第27話 新世界
夢小説設定
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確かに目の前にいるのは、五条さんだ。
だけど、何だか微妙に幼い少年っぽさがある。
それに、身に着けている服装。
丈の短い学生服に、呪術高専の目印であるうずまきの校章が付いている。
「・・・・・・」
この姿を、私は見たことがある。
そうだ、千代婆さんのアルバムで見た、高専時代の五条さんと同じ姿だ。
「ボケっとしてねぇでさっさと立てよ」
五条さんは言った。
「で、ここの呪霊は祓えたのかよ。転入生」
唐突な言葉に現実に戻って、私は目を瞬かせる。
「呪霊?転入生?」
「あ?」
「呪霊って、奇子のことですか・・・?それに、転入生って」
「呪霊の名前なんてしらねぇよ。そんでお前の名前もしらねぇし。だって転入生だもん」
「え・・・」
私が、転入生?
「何言ってるんですか・・・」
「おーっと」
問いかける私を無視して、五条さんはゆっくり立ちあがった。
「なんだよ、祓ってなかったのかよ」
「え・・・」
その言葉に、私は五条さんが視線を向ける方を見遣った。
するとそこには、呪霊が佇んでいた。
『ミ、ミナサァァン、テヲヲォ、アワセテエェクダササイイ・・・』
粘土で作られた人形のような姿に、子どもがクレヨンで落書きしたような顔のお面をつけた呪霊四体ほどが、ゆっくりと私たちの四方を取り囲む。
そこでようやく私は気が付いた。
今、私がいる場所は、領域でも新横浜駅のコンコースでもなく、学校の教室だということに。
(ここは・・・)
呪霊に取り囲まれていることよりも、自分が突然見知らぬ場所にいることに私は激しく動揺していた。
そして何よりも。
「ったく、雑魚が雁首揃えやがって」
私の目の前にいるこの人は、一体、誰?
だって、存在するはずがない。
彼が、高専時代の五条さんだなんて。
そんなことを考えていたら、
「わっ!?」
突然、五条さんに服の襟足を掴まれて、私の身体はふわりと浮かび上がる。そして、そのまま振り子のようにブンッと横に振られた。
その寸でのところで、襲い掛かってきた呪霊の拳が空振りして外れる。そして、
『ギュウッ!?』
呪霊はそのまま床に減り込み身体は跡形なく破裂した。
すかさず、他の三体が襲い掛かって来る。
しかし呪霊の攻撃は目の前でビタッと止まり、五条さんには当たることはない。
(無下限のバリア・・・)
襟足を掴まれたまま、私は不敵な笑みを浮かべる五条さんの顔を見上げた。
他の人では使えるはずのない、無下限呪術。
五条さんが五条さんであることの証のひとつ。
五条さんはあっという間に呪霊を祓い終えると、
「わぁっ!?」
私を猫の様に持ち上げたかと思ったら、パッとその手を離した。
「ととっ・・・」
よろめきながらも、私は着地する。
「さ、行くぞ」
と、五条さんが言った。
私は目を瞬かせる。
「え、行くって・・・?」
「東京に決まってるだろ」
「と、東京・・・?」
「転入するんだろ。呪術高専へ」
「呪術高専・・・」
そう呟いてから、私はあっと驚く。
「呪術高専!?私が?」
「何そんな驚いてんだよ。自分で決めたんじゃねーの?」
「・・・・・・」
「もしかして、親に勝手に入れられたパターン?」
「え?いや、私の親は・・・」
「ま、事情なんていっか。それよりさっさとここを出ようぜ。アイツも待ってる」
「アイツ・・・?」
と言う私の疑問の声に答えず、五条さんはさっさと歩いて教室を出て行こうとする。
慌てて私もその後ろを追いかけて教室を出て行く。
薄暗い廊下を歩きながら、私は校内の様子を伺う。
それで気が付いた。
「この学校、廃校・・・?」
「そー」
五条さんが頷く。
「俺たちは担任に金沢から転入生が来るからって、東京駅まで迎えに行くように言われた。だけど、予定の便を過ぎても待てど暮らせど転入生は現れない。不穏に思ってオマエの実家に電話したら、オマエは前日にこの廃校跡に肝試しに行って帰ってこない小学生のガキどもを探しに行ったって聞いた。で、担任がこれは呪霊が絡んだ件だっていうから急遽任務として来たってワケ」
「・・・・・・」
「しっかし、金沢って聞いてたのにとんだクソ田舎じゃん、ここ。ビックリだよ」
だけど、何だか微妙に幼い少年っぽさがある。
それに、身に着けている服装。
丈の短い学生服に、呪術高専の目印であるうずまきの校章が付いている。
「・・・・・・」
この姿を、私は見たことがある。
そうだ、千代婆さんのアルバムで見た、高専時代の五条さんと同じ姿だ。
「ボケっとしてねぇでさっさと立てよ」
五条さんは言った。
「で、ここの呪霊は祓えたのかよ。転入生」
唐突な言葉に現実に戻って、私は目を瞬かせる。
「呪霊?転入生?」
「あ?」
「呪霊って、奇子のことですか・・・?それに、転入生って」
「呪霊の名前なんてしらねぇよ。そんでお前の名前もしらねぇし。だって転入生だもん」
「え・・・」
私が、転入生?
「何言ってるんですか・・・」
「おーっと」
問いかける私を無視して、五条さんはゆっくり立ちあがった。
「なんだよ、祓ってなかったのかよ」
「え・・・」
その言葉に、私は五条さんが視線を向ける方を見遣った。
するとそこには、呪霊が佇んでいた。
『ミ、ミナサァァン、テヲヲォ、アワセテエェクダササイイ・・・』
粘土で作られた人形のような姿に、子どもがクレヨンで落書きしたような顔のお面をつけた呪霊四体ほどが、ゆっくりと私たちの四方を取り囲む。
そこでようやく私は気が付いた。
今、私がいる場所は、領域でも新横浜駅のコンコースでもなく、学校の教室だということに。
(ここは・・・)
呪霊に取り囲まれていることよりも、自分が突然見知らぬ場所にいることに私は激しく動揺していた。
そして何よりも。
「ったく、雑魚が雁首揃えやがって」
私の目の前にいるこの人は、一体、誰?
だって、存在するはずがない。
彼が、高専時代の五条さんだなんて。
そんなことを考えていたら、
「わっ!?」
突然、五条さんに服の襟足を掴まれて、私の身体はふわりと浮かび上がる。そして、そのまま振り子のようにブンッと横に振られた。
その寸でのところで、襲い掛かってきた呪霊の拳が空振りして外れる。そして、
『ギュウッ!?』
呪霊はそのまま床に減り込み身体は跡形なく破裂した。
すかさず、他の三体が襲い掛かって来る。
しかし呪霊の攻撃は目の前でビタッと止まり、五条さんには当たることはない。
(無下限のバリア・・・)
襟足を掴まれたまま、私は不敵な笑みを浮かべる五条さんの顔を見上げた。
他の人では使えるはずのない、無下限呪術。
五条さんが五条さんであることの証のひとつ。
五条さんはあっという間に呪霊を祓い終えると、
「わぁっ!?」
私を猫の様に持ち上げたかと思ったら、パッとその手を離した。
「ととっ・・・」
よろめきながらも、私は着地する。
「さ、行くぞ」
と、五条さんが言った。
私は目を瞬かせる。
「え、行くって・・・?」
「東京に決まってるだろ」
「と、東京・・・?」
「転入するんだろ。呪術高専へ」
「呪術高専・・・」
そう呟いてから、私はあっと驚く。
「呪術高専!?私が?」
「何そんな驚いてんだよ。自分で決めたんじゃねーの?」
「・・・・・・」
「もしかして、親に勝手に入れられたパターン?」
「え?いや、私の親は・・・」
「ま、事情なんていっか。それよりさっさとここを出ようぜ。アイツも待ってる」
「アイツ・・・?」
と言う私の疑問の声に答えず、五条さんはさっさと歩いて教室を出て行こうとする。
慌てて私もその後ろを追いかけて教室を出て行く。
薄暗い廊下を歩きながら、私は校内の様子を伺う。
それで気が付いた。
「この学校、廃校・・・?」
「そー」
五条さんが頷く。
「俺たちは担任に金沢から転入生が来るからって、東京駅まで迎えに行くように言われた。だけど、予定の便を過ぎても待てど暮らせど転入生は現れない。不穏に思ってオマエの実家に電話したら、オマエは前日にこの廃校跡に肝試しに行って帰ってこない小学生のガキどもを探しに行ったって聞いた。で、担任がこれは呪霊が絡んだ件だっていうから急遽任務として来たってワケ」
「・・・・・・」
「しっかし、金沢って聞いてたのにとんだクソ田舎じゃん、ここ。ビックリだよ」