第26話 渋谷事変ー弐ー
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楽巌寺学長は重い沈黙の後、次々と信じられないようなことを述べ始めた。
一、夏油傑の生存を確認。同人に対し再度の死刑を宣告する
二、五条悟を渋谷事変共同正犯とし、呪術界から永久追放 かつ封印を解く行為も罪と決定する
三、夜蛾正道を五条悟と夏油傑を唆し渋谷事変を起こしたとして死罪を認定する
四、虎杖悠仁の死刑執行猶予を取り消し速やかな死刑の執行を決定する
・・・つまり、五条さんは夏油傑を殺さず匿っていて、二人を夜蛾さんが唆して呪術界に反旗を翻したと。
ありえない。
滅茶苦茶な、荒唐無稽な話だ。
それを聞いて、ずっと冷静を保っていた夜蛾さんが、
「クッ・・・クックックッ・・・」
と、突然笑い出した。
「私があの二人を唆した・・・?学生の時でも、何ひとつ私の言う事を聞くことがなかった、あの二人を・・・?」
楽巌寺学長は依然として厳しい表情のままだ。そして、夜蛾さんにこう言った。
「申し開きは総監部本部で聞く。その際は、儂が立ち合い人じゃ」
「・・・・・・」
「連れていけ」
すると、総監部の関係者が二人がかりで夜蛾さんの両腕を掴みそのままつれていく。
「学長・・・!」
それを硝子さんが止めようとするが、左瞼の傷の男が妨げる。
「歯向かえば貴女も共同犯として連行しますよ、家入医師」
「・・・ふざけるな」
「硝子」
連行されながらも、夜蛾さんが諫めるように言った。
「私に構うな。お前の役目は、ひとりでも多くの命を救うことだ」
「・・・・・・」
硝子さんは立ち止まり、グッと両手を握りしめる。
悔しそうに怒りを押し込めるように、震えるその手を。
そして夜蛾さんは私の方へサトルを放り投げて、
「フレデリックを頼む」
と、力を込めて言った。
それから、夜蛾さんは連行されていった。
この場にいる皆がそれぞれ戸惑い愕然として押し黙る中、
「・・・時に」
左瞼の傷の男が口を開いた。
「風の噂で耳にしたのですが、あの五条悟が妻を娶ったとか」
唐突な話題に、全員が打って変わってキョトンと目を点にした。
同時に、私は内心冷や汗をかく。
(な、なんでそんな話が総監部の人のところまで・・・。いや、まだ妻じゃないけど)
でも、その『妻』が私だと知られるのはマズイと直感して黙っていると、
「アイツに妻?あんなロクデナシが一人の女に誠実になるわけないだろ」
と、硝子さんが言った。
その言葉に左瞼の傷の男がフッと鼻で笑った。
「五条悟の人間性がどのようなものなのかは知りません。が、どうにも気になりましてね。しかし五条家本家に問い合わせても、そんな話は聞いてないとのことでしてね」
「・・・じゃあホントにただの噂だったんだろう」
「しかし、念には念を入れよというのが我々総監部の行動理念でしてね。もし本当に五条悟の妻という者が存在するなら、我々はその者を捕えなければならない。何故なら・・・」
左瞼の傷の男はニヤリと目元を弛ませながら言った、
「凶悪テロ正犯の子を既に孕んでいるようなことがあれば、それは我々にとって後々、厄介ごとの火種となる。それが万が一でも『無下限呪術』と『六眼』を受け継ぐ可能性があるのなら尚更。この二つは、敵に回れば我々にとって災いだ。災いの目は、摘んでおかなければ」
それはゾッとするような響きだった。
もし、それが私だという事がばれて捕らえられて、どんな酷いことをされるのか。否定してもきっと彼らは実行するだろう。
「楽巌寺学長。貴方はご存知ないですか?五条悟の妻を」
それがすぐそこにいると知らない左瞼の傷の男は、楽巌寺学長に向かってそう尋ねた。
「知らぬ」
楽巌寺学長はそれだけ答えて、
「我々の任務は夜蛾の身の確保じゃ。任務は終わった、帰るぞ」
と、総監部の連中を引き連れてその場から立ち去った。
その際、私の横を通り過ぎたけれど一瞥することもなく行ってしまった。
「・・・・・・」
楽巌寺学長は、五条さんと私の関係を知っているはずだ。
だけど、それを告げなかった。
一、夏油傑の生存を確認。同人に対し再度の死刑を宣告する
二、五条悟を渋谷事変共同正犯とし、呪術界から永久追放 かつ封印を解く行為も罪と決定する
三、夜蛾正道を五条悟と夏油傑を唆し渋谷事変を起こしたとして死罪を認定する
四、虎杖悠仁の死刑執行猶予を取り消し速やかな死刑の執行を決定する
・・・つまり、五条さんは夏油傑を殺さず匿っていて、二人を夜蛾さんが唆して呪術界に反旗を翻したと。
ありえない。
滅茶苦茶な、荒唐無稽な話だ。
それを聞いて、ずっと冷静を保っていた夜蛾さんが、
「クッ・・・クックックッ・・・」
と、突然笑い出した。
「私があの二人を唆した・・・?学生の時でも、何ひとつ私の言う事を聞くことがなかった、あの二人を・・・?」
楽巌寺学長は依然として厳しい表情のままだ。そして、夜蛾さんにこう言った。
「申し開きは総監部本部で聞く。その際は、儂が立ち合い人じゃ」
「・・・・・・」
「連れていけ」
すると、総監部の関係者が二人がかりで夜蛾さんの両腕を掴みそのままつれていく。
「学長・・・!」
それを硝子さんが止めようとするが、左瞼の傷の男が妨げる。
「歯向かえば貴女も共同犯として連行しますよ、家入医師」
「・・・ふざけるな」
「硝子」
連行されながらも、夜蛾さんが諫めるように言った。
「私に構うな。お前の役目は、ひとりでも多くの命を救うことだ」
「・・・・・・」
硝子さんは立ち止まり、グッと両手を握りしめる。
悔しそうに怒りを押し込めるように、震えるその手を。
そして夜蛾さんは私の方へサトルを放り投げて、
「フレデリックを頼む」
と、力を込めて言った。
それから、夜蛾さんは連行されていった。
この場にいる皆がそれぞれ戸惑い愕然として押し黙る中、
「・・・時に」
左瞼の傷の男が口を開いた。
「風の噂で耳にしたのですが、あの五条悟が妻を娶ったとか」
唐突な話題に、全員が打って変わってキョトンと目を点にした。
同時に、私は内心冷や汗をかく。
(な、なんでそんな話が総監部の人のところまで・・・。いや、まだ妻じゃないけど)
でも、その『妻』が私だと知られるのはマズイと直感して黙っていると、
「アイツに妻?あんなロクデナシが一人の女に誠実になるわけないだろ」
と、硝子さんが言った。
その言葉に左瞼の傷の男がフッと鼻で笑った。
「五条悟の人間性がどのようなものなのかは知りません。が、どうにも気になりましてね。しかし五条家本家に問い合わせても、そんな話は聞いてないとのことでしてね」
「・・・じゃあホントにただの噂だったんだろう」
「しかし、念には念を入れよというのが我々総監部の行動理念でしてね。もし本当に五条悟の妻という者が存在するなら、我々はその者を捕えなければならない。何故なら・・・」
左瞼の傷の男はニヤリと目元を弛ませながら言った、
「凶悪テロ正犯の子を既に孕んでいるようなことがあれば、それは我々にとって後々、厄介ごとの火種となる。それが万が一でも『無下限呪術』と『六眼』を受け継ぐ可能性があるのなら尚更。この二つは、敵に回れば我々にとって災いだ。災いの目は、摘んでおかなければ」
それはゾッとするような響きだった。
もし、それが私だという事がばれて捕らえられて、どんな酷いことをされるのか。否定してもきっと彼らは実行するだろう。
「楽巌寺学長。貴方はご存知ないですか?五条悟の妻を」
それがすぐそこにいると知らない左瞼の傷の男は、楽巌寺学長に向かってそう尋ねた。
「知らぬ」
楽巌寺学長はそれだけ答えて、
「我々の任務は夜蛾の身の確保じゃ。任務は終わった、帰るぞ」
と、総監部の連中を引き連れてその場から立ち去った。
その際、私の横を通り過ぎたけれど一瞥することもなく行ってしまった。
「・・・・・・」
楽巌寺学長は、五条さんと私の関係を知っているはずだ。
だけど、それを告げなかった。