第28話 問題児二人
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『ナナミンは、死んだ』
悠仁君から突然そう告げられた事。
嘘や誤報ではない事はわかっていても、信じたくなくて。
だけど、この夢の中では七海さんがいる。
今、私の目の前に七海さんがいる。
それが私の願望だとしても、もう一度会えた事が嬉しかった。
「う、うぅ〜〜〜っ」
私がついに号泣し始めると、七海さんはギョッと驚く顔をした。
「何々、どうしたの。和紗?」
「どうしたんですか!?」
と、硝子さんと灰原君が心配して私の顔を覗き込む。
「うぅー・・・っ」
しかし私が泣いてばかりで答えないので、
「もしかして、昔弄ばれたオトコだったとか?」
「いや、生き別れた兄じゃないですか?」
と、ふたりはアレコレ推測を始めた。
「人聞き悪いこと言わないでください、家入さん」
七海さんが言った。
「それに灰原。兄というのはおかしいだろう。彼女は先輩なのだから」
「じゃあ七海は鶴來さんの弟ってこと!?」
「いや、そうじゃなくて・・・」
そんな会話を聞きながら、私は泣くのをやめて涙を拭いた。そして、
「・・・恩人に似てるんです」
と口を開いた。
「いつも見守ってくれてた、恩人に」
すると七海さんはポケットからティッシュを取り出して、
「・・・七海建人です」
と差し出した。
「・・・ありがとう」
私はそれを受け取り、まだ涙をこぼしながらも笑った。
それから七海さん達と別れて、2年生の教室へ向かった。
教室には誰もおらず、席に座って待っていると、しばらくして五条さんと夏油さんがやって来た。
床掃除が大変だったのか、ふたりともグッタリしている。
「あっ、オマエ、抜け駆けしやがって!」
教室に入るなり、五条さんが私に向かって指先を突き付けて言った。
「本当ならオマエだって雑巾がけの罰だったんだからな!」
「こら、悟」
文句を垂れる五条さんを夏油さんが諫める。
「もう済んだことだ。いつまでもクドクド言うんじゃないよ。しつこいのは嫌われるよ」
すると、五条さんはまだ不服そうに「フンッ」とひとつ鼻をならして、私の斜め後ろの窓際の席にドカッと乱暴な音をたてて座った。
「校内は全部見て回れた?」
と私に尋ねながら、夏油さんは私の隣の席の椅子を引きそのまま着席した。
私はコクリと頷く。
「あ、うん」
「誰か他の生徒に会えた?」
「うん。歌姫さんと冥さんと、灰原君に七海さんに会えたよ」
「そっか。仲良く出来そう?」
「うん。みんな初めて会った感じがしなくて・・・」
実際、初めて会った訳じゃないけど。灰原君以外。
私の話を聞いて夏油さんは、
「それはよかった」
と笑った。
その柔和な笑みを見て、思う。
夏油さんとも初めて会った訳じゃない。
だけど、羂索が身体を乗っ取った夏油さんと、今目の前にいる夏油さんは、まったく別の人間だという事がわかる。
この人が、五条さんの親友。
そして、無差別呪術テロ『百鬼夜行』の首謀者。
だけど、にわかに信じられなかった。
この人が、そんな恐ろしい事をこれから起こすのだということが。
「・・・何?私の顔に何かついてる?」
私があまりにもジッと見つめているので、夏油さんは戸惑うようにそう言った。
私はハッと我に返り、慌てて視線を逸らした。
「ううん、何でもない!」
「・・・そう?」
そんな会話を交わした直後、夜蛾さんが教室にやって来た。
教壇に立ち着席している私たちを見回しながら、
「全員揃っているな」
と言った。そして、話を続ける。
「これからは、この四人で共に勉学と修業と鍛錬に励んでいく。互いに支え合えるよう仲良くするんだ」
すると私を除く三人は、
「「「はーい、せんせ~」」」
と、何とも気の抜けた返事をした。
そんなリアクションに夜蛾さんは呆れたように小さく溜息を吐いた後、
「早速だが、明日任務に行ってもらう」
と、気を取り直してこう切り出した。
悠仁君から突然そう告げられた事。
嘘や誤報ではない事はわかっていても、信じたくなくて。
だけど、この夢の中では七海さんがいる。
今、私の目の前に七海さんがいる。
それが私の願望だとしても、もう一度会えた事が嬉しかった。
「う、うぅ〜〜〜っ」
私がついに号泣し始めると、七海さんはギョッと驚く顔をした。
「何々、どうしたの。和紗?」
「どうしたんですか!?」
と、硝子さんと灰原君が心配して私の顔を覗き込む。
「うぅー・・・っ」
しかし私が泣いてばかりで答えないので、
「もしかして、昔弄ばれたオトコだったとか?」
「いや、生き別れた兄じゃないですか?」
と、ふたりはアレコレ推測を始めた。
「人聞き悪いこと言わないでください、家入さん」
七海さんが言った。
「それに灰原。兄というのはおかしいだろう。彼女は先輩なのだから」
「じゃあ七海は鶴來さんの弟ってこと!?」
「いや、そうじゃなくて・・・」
そんな会話を聞きながら、私は泣くのをやめて涙を拭いた。そして、
「・・・恩人に似てるんです」
と口を開いた。
「いつも見守ってくれてた、恩人に」
すると七海さんはポケットからティッシュを取り出して、
「・・・七海建人です」
と差し出した。
「・・・ありがとう」
私はそれを受け取り、まだ涙をこぼしながらも笑った。
それから七海さん達と別れて、2年生の教室へ向かった。
教室には誰もおらず、席に座って待っていると、しばらくして五条さんと夏油さんがやって来た。
床掃除が大変だったのか、ふたりともグッタリしている。
「あっ、オマエ、抜け駆けしやがって!」
教室に入るなり、五条さんが私に向かって指先を突き付けて言った。
「本当ならオマエだって雑巾がけの罰だったんだからな!」
「こら、悟」
文句を垂れる五条さんを夏油さんが諫める。
「もう済んだことだ。いつまでもクドクド言うんじゃないよ。しつこいのは嫌われるよ」
すると、五条さんはまだ不服そうに「フンッ」とひとつ鼻をならして、私の斜め後ろの窓際の席にドカッと乱暴な音をたてて座った。
「校内は全部見て回れた?」
と私に尋ねながら、夏油さんは私の隣の席の椅子を引きそのまま着席した。
私はコクリと頷く。
「あ、うん」
「誰か他の生徒に会えた?」
「うん。歌姫さんと冥さんと、灰原君に七海さんに会えたよ」
「そっか。仲良く出来そう?」
「うん。みんな初めて会った感じがしなくて・・・」
実際、初めて会った訳じゃないけど。灰原君以外。
私の話を聞いて夏油さんは、
「それはよかった」
と笑った。
その柔和な笑みを見て、思う。
夏油さんとも初めて会った訳じゃない。
だけど、羂索が身体を乗っ取った夏油さんと、今目の前にいる夏油さんは、まったく別の人間だという事がわかる。
この人が、五条さんの親友。
そして、無差別呪術テロ『百鬼夜行』の首謀者。
だけど、にわかに信じられなかった。
この人が、そんな恐ろしい事をこれから起こすのだということが。
「・・・何?私の顔に何かついてる?」
私があまりにもジッと見つめているので、夏油さんは戸惑うようにそう言った。
私はハッと我に返り、慌てて視線を逸らした。
「ううん、何でもない!」
「・・・そう?」
そんな会話を交わした直後、夜蛾さんが教室にやって来た。
教壇に立ち着席している私たちを見回しながら、
「全員揃っているな」
と言った。そして、話を続ける。
「これからは、この四人で共に勉学と修業と鍛錬に励んでいく。互いに支え合えるよう仲良くするんだ」
すると私を除く三人は、
「「「はーい、せんせ~」」」
と、何とも気の抜けた返事をした。
そんなリアクションに夜蛾さんは呆れたように小さく溜息を吐いた後、
「早速だが、明日任務に行ってもらう」
と、気を取り直してこう切り出した。