第29話 まつろわぬ民
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だけど、
「よしよ~し。痛いの痛いの飛んでけ~」
と、おどけた調子で私の頭に手を伸ばして撫で始めた。
「・・・子どもじゃないんだから」
と言いながら、私は伏せていた目をそっと上げる。
すると、五条さんは目をすがめて笑っていた。
間近で視線がぶつかる。
ドキドキする。
そして、なんだかとても懐かしい。
優しく目をすがめて私を見つめるその瞳が。
「・・・って」
そこでふと気づいた。
「サングラスは?」
「ん?」
今、目の前の五条さんはサングラスをしていない。
放り出された弾みで外れてしまったらしい。
どこにいってしまったのかと思っていたら、
「「あ・・・」」
私と五条さんの身体の間に挟まれて、サングラスはフレームがグニ〜ッと曲がってしまっていた。
「あーぁ」
五条さんが溜息を吐く。
「これじゃ使いもんになんねーな」
「・・・ごめんなさい」
「なんでオマエが謝んだよ」
「私のせいで五条さんまでこんな籠に閉じ込められてしまって」
「・・・別にオマエのせいじゃないだろ。俺がしくっただけだ」
「・・・・・・」
「ジタバタしても仕方ねぇ。15分で効果がなくなるって術師本人が言ってんだ。それまで待つしかねーよ」
「夏油さん、大丈夫かな」
「大丈夫だよ。あんな雑魚共に傑がやられるわけねぇ。なんなら、俺達が出られる頃にはアイツひとりで大阪分校の連中全員のしてるかもな」
「・・・・・・」
「ってゆーかぁ、オマエ今、めちゃくちゃドキドキしてない?」
「・・・え」
「心拍音、すっげー早いの聞こえてくる」
「・・・・・・」
否定したくても、こう身体が密着していてはそれも出来ない。
恥ずかしくて押し黙っていたら、五条さんは調子に乗って言葉を続けた。
「そりゃそーだよなぁ。俺みたいなグッドルッキングガイとこんなに密着してりゃあドキドキするよなぁ」
「・・・・・・」
「もしかして、惚れちゃう?」
と、自信満々な笑みを浮かべて挑発するような視線を向ける。
なので、私は。
「・・・惚れちゃう」
「んー?」
「・・・なんてないから!よくそんなこと言えるわね、この自惚れ屋!」
「あ?」
「私、好きな人いるもの」
そう言うと、五条さんは鳩が豆鉄砲な顔をした。
そして、こう尋ねてきた。
「もしかして、傑?」
「は?」
「アイツ、あんな変な前髪なのに妙にモテるんだよなー」
「・・・・・・」
「ひょっとして、『夏油さん、優しいから好き♡』とか思ってる?それ、勘違いだからな。アイツ人当たり良くても、心の奥はスゲー腹黒だから」
「・・・違うよ」
「ん?」
「夏油さんじゃない」
「へ~?そんじゃ誰?どんなヤツ?年上?タメ?それとも年下?」
「・・・年上」
「いくつ?」
「28歳・・・」
「28!?マジ?アラサー?オッサンじゃん」
「・・・・・・」
12年後のアナタなんですけど、と心の中で突っ込んだのは言うまでもない。
だけど、そんなこと知る由もない五条さんはますます興味深々で尋ねてくる。
「ソイツって術師?非術師?」
「・・・呪術師・・・」
「俺の知ってるヤツ?」
「・・・・・・」
よぉ~く、知っていますとも。
「オマエの片思い?それとも付き合ってんの?」
「・・・いずれ結婚しようって」
「マジかぁ。まだ十代なのに、オマエ人生生き急いでんなぁ」
「っていうか、なんでこんな事まで話さなきゃならないの!?」
「だって退屈なんだもんよー」
「・・・・・・」
こんな状態で退屈だなんて、よく言えるものだ。
(私はこんなにドキドキしてるのに・・・)
私は五条さんの視線を逸らすべく再び目を伏せた。
「じゃあ、あれかぁ」
五条さんが言った。
「オマエが以前に言ってた『強き者が弱きを助け、強きを挫く』って、カレシの影響なワケ?」
「・・・・・・」
五条さんがそう話していた時を思い出して、
「・・・うん」
と、私は小さく頷いた。
「よしよ~し。痛いの痛いの飛んでけ~」
と、おどけた調子で私の頭に手を伸ばして撫で始めた。
「・・・子どもじゃないんだから」
と言いながら、私は伏せていた目をそっと上げる。
すると、五条さんは目をすがめて笑っていた。
間近で視線がぶつかる。
ドキドキする。
そして、なんだかとても懐かしい。
優しく目をすがめて私を見つめるその瞳が。
「・・・って」
そこでふと気づいた。
「サングラスは?」
「ん?」
今、目の前の五条さんはサングラスをしていない。
放り出された弾みで外れてしまったらしい。
どこにいってしまったのかと思っていたら、
「「あ・・・」」
私と五条さんの身体の間に挟まれて、サングラスはフレームがグニ〜ッと曲がってしまっていた。
「あーぁ」
五条さんが溜息を吐く。
「これじゃ使いもんになんねーな」
「・・・ごめんなさい」
「なんでオマエが謝んだよ」
「私のせいで五条さんまでこんな籠に閉じ込められてしまって」
「・・・別にオマエのせいじゃないだろ。俺がしくっただけだ」
「・・・・・・」
「ジタバタしても仕方ねぇ。15分で効果がなくなるって術師本人が言ってんだ。それまで待つしかねーよ」
「夏油さん、大丈夫かな」
「大丈夫だよ。あんな雑魚共に傑がやられるわけねぇ。なんなら、俺達が出られる頃にはアイツひとりで大阪分校の連中全員のしてるかもな」
「・・・・・・」
「ってゆーかぁ、オマエ今、めちゃくちゃドキドキしてない?」
「・・・え」
「心拍音、すっげー早いの聞こえてくる」
「・・・・・・」
否定したくても、こう身体が密着していてはそれも出来ない。
恥ずかしくて押し黙っていたら、五条さんは調子に乗って言葉を続けた。
「そりゃそーだよなぁ。俺みたいなグッドルッキングガイとこんなに密着してりゃあドキドキするよなぁ」
「・・・・・・」
「もしかして、惚れちゃう?」
と、自信満々な笑みを浮かべて挑発するような視線を向ける。
なので、私は。
「・・・惚れちゃう」
「んー?」
「・・・なんてないから!よくそんなこと言えるわね、この自惚れ屋!」
「あ?」
「私、好きな人いるもの」
そう言うと、五条さんは鳩が豆鉄砲な顔をした。
そして、こう尋ねてきた。
「もしかして、傑?」
「は?」
「アイツ、あんな変な前髪なのに妙にモテるんだよなー」
「・・・・・・」
「ひょっとして、『夏油さん、優しいから好き♡』とか思ってる?それ、勘違いだからな。アイツ人当たり良くても、心の奥はスゲー腹黒だから」
「・・・違うよ」
「ん?」
「夏油さんじゃない」
「へ~?そんじゃ誰?どんなヤツ?年上?タメ?それとも年下?」
「・・・年上」
「いくつ?」
「28歳・・・」
「28!?マジ?アラサー?オッサンじゃん」
「・・・・・・」
12年後のアナタなんですけど、と心の中で突っ込んだのは言うまでもない。
だけど、そんなこと知る由もない五条さんはますます興味深々で尋ねてくる。
「ソイツって術師?非術師?」
「・・・呪術師・・・」
「俺の知ってるヤツ?」
「・・・・・・」
よぉ~く、知っていますとも。
「オマエの片思い?それとも付き合ってんの?」
「・・・いずれ結婚しようって」
「マジかぁ。まだ十代なのに、オマエ人生生き急いでんなぁ」
「っていうか、なんでこんな事まで話さなきゃならないの!?」
「だって退屈なんだもんよー」
「・・・・・・」
こんな状態で退屈だなんて、よく言えるものだ。
(私はこんなにドキドキしてるのに・・・)
私は五条さんの視線を逸らすべく再び目を伏せた。
「じゃあ、あれかぁ」
五条さんが言った。
「オマエが以前に言ってた『強き者が弱きを助け、強きを挫く』って、カレシの影響なワケ?」
「・・・・・・」
五条さんがそう話していた時を思い出して、
「・・・うん」
と、私は小さく頷いた。