがフリフリのフリルの水着を私の目の前に突き出してきた。
私はギョッとしてそっとそれを押し返す。
「理子ちゃん、これはちょっと派手過ぎないかなぁ?」
「じゃあこれはどうじゃ!?」
と理子ちゃんは別の水着を突き出した。
私達は今、国際通りに買い物に来ている。
さっき話していた通り、『盤星教』は私と黒井さんを人質として拉致した後、交渉の場に沖縄を指定したのだ。
それで五条さん達は沖縄へひとっ飛びして、『盤星教』の沖縄支部にやって来て私達を奪回し、せっかく沖縄に来たのだからと小一時間ほど海へ行こうということになったのだ。
「さ、次は着替えの服を買うのじゃ!制服じゃ観光気分にならん」
理子ちゃんは観光時特有のハイテンションで、私ともすっかり打ち解けていた。
お互いにああだこうだと言い合いながら、お互いに似合う水着とワンピースを選び合った。
この時の理子ちゃんは、『星漿体』という重い定めからも解放されて、年相応の表情をしていた。
救出を成功させて沖縄観光しようと言い出したのは、五条さんだという。
ただ自分が観光したいというのもあるだろうけれど、五条さんなりに理子ちゃんのことを考えたのだろう。
思い出作りというには切ないけれど、短くても素敵な時間になるように、私も一緒にめいいっぱい楽しむことにした。
「「めんそーれ!!」」
と五条さんと理子ちゃんは同時に海の中へ駆け込んで行く。
夏油さんと黒井さんは波打ち際で、そんな二人を見守っている。
そして私は、
(・・・調子に乗りすぎた・・・)
パラソルの下の荷物と一緒にしゃがみ込んでいた。
男子達は短パンにかりゆしを羽織り、女子達は水着にラッシュガードを羽織った解放的な格好をしている。
私はというと、ラッシュガードをしっかり着込み、下はタオルでぐるぐる巻きにしている。
水着を着ているには着ているのだが、
(どうしてこんな水着買っちゃったんだろ~~~っ!!)
それが、真っ白なビキニタイプなのだ。
しかも、肩と腰部分がヒモで結ぶタイプの。
「これじゃ!これで決まりじゃ!」
この水着を選んだのは、理子ちゃんだ。
「え。なんか布の面積少なくない?」
最初は拒否していた私だったのだが。
「解放的な沖縄の海には、これくらいの方がいいんじゃないですか?」
「そうじゃ!ワンピタイプじゃきっと悪目立ちするのじゃ」
「え、そうなのかな・・・」
黒井さんと二人でゴリ押しされて、買ってしまったのだ。