第31話 懐玉ー壱ー
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今、『星漿体』である少女の所在が漏洩し、この二つの組織が彼女の命を狙っている。
二日後の満月の同化の時までに、少女を護衛し天元の元まで送り届けよ。
それが、五条さんと夏油さんに課せられた任務だ。
「失敗すればその影響は一般社会まで及ぶ。心してかかれ!!」
と夜蛾さんが大声で発破をかけた。
それからしばらくして、三人が実験室から出てくる気配がしたので、私は慌ててその場から走り去った。
何となく、気易くは立ち入ってはならないような気がして。
日本の命運を左右するような、重要な任務だ。
でもきっと、あの二人なら心配はいらない。
(・・・でも)
やはり胸騒ぎは収まらなかった。
『星漿体』の少女は、『Q』と『盤星教』からの刺客から身を隠すように、都内のホテルを転々としているらしい。
現在も都内にある某ホテルに滞在している。
これも、立ち聞きで知った情報だ。
五条さんと夏油さんは彼女を護衛するべく、そのホテルへ向かった。
そして私はというと、
(・・・来てしまった)
その『星漿体』の少女が滞在するホテルの最寄り駅にいた。
夜蛾さんに命じられたわけじゃない、独断でここにやって来たのだ。
私に何が出来るわけじゃないけれど、むしろ足手まといになるかもしれないけれど。
どうしても胸騒ぎが収まらなくて、気がつけば高専を出て電車に乗っていた。
(えっと、ホテルはどこだろう?)
改札を出て辺りを見回している時だった。
「何だ?」
「テロ?」
周辺の歩行人が何やら騒めいて、ある一点の方角を見つめている。
そんな人々につられてその方角を見てみると、高層ビルの一角が爆破したかのように崩れ落ち、もくもくと煙が立ち上っていた。
「・・・!」
私はすぐさま駆け出して、その建物に向かった。
きっと、あそこが『星漿体』の少女が滞在するホテルだ。
既に、敵の襲撃は始まっているんだ。
「はぁ、はぁ・・・」
ホテルの前まで駆けつけると、宿泊客がホテルマンに引率されて外へ避難していた。
周辺は騒然としていて、私は制止されることもなくホテルに入ることが出来た。
既に避難は完了しているようで、ホテル内は人がいなかった。
爆発があったと思われるフロアまでエレベーターで上がっていく。
すると、その途中でエレベーターが止まった。
(敵・・・?)
私は身構える。
ドアが開く。
その向こうに、赤べこのようなフォルムの呪霊が佇んでいた。
「・・・・!」
私は呪力を込めた拳を握りしめる。
しかし。
「あ、あなたは」
女の人の声が聞こえて、ハッとした。
よく見てみると、赤べこの呪霊の背中にメイド姿の女の人が乗っていた。
「そのうずまきのバッジ、貴女も呪術高専の方ですよね。あのお二方のお仲間ですか?」
彼女の言葉に、私は少し警戒を緩めた。
「その二人って、白髪と前髪の・・・」
「そうです、そうです」
「確かにその二人は同級生です。二人は今どこに?」
「お嬢様を連れて先に階下へ向かわれました。私は、敵襲の際のダメージが残っていて無理はしないようにと、前髪の方がこの呪霊を」
そう言いながら、彼女は赤べこ呪霊の頭を撫でた。
「申し遅れました。私は黒井と申します。理子様にお仕えする者です」
理子・・・それが『星漿体』の少女の名前か。
「呪術高専二年、鶴來和紗です」
「鶴來様。鶴來様も理子様を護衛するために呪術高専から派遣されたのですね」
「え、ええ、まぁ」
私は勝手に来ただけですけどね!
そんなことは露にも知らない黒井さんは、ホッとしたような顔をした。
「良かったです。鶴來さんのような物腰の柔らかい女性が来ていただいて。こう言っては失礼ですが、あのお二人は背も高く威圧感がおありですので、理子様が怖がるかもと思ってまして・・・」
「アハハ・・・」
黒井さんの言葉に、私は苦笑いするしかなかった。
しかし、すぐさま真顔に戻って黒井さんに尋ねた。
「それで『星漿体』・・・理子さんは無事なんですか?」
二日後の満月の同化の時までに、少女を護衛し天元の元まで送り届けよ。
それが、五条さんと夏油さんに課せられた任務だ。
「失敗すればその影響は一般社会まで及ぶ。心してかかれ!!」
と夜蛾さんが大声で発破をかけた。
それからしばらくして、三人が実験室から出てくる気配がしたので、私は慌ててその場から走り去った。
何となく、気易くは立ち入ってはならないような気がして。
日本の命運を左右するような、重要な任務だ。
でもきっと、あの二人なら心配はいらない。
(・・・でも)
やはり胸騒ぎは収まらなかった。
『星漿体』の少女は、『Q』と『盤星教』からの刺客から身を隠すように、都内のホテルを転々としているらしい。
現在も都内にある某ホテルに滞在している。
これも、立ち聞きで知った情報だ。
五条さんと夏油さんは彼女を護衛するべく、そのホテルへ向かった。
そして私はというと、
(・・・来てしまった)
その『星漿体』の少女が滞在するホテルの最寄り駅にいた。
夜蛾さんに命じられたわけじゃない、独断でここにやって来たのだ。
私に何が出来るわけじゃないけれど、むしろ足手まといになるかもしれないけれど。
どうしても胸騒ぎが収まらなくて、気がつけば高専を出て電車に乗っていた。
(えっと、ホテルはどこだろう?)
改札を出て辺りを見回している時だった。
「何だ?」
「テロ?」
周辺の歩行人が何やら騒めいて、ある一点の方角を見つめている。
そんな人々につられてその方角を見てみると、高層ビルの一角が爆破したかのように崩れ落ち、もくもくと煙が立ち上っていた。
「・・・!」
私はすぐさま駆け出して、その建物に向かった。
きっと、あそこが『星漿体』の少女が滞在するホテルだ。
既に、敵の襲撃は始まっているんだ。
「はぁ、はぁ・・・」
ホテルの前まで駆けつけると、宿泊客がホテルマンに引率されて外へ避難していた。
周辺は騒然としていて、私は制止されることもなくホテルに入ることが出来た。
既に避難は完了しているようで、ホテル内は人がいなかった。
爆発があったと思われるフロアまでエレベーターで上がっていく。
すると、その途中でエレベーターが止まった。
(敵・・・?)
私は身構える。
ドアが開く。
その向こうに、赤べこのようなフォルムの呪霊が佇んでいた。
「・・・・!」
私は呪力を込めた拳を握りしめる。
しかし。
「あ、あなたは」
女の人の声が聞こえて、ハッとした。
よく見てみると、赤べこの呪霊の背中にメイド姿の女の人が乗っていた。
「そのうずまきのバッジ、貴女も呪術高専の方ですよね。あのお二方のお仲間ですか?」
彼女の言葉に、私は少し警戒を緩めた。
「その二人って、白髪と前髪の・・・」
「そうです、そうです」
「確かにその二人は同級生です。二人は今どこに?」
「お嬢様を連れて先に階下へ向かわれました。私は、敵襲の際のダメージが残っていて無理はしないようにと、前髪の方がこの呪霊を」
そう言いながら、彼女は赤べこ呪霊の頭を撫でた。
「申し遅れました。私は黒井と申します。理子様にお仕えする者です」
理子・・・それが『星漿体』の少女の名前か。
「呪術高専二年、鶴來和紗です」
「鶴來様。鶴來様も理子様を護衛するために呪術高専から派遣されたのですね」
「え、ええ、まぁ」
私は勝手に来ただけですけどね!
そんなことは露にも知らない黒井さんは、ホッとしたような顔をした。
「良かったです。鶴來さんのような物腰の柔らかい女性が来ていただいて。こう言っては失礼ですが、あのお二人は背も高く威圧感がおありですので、理子様が怖がるかもと思ってまして・・・」
「アハハ・・・」
黒井さんの言葉に、私は苦笑いするしかなかった。
しかし、すぐさま真顔に戻って黒井さんに尋ねた。
「それで『星漿体』・・・理子さんは無事なんですか?」