第28話 問題児二人
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それからココアを飲み干して、私は自分の部屋に戻ることにした。
「ごちそうさまでした」
「おー」
「・・・じゃあ、また明日。おやすみなさい」
とドアを開けて、部屋を出ようとする。
その時だった。
「ちょい待ち」
と五条さんが私の肩に手を置いて引き留めた。
「・・・・・・っ」
ドキリとひとつ鼓動が跳ねて、私は振り返る。
すると、五条さんが私の方に手を伸ばして来た。
(あ・・・)
伸ばした手が、私の顔の輪郭に沿うような形になる。
記憶が、脳裏をかすめる。
私は思わず反射的に目を閉じた。
が。
「むぅっ!?」
グイッと乱雑に口元を拭われて、驚いて目を開いた。
すると、五条さんはイタズラな笑みを浮かべていた。
「ヒゲつけたまま帰るつもりかよ」
「・・・・・・」
何のことかわからなくて一瞬呆然としていたけれど、わかると恥ずかしくてカーッと顔が赤くなった。
「ど、どうしてすぐ教えてくれなかったの!?」
「『強き者は弱きを助け、強きを挫くって言うでしょ?』って口に生クリームつけたままカッコつけてやんの。ダッセ」
「ひ、ひどい!私はすぐ教えてあげたのにーっ」
「そん時に自分もついてないか確かめろよ、マヌケ」
「さ、最低ーっ!」
・・・その夜、ココアのおかげなのか、私はぐっすり眠ることが出来た。
夢の中にいるのに、熟睡するなんて変なの。
だけど、久しぶりの安らかな眠りだった。
そして、翌朝。
「・・・やっぱり、まだ醒めてない」
私は呪術高専の学生寮の自分の部屋で目が覚めた。
よく眠って目が覚めれば、現実の世界に戻れるかもと思ったけれど、それも目論みが外れた。
(とりあえず、今日は任務だ。遅刻しないようにしないと)
さっと布団から起き上がり、顔を洗って身なりを整える。
そこでふと気づいた。
(そういえば、私の制服ってあるのかな)
そう、この夢の世界に閉じ込められて以来、私は自分の私服を着ているのだ。
そんな時だった。
コンコンとドアをノックされて、
「おはよ、和紗。起きてる?」
と、硝子さんの声が聞こえてきた。
私は慌ててドアを開ける。
「おはようございます、硝子さん!」
「さん付け禁止。あと敬語も」
「え、あ、おはよう、硝子・・・?」
と私が不慣れな感じで言うと、硝子さんはクスッと笑って、
「これ」
と紙袋を突き出した。
私は戸惑いながらそれを受け取る。
「制服」
硝子さんが言った。
「昨日渡すつもりだったんだけど忘れてて。試着してみてよ。微調整が必要なら直しにだせるし」
「え・・・」
制服と聞いて胸が高まる。
制服なんて久しぶりだし、悠仁君や伏黒君や野薔薇ちゃん達がお揃いで着てるのを見てて、何だかいいなって思ってたから。
「ありがとう。早速着てみる!」
と、私は硝子さんの前ですぐさま着替えた。
制服は、お直しの必要がないほど私にピッタリだった。
ただひとつ、思いも寄らない点があった。
みんなの制服が立襟なのに、何故か私の制服はセーラー襟なのだ。
私の制服姿を見て、硝子さんが言った。
「いいじゃん。ピッタリだし似合ってるよ」
「ありがと。でも、どうしてセーラーなのかな?」
「え、自分でカスタムしたんじゃないの?」
「・・・・・・」
それで私はハッと思い出した。
『和紗のも、作ろうと思えば好きにカスタム出来るよー。 どんな風にしたい?』
『そうだなぁ・・・。私が制服を作るとしたら、セーラー服風が良いかなぁ。中学も高校もブレザーだったから』
確かずっと前に、そんな会話を五条さんとしたことがあったっけ。
(そんなささやかなことまで反映されるとは・・・)
奇子の術式の再現度に驚いていたら、
「任務、気をつけて行ってきなよ」
硝子さんが言った。
「ま、あのクズ共が一緒なら心配いらないか」
「でも、また振り回されそうで違う意味で心配なんだけど」
「言えてる。でも」
硝子さんは微笑みながら言った。
「どんなヤツが相手でも大丈夫だよ。アイツらは最強だから」
「ごちそうさまでした」
「おー」
「・・・じゃあ、また明日。おやすみなさい」
とドアを開けて、部屋を出ようとする。
その時だった。
「ちょい待ち」
と五条さんが私の肩に手を置いて引き留めた。
「・・・・・・っ」
ドキリとひとつ鼓動が跳ねて、私は振り返る。
すると、五条さんが私の方に手を伸ばして来た。
(あ・・・)
伸ばした手が、私の顔の輪郭に沿うような形になる。
記憶が、脳裏をかすめる。
私は思わず反射的に目を閉じた。
が。
「むぅっ!?」
グイッと乱雑に口元を拭われて、驚いて目を開いた。
すると、五条さんはイタズラな笑みを浮かべていた。
「ヒゲつけたまま帰るつもりかよ」
「・・・・・・」
何のことかわからなくて一瞬呆然としていたけれど、わかると恥ずかしくてカーッと顔が赤くなった。
「ど、どうしてすぐ教えてくれなかったの!?」
「『強き者は弱きを助け、強きを挫くって言うでしょ?』って口に生クリームつけたままカッコつけてやんの。ダッセ」
「ひ、ひどい!私はすぐ教えてあげたのにーっ」
「そん時に自分もついてないか確かめろよ、マヌケ」
「さ、最低ーっ!」
・・・その夜、ココアのおかげなのか、私はぐっすり眠ることが出来た。
夢の中にいるのに、熟睡するなんて変なの。
だけど、久しぶりの安らかな眠りだった。
そして、翌朝。
「・・・やっぱり、まだ醒めてない」
私は呪術高専の学生寮の自分の部屋で目が覚めた。
よく眠って目が覚めれば、現実の世界に戻れるかもと思ったけれど、それも目論みが外れた。
(とりあえず、今日は任務だ。遅刻しないようにしないと)
さっと布団から起き上がり、顔を洗って身なりを整える。
そこでふと気づいた。
(そういえば、私の制服ってあるのかな)
そう、この夢の世界に閉じ込められて以来、私は自分の私服を着ているのだ。
そんな時だった。
コンコンとドアをノックされて、
「おはよ、和紗。起きてる?」
と、硝子さんの声が聞こえてきた。
私は慌ててドアを開ける。
「おはようございます、硝子さん!」
「さん付け禁止。あと敬語も」
「え、あ、おはよう、硝子・・・?」
と私が不慣れな感じで言うと、硝子さんはクスッと笑って、
「これ」
と紙袋を突き出した。
私は戸惑いながらそれを受け取る。
「制服」
硝子さんが言った。
「昨日渡すつもりだったんだけど忘れてて。試着してみてよ。微調整が必要なら直しにだせるし」
「え・・・」
制服と聞いて胸が高まる。
制服なんて久しぶりだし、悠仁君や伏黒君や野薔薇ちゃん達がお揃いで着てるのを見てて、何だかいいなって思ってたから。
「ありがとう。早速着てみる!」
と、私は硝子さんの前ですぐさま着替えた。
制服は、お直しの必要がないほど私にピッタリだった。
ただひとつ、思いも寄らない点があった。
みんなの制服が立襟なのに、何故か私の制服はセーラー襟なのだ。
私の制服姿を見て、硝子さんが言った。
「いいじゃん。ピッタリだし似合ってるよ」
「ありがと。でも、どうしてセーラーなのかな?」
「え、自分でカスタムしたんじゃないの?」
「・・・・・・」
それで私はハッと思い出した。
『和紗のも、作ろうと思えば好きにカスタム出来るよー。 どんな風にしたい?』
『そうだなぁ・・・。私が制服を作るとしたら、セーラー服風が良いかなぁ。中学も高校もブレザーだったから』
確かずっと前に、そんな会話を五条さんとしたことがあったっけ。
(そんなささやかなことまで反映されるとは・・・)
奇子の術式の再現度に驚いていたら、
「任務、気をつけて行ってきなよ」
硝子さんが言った。
「ま、あのクズ共が一緒なら心配いらないか」
「でも、また振り回されそうで違う意味で心配なんだけど」
「言えてる。でも」
硝子さんは微笑みながら言った。
「どんなヤツが相手でも大丈夫だよ。アイツらは最強だから」