第28話 問題児二人
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教室の中の様子を見て、私は面食らった。
教室には、15人もの生徒がいた。
東京校でも一学年の人数は、片手でも余るほどなのに。
それだけじゃない。
その中には、明らかに高校生じゃない小さな子もいた。
そんな私の様子を菅田さんは察したのか、
「当校は高専を名乗っていますが、万城目学長が過去に営んでいた私塾をそのまま基盤としているため、異学年混合のクラスとなっているのです」
と、私が尋ねる前に説明をした。
それから、私はそのクラスで自己紹介をして早速授業を受けることになった。
授業は一般教養と、呪術史、そして呪力の基本技術についてという内容だった。
疑われているような洗脳教育等は、今のところ見受けられなかった。
(このまま何も見つからなかったら、私、ずっとここにいることになるのかなぁ)
昼休みになり校内を散策する。
生徒たちは、ごく普通の学生のようにボール遊びをしたり、おしゃべりをしたり、思い思いに過ごしている。
ざっと見たところ、生徒数は50人程か。
呪術高専と言うより、小規模のごく普通の学校といった雰囲気だ。
生徒たちの溌溂とした様子を見ながら疑問に思う。
(本当にここで呪詛師の育成を?)
でも、情報はあがってるんだ。
きっとこの学校には何かがある。
僅かでもいい。
何か確証になることをみつけないと。
(それにしても・・・)
私は襟の内側に着けた発信機代わりのテントウムシ型呪霊をチラッと見た。
(あの二人、ちゃんと待機してるのかな?まさか、二人だけでUSJに遊びに行ったんじゃ・・・!)
「ねっ、和紗ちゃん!」
「!?」
突然声をかけられて、私は驚いてビクッと跳ね上がった。
振り向くと、とても小柄な女の子が私の背後に立っていた。
「え、えっと・・・?」
誰かわからず戸惑っていると、
「私、同じクラスの!」
と、彼女は言った。
バッチリ化粧して、両の耳にはギッシリピアスをつけている。
大人ぶった装いをしているけれど、どうみても中学生そこそこといった感じだ。
「あぁ」
そういえば、こんなコいたな。
「私、梨理衣!」
「へ?」
「名前だよ。ちゃんと覚えてね?」
「あ、そっか、うん」
イマドキのコの名前は洒落てるなぁ。
・・・て、ここは2006年だったっけ。
「和紗ちゃん、さっきからずっとウロウロして何してるの?」
と、梨理衣ちゃんが尋ねてきた。
何故か既にとても私に懐いている。
「散歩だよ」
余計なことを言わないように、それだけ答えた。
「そっか。どこに何があるかまだわからないよね?じゃあ梨理衣が案内してあげる!」
「あ、あー・・・、うん。ありがとう」
本当はひとりがいいんだけど。
(でも、何か話を聞きだせるかもしれない)
そうして、私は梨理衣ちゃんと校内散策を始めた。
「和紗ちゃんは、どうしてここに入学したの?スカウト?」
「あー、自分で探して、だよ」
「ふーん。梨理衣はスカウトだよー」
私から質問するまでもなく、梨理衣ちゃんから色々と話し始めた。
「梨理衣、小さな頃から呪いが見えてて、家族からも不気味がられて学校でも浮きまくってて、どこにも居場所がなかったんだけど、万城目サンが梨理衣のことみつけて居場所を作ってくれたんだぁ。ここにいるコ達は、大体そんなカンジ」
「そうなんだ・・・」
呪力がある。
それ故に身寄りのないコを集めているのか。
「万城目サン、見た目は超コワイでしょ?ヤクザやギャングかマフィアかって思うじゃん?でも、本当は優しいの。万城目サンは、梨理衣にとってはお父さんみたいな存在なの」
「・・・・・・」
「万城目サンが言ってた。私たちは、特別な存在だって。だから、人と違うからって自分を卑下することなんかないって。卑下されるべきは、何の力も持たず、群れることしか能がない猿共の方なんだって」
「・・・猿共?」
その言葉に、ひっかかりを覚えた。
プロパガンダ。
夏油さんが言っていた言葉を思い出した。
「非術師のことだよ」
梨理衣ちゃんは無邪気な様子で言った。
「だって、アイツら呪霊を倒せないし見えもしないじゃない」
教室には、15人もの生徒がいた。
東京校でも一学年の人数は、片手でも余るほどなのに。
それだけじゃない。
その中には、明らかに高校生じゃない小さな子もいた。
そんな私の様子を菅田さんは察したのか、
「当校は高専を名乗っていますが、万城目学長が過去に営んでいた私塾をそのまま基盤としているため、異学年混合のクラスとなっているのです」
と、私が尋ねる前に説明をした。
それから、私はそのクラスで自己紹介をして早速授業を受けることになった。
授業は一般教養と、呪術史、そして呪力の基本技術についてという内容だった。
疑われているような洗脳教育等は、今のところ見受けられなかった。
(このまま何も見つからなかったら、私、ずっとここにいることになるのかなぁ)
昼休みになり校内を散策する。
生徒たちは、ごく普通の学生のようにボール遊びをしたり、おしゃべりをしたり、思い思いに過ごしている。
ざっと見たところ、生徒数は50人程か。
呪術高専と言うより、小規模のごく普通の学校といった雰囲気だ。
生徒たちの溌溂とした様子を見ながら疑問に思う。
(本当にここで呪詛師の育成を?)
でも、情報はあがってるんだ。
きっとこの学校には何かがある。
僅かでもいい。
何か確証になることをみつけないと。
(それにしても・・・)
私は襟の内側に着けた発信機代わりのテントウムシ型呪霊をチラッと見た。
(あの二人、ちゃんと待機してるのかな?まさか、二人だけでUSJに遊びに行ったんじゃ・・・!)
「ねっ、和紗ちゃん!」
「!?」
突然声をかけられて、私は驚いてビクッと跳ね上がった。
振り向くと、とても小柄な女の子が私の背後に立っていた。
「え、えっと・・・?」
誰かわからず戸惑っていると、
「私、同じクラスの!」
と、彼女は言った。
バッチリ化粧して、両の耳にはギッシリピアスをつけている。
大人ぶった装いをしているけれど、どうみても中学生そこそこといった感じだ。
「あぁ」
そういえば、こんなコいたな。
「私、梨理衣!」
「へ?」
「名前だよ。ちゃんと覚えてね?」
「あ、そっか、うん」
イマドキのコの名前は洒落てるなぁ。
・・・て、ここは2006年だったっけ。
「和紗ちゃん、さっきからずっとウロウロして何してるの?」
と、梨理衣ちゃんが尋ねてきた。
何故か既にとても私に懐いている。
「散歩だよ」
余計なことを言わないように、それだけ答えた。
「そっか。どこに何があるかまだわからないよね?じゃあ梨理衣が案内してあげる!」
「あ、あー・・・、うん。ありがとう」
本当はひとりがいいんだけど。
(でも、何か話を聞きだせるかもしれない)
そうして、私は梨理衣ちゃんと校内散策を始めた。
「和紗ちゃんは、どうしてここに入学したの?スカウト?」
「あー、自分で探して、だよ」
「ふーん。梨理衣はスカウトだよー」
私から質問するまでもなく、梨理衣ちゃんから色々と話し始めた。
「梨理衣、小さな頃から呪いが見えてて、家族からも不気味がられて学校でも浮きまくってて、どこにも居場所がなかったんだけど、万城目サンが梨理衣のことみつけて居場所を作ってくれたんだぁ。ここにいるコ達は、大体そんなカンジ」
「そうなんだ・・・」
呪力がある。
それ故に身寄りのないコを集めているのか。
「万城目サン、見た目は超コワイでしょ?ヤクザやギャングかマフィアかって思うじゃん?でも、本当は優しいの。万城目サンは、梨理衣にとってはお父さんみたいな存在なの」
「・・・・・・」
「万城目サンが言ってた。私たちは、特別な存在だって。だから、人と違うからって自分を卑下することなんかないって。卑下されるべきは、何の力も持たず、群れることしか能がない猿共の方なんだって」
「・・・猿共?」
その言葉に、ひっかかりを覚えた。
プロパガンダ。
夏油さんが言っていた言葉を思い出した。
「非術師のことだよ」
梨理衣ちゃんは無邪気な様子で言った。
「だって、アイツら呪霊を倒せないし見えもしないじゃない」