第30話 呪術演劇部
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そして七海さんはさっき私が落としたスプーンを拾い、
「隣、いいですか」
と私に尋ねた。
なので、私は大きくコクコクと頷く。
(助かったーっ)
と内心思いながら。
「あ~ぁ」
対照的に直哉さんは溜息を吐いて、席を立った。
「興覚めや。それにそろそろ行かなあかんしな。ここらでお暇するわ」
そして、私に向かって言った。
「悟君にヨロシク。じゃ、また交流会で」
「はい・・・」
本当はもう二度と会いたくないけれど。
内心そう思いながら、直哉さんを見送った。
直哉さんが去った後、
「ありがとう。七海さ・・・君、灰原君」
と、私は言った。
だけど私が困っていたことなんて気づいていない灰原君はキョトンとしている。
七海さんは至ってクールで、
「別に何もしてませんよ。それよりも交流会、何をするか決まったんですか?」
と、尋ねてきた。
「あ、うん。団体戦と今年は特別に演劇対決なんだって」
「演劇?」
七海さんも私と同じく素っ頓狂な声で言った。
「それはまた何故・・・」
「悟君と傑君が強すぎて、実力差がありすぎるからだって」
「はぁ・・・。しかしよりによって何故演劇など」
と、七海さんは憂鬱そうな顔をしているけれど、
「演劇かぁ。それも楽しそうだね!」
と灰原君はワクワクしている。
「何の劇をするのかな?」
「皆が帰ってきたら決めるんじゃないかな」
「俺は『ごんぎつね』がいいな!」
「確かに名作だよね」
「妹によく読み聞かせしてやったなぁ。毎回俺も妹も号泣しちゃって・・・」
「灰原君、妹がいるんだ」
「うん。何だか本当に『ごんぎつね』を演じたくなってきたなぁ。そうだ!七海、俺達で先生に推薦しないか?」
「『ごんぎつね』じゃ圧倒的に役が少ないでしょうよ・・・」
その日の放課後。
早速、全学年の生徒が集められて、交流会の説明が行われた。
「演劇ィ?」
話を聞き終えて、五条さんが不服そうに声を上げた。
「そうだ。演劇だ」
有無を言わさんとばかりに夜蛾さんがオウム返しする。
しかし、それで口を噤むような五条さんではなかった。
「演劇って、練習とか準備とか色々めんどくさいじゃん。それを授業と任務の間にやれっっつーのかよ」
「演劇に決まったのは、オマエ達のせいでもあるんだぞ」
「あ?」
「昨年の交流会の個人戦で、オマエ達がやり過ぎたせいで、京都校の生徒達がトラウマになって、個人戦はやりたくないと申し出があったのだ」
「やり過ぎってそんな。全力でやったって言ってほしいなぁ」
「手抜きをしろとは言わん。が、手加減をしろと言ったはずだが」
「んだよソレ。弱いヤツに気ぃ遣わないといけないなんて、個人戦やる意味ないじゃん」
「だから、今年度は演劇になったのだ」
と、夜蛾さんは教壇の上にドンッとくじ引きの箱を出した。
「それでは今から演目を決める。この箱に演目の題名を書いた紙が幾つか入っている。傑、オマエが引くんだ」
指名されて、夏油さんは席を立ち渋々くじを引く。
そして引いた紙を開いて、
「『ロミオとジュリエット』」
と、演目名を読み上げた。
それを聞いて学生の皆は騒めく。
「『ロミオとジュリエット』ぉ?」
と、五条さんが声を上げる。
「シェイクスピアの代表的作品だね」
夏油さんが言った。
「まさか悟、知らないなんてことはないよね?」
「知ってるよ。『おぉロミオ、あなたは何故ロミオなの?』ってヤツだろ?」
「その通り」
「じゃあ次は役決めだ」
夜蛾さんが言った。
「上の学年から順にくじを引くんだ」
そうして、決められた役は・・・。
・ロミオ役・・・夏油傑
・ジュリエット役・・・鶴來和紗
・ティボルト役・・・五条悟
・ジュリエットの母・・・家入硝子
・マキューシオ・・・灰原雄
・ロレンス司祭・・・七海建人
・etc・・・他の学生
となった。
「隣、いいですか」
と私に尋ねた。
なので、私は大きくコクコクと頷く。
(助かったーっ)
と内心思いながら。
「あ~ぁ」
対照的に直哉さんは溜息を吐いて、席を立った。
「興覚めや。それにそろそろ行かなあかんしな。ここらでお暇するわ」
そして、私に向かって言った。
「悟君にヨロシク。じゃ、また交流会で」
「はい・・・」
本当はもう二度と会いたくないけれど。
内心そう思いながら、直哉さんを見送った。
直哉さんが去った後、
「ありがとう。七海さ・・・君、灰原君」
と、私は言った。
だけど私が困っていたことなんて気づいていない灰原君はキョトンとしている。
七海さんは至ってクールで、
「別に何もしてませんよ。それよりも交流会、何をするか決まったんですか?」
と、尋ねてきた。
「あ、うん。団体戦と今年は特別に演劇対決なんだって」
「演劇?」
七海さんも私と同じく素っ頓狂な声で言った。
「それはまた何故・・・」
「悟君と傑君が強すぎて、実力差がありすぎるからだって」
「はぁ・・・。しかしよりによって何故演劇など」
と、七海さんは憂鬱そうな顔をしているけれど、
「演劇かぁ。それも楽しそうだね!」
と灰原君はワクワクしている。
「何の劇をするのかな?」
「皆が帰ってきたら決めるんじゃないかな」
「俺は『ごんぎつね』がいいな!」
「確かに名作だよね」
「妹によく読み聞かせしてやったなぁ。毎回俺も妹も号泣しちゃって・・・」
「灰原君、妹がいるんだ」
「うん。何だか本当に『ごんぎつね』を演じたくなってきたなぁ。そうだ!七海、俺達で先生に推薦しないか?」
「『ごんぎつね』じゃ圧倒的に役が少ないでしょうよ・・・」
その日の放課後。
早速、全学年の生徒が集められて、交流会の説明が行われた。
「演劇ィ?」
話を聞き終えて、五条さんが不服そうに声を上げた。
「そうだ。演劇だ」
有無を言わさんとばかりに夜蛾さんがオウム返しする。
しかし、それで口を噤むような五条さんではなかった。
「演劇って、練習とか準備とか色々めんどくさいじゃん。それを授業と任務の間にやれっっつーのかよ」
「演劇に決まったのは、オマエ達のせいでもあるんだぞ」
「あ?」
「昨年の交流会の個人戦で、オマエ達がやり過ぎたせいで、京都校の生徒達がトラウマになって、個人戦はやりたくないと申し出があったのだ」
「やり過ぎってそんな。全力でやったって言ってほしいなぁ」
「手抜きをしろとは言わん。が、手加減をしろと言ったはずだが」
「んだよソレ。弱いヤツに気ぃ遣わないといけないなんて、個人戦やる意味ないじゃん」
「だから、今年度は演劇になったのだ」
と、夜蛾さんは教壇の上にドンッとくじ引きの箱を出した。
「それでは今から演目を決める。この箱に演目の題名を書いた紙が幾つか入っている。傑、オマエが引くんだ」
指名されて、夏油さんは席を立ち渋々くじを引く。
そして引いた紙を開いて、
「『ロミオとジュリエット』」
と、演目名を読み上げた。
それを聞いて学生の皆は騒めく。
「『ロミオとジュリエット』ぉ?」
と、五条さんが声を上げる。
「シェイクスピアの代表的作品だね」
夏油さんが言った。
「まさか悟、知らないなんてことはないよね?」
「知ってるよ。『おぉロミオ、あなたは何故ロミオなの?』ってヤツだろ?」
「その通り」
「じゃあ次は役決めだ」
夜蛾さんが言った。
「上の学年から順にくじを引くんだ」
そうして、決められた役は・・・。
・ロミオ役・・・夏油傑
・ジュリエット役・・・鶴來和紗
・ティボルト役・・・五条悟
・ジュリエットの母・・・家入硝子
・マキューシオ・・・灰原雄
・ロレンス司祭・・・七海建人
・etc・・・他の学生
となった。