第28話 問題児二人
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その言葉が、硝子さんのあのふたりに対する信頼を感じさせた。
そうなんだ。
ドライに見えて、硝子さんはずっと見守って来たんだ。
五条さんと夏油さんのことを。
そして、今も。
「・・・お土産買って来るね」
と私が言うと、硝子さんは二ッと笑った。
「楽しみにしてる」
新幹線に乗って目的地へ向かう。
夜蛾さんと私、五条さんと夏油さんがそれぞれ隣同士になって座る。
「『土蜘蛛』というのは単一ではなく、各地で王朝に抗った各々の勢力の総称だ。その規模は、国一体を支配する豪族から単身の呪術師と様々だ」
車中で夜蛾さんが解説を始めた。
「かつて陸奥、越後、常陸、摂津、豊後、肥後と呼ばれた国々に存在した。その子孫達もそれらの土地に潜んでいると言われている。今回の任務の対象は、摂津つまり現在の大阪に潜伏している『土蜘蛛』が対象だ」
「大阪・・・」
その話を聞いてボンヤリと思う。
(私、何だかやたら関西の方へ行ってるなぁ)
現地実習では、奈良と京都(第14、15話)だったし。
お父さんに会いに行ったのは、神戸(第19話)だったし。
そう思い至ると、陵 先生達やお父さん達のことを思い出した。
「・・・・・・」
今頃、どうしてるんだろう。
考えると、不安と心配で胸が苦しくなる。
目を閉じて俯いていたら、
「食う?」
と、声を掛けられた。
振り向くと、五条さんが背もたれからヒョッコリと顔を覗かせて、こちらに棒付きキャンディーを差し出していた。
「・・・ありがとう」
と、私は受け取ろうと手を伸ばすけれど、
「やっぱやーめたっ」
と、寸前でで五条さんはキャンディと顔を引っ込めた。
そして、「へっへっへっ」と愉快そうに笑っている。
・・・ムカつく。
「場所の目星はついてるんですか?」
と、夏油さんが尋ねる。
「ああ。潜伏先は・・・」
と、夜蛾さんが言ったところで携帯電話が鳴った。
「すまん。少し外す」
と、夜蛾さんは携帯電話を手に席を立ち、通話可能デッキへ向かった。
「潜伏調査ってまだるっこしいなぁ。そのままぶっ潰せばいいじゃん、そのアジト」
「テロ計画の確固たる証拠がないんだろう。ひょっとしたら今回の件は、インサイダーが絡んでるのかもしれないな」
「サイダー?」
「内部告発者ってこと」
「じゃあ、その内部告発を確固たるものにするための証拠を集めろってこと?」
「そういうこと」
という五条さんと夏油さんの会話を聞きながら、私は考えていた。
(呪詛師ってことは人間が相手なんだよね。調査だけで済んで戦闘にならなければいいけど・・・)
そこへ、夜蛾さんが戻ってきた。
が、少し困ったように深々と眉間に皺を寄せている。
「京都校で緊急会合が入った」
夜蛾さんが切り出した。
「夕方までには終わる予定だが、時間が惜しい。急遽だが、この任務は三人で行ってもらう」
「え・・・」
と、私は動揺の声を上げる。
しかし動揺してるのは私だけで、五条さんと夏油さんは動じることなく不敵な笑みを浮かべていた。
そうして、新幹線はまず京都駅に到着し、そこで夜蛾さんは下車していったん別行動となった。
下車する直前、夜蛾さんは夏油さんに任務の引き継ぎの話を始めた。夏油さんも真剣な表情で聞いていた。
それに対して、
「大阪といえばぁ」
五条さんが呑気な調子で言った。
「ユニバーサルスタジオジャパンだよなぁ」
それを聞いて、私と夏油さんはキョトンとする。
(っていうか、この展開どこかで見たことが)
すると案の定、五条さんはニンマリと笑みを浮かべながら言った。
「行くでしょ、USJ」
それを聞いて、私と夏油さんは呆れたように溜息を吐いた。
「悟・・・。この前のことで懲りたんじゃないのか」
「そうだよ」
私も言った。
「それに早く調査を始めないと・・・」
そうなんだ。
ドライに見えて、硝子さんはずっと見守って来たんだ。
五条さんと夏油さんのことを。
そして、今も。
「・・・お土産買って来るね」
と私が言うと、硝子さんは二ッと笑った。
「楽しみにしてる」
新幹線に乗って目的地へ向かう。
夜蛾さんと私、五条さんと夏油さんがそれぞれ隣同士になって座る。
「『土蜘蛛』というのは単一ではなく、各地で王朝に抗った各々の勢力の総称だ。その規模は、国一体を支配する豪族から単身の呪術師と様々だ」
車中で夜蛾さんが解説を始めた。
「かつて陸奥、越後、常陸、摂津、豊後、肥後と呼ばれた国々に存在した。その子孫達もそれらの土地に潜んでいると言われている。今回の任務の対象は、摂津つまり現在の大阪に潜伏している『土蜘蛛』が対象だ」
「大阪・・・」
その話を聞いてボンヤリと思う。
(私、何だかやたら関西の方へ行ってるなぁ)
現地実習では、奈良と京都(第14、15話)だったし。
お父さんに会いに行ったのは、神戸(第19話)だったし。
そう思い至ると、
「・・・・・・」
今頃、どうしてるんだろう。
考えると、不安と心配で胸が苦しくなる。
目を閉じて俯いていたら、
「食う?」
と、声を掛けられた。
振り向くと、五条さんが背もたれからヒョッコリと顔を覗かせて、こちらに棒付きキャンディーを差し出していた。
「・・・ありがとう」
と、私は受け取ろうと手を伸ばすけれど、
「やっぱやーめたっ」
と、寸前でで五条さんはキャンディと顔を引っ込めた。
そして、「へっへっへっ」と愉快そうに笑っている。
・・・ムカつく。
「場所の目星はついてるんですか?」
と、夏油さんが尋ねる。
「ああ。潜伏先は・・・」
と、夜蛾さんが言ったところで携帯電話が鳴った。
「すまん。少し外す」
と、夜蛾さんは携帯電話を手に席を立ち、通話可能デッキへ向かった。
「潜伏調査ってまだるっこしいなぁ。そのままぶっ潰せばいいじゃん、そのアジト」
「テロ計画の確固たる証拠がないんだろう。ひょっとしたら今回の件は、インサイダーが絡んでるのかもしれないな」
「サイダー?」
「内部告発者ってこと」
「じゃあ、その内部告発を確固たるものにするための証拠を集めろってこと?」
「そういうこと」
という五条さんと夏油さんの会話を聞きながら、私は考えていた。
(呪詛師ってことは人間が相手なんだよね。調査だけで済んで戦闘にならなければいいけど・・・)
そこへ、夜蛾さんが戻ってきた。
が、少し困ったように深々と眉間に皺を寄せている。
「京都校で緊急会合が入った」
夜蛾さんが切り出した。
「夕方までには終わる予定だが、時間が惜しい。急遽だが、この任務は三人で行ってもらう」
「え・・・」
と、私は動揺の声を上げる。
しかし動揺してるのは私だけで、五条さんと夏油さんは動じることなく不敵な笑みを浮かべていた。
そうして、新幹線はまず京都駅に到着し、そこで夜蛾さんは下車していったん別行動となった。
下車する直前、夜蛾さんは夏油さんに任務の引き継ぎの話を始めた。夏油さんも真剣な表情で聞いていた。
それに対して、
「大阪といえばぁ」
五条さんが呑気な調子で言った。
「ユニバーサルスタジオジャパンだよなぁ」
それを聞いて、私と夏油さんはキョトンとする。
(っていうか、この展開どこかで見たことが)
すると案の定、五条さんはニンマリと笑みを浮かべながら言った。
「行くでしょ、USJ」
それを聞いて、私と夏油さんは呆れたように溜息を吐いた。
「悟・・・。この前のことで懲りたんじゃないのか」
「そうだよ」
私も言った。
「それに早く調査を始めないと・・・」