第26話 渋谷事変ー弐ー
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「両面・・・宿儺・・・!」
頬や額や鼻筋に浮かぶ紋様。
両の目尻に開く第三、第四の目。
そして、全身から立ち昇る圧倒的邪悪。
しかも、それは以前より強くなっている。
私の足は凍りついたようになって、身動き出来なくなる。
今、私の目の前にいるのは、悠仁君ではなく両面宿儺だ。
(でも、どうして?悠仁君の身体は乗っ取れないんじゃ・・・?)
恐怖と緊迫感で、心臓がドクドク激しく音をたてている。
そんな私とは裏腹に、
「サイドテールというのは」
と、宿儺は呑気な口調で思いもよらない言葉を口にした。
「こう、頭の片側で髪を束ねていることをいうのか?」
「え・・・」
緊迫しながらも少し拍子抜けになって、私は頷く。
「そう、だけど」
すると宿儺は、
「そうか」
合点がいったように頷いた。
「やはりアイツがそうだったのだな」
「アイツって・・・」
「以前、オマエを襲ったという術師の事だ」
「・・・・・・」
重面のことだ。
どうしてその事を宿儺が知ってるの。
だけど、すぐに思い出した。
宿儺はずっと悠仁君の中にいて、悠仁君が見聞きする事を全て知っているのだ。
「アイツは俺が2枚に卸してやった」
唐突に、宿儺はそう言った。
愉快そうに笑みを浮かべながら。
「え?」
卸した、という意味がわからず目を点にしていたら、
「久方振りに、有象無象の人間共を屠った」
ケヒヒと笑い声を交えながら、宿儺は言った。
「そのせいか、血が滾って収まらぬ」
そして、ギロリと四つの目を眠っている伊地知さんと猪野さんに向ける。
「・・・!」
二人が殺されると思い、私は慌てて庇うように前へ躍り出た。
すると、宿儺は一瞬で間合いを詰めてきて、
「んぅっ!」
私を床に押し倒すと、叫ばないように右手で私の口を塞いだ。
「んんーっ!むぅっ、んーっ!」
「この滾りを、オマエを犯し尽くして収めることにするか」
「んーっ!」
「五条悟に、見せつけてやれぬのは残念だがな」
「・・・っっ」
その瞬間、私の脳裏に五条さんの姿が浮かんだ。
「封印されたらしいな」
宿儺は嘲笑いながら言った。
「確かに、この世から奴の呪力は消えた」
「・・・・・」
「もう奴はこの世に存在しない」
「・・・・・」
「オマエがどれだけ泣いて叫ぼうと、奴はもう助けに来ぬ」
「・・・・・」
改めてその事実を突きつけられて、私の身体からは抵抗する力が抜けていった。
すると宿儺は、
「ケヒッ、ケヒヒヒヒヒヒ・・・」
私の服の胸ぐら辺りを掴み上げると、勢いよく破った。服の下に隠れていたネックレスが肌を滑りながら、宿儺の目の前に現れる。
「何だ、これは」
と、宿儺はネックレスのチェーンを人差し指に引っ掛ける。
「・・・っ」
私がハッと我に返った次の瞬間、宿儺はネックレスのチェーンを引っ張り、そのままバラバラに千切ってしまった。
カラン・・・
ネックレスの蒼い宝石が床の上に落ちて弾んで、転がって行く。
「んんっ、んーっ!」
私は再び抵抗しようとするけれど、宿儺には敵うわけがなかった。
その時だった。
「!」
私の口を塞いでいた宿儺の右手が離れて、突然ピンと真っ直ぐ頭上に挙がった。
まるで、宿儺の行為を止めようとするように。
「チッ」
宿儺は舌打ちすると、
「もう時間がないようだ」
と、私から離れた。
そしてそのまま出入り口の方へ歩いて行き、
「伏黒恵を連れて来ている。治せ」
と言ってもう一度私の方を振り返り、
「決して死なせるなよ」
と、ここから去って行った。
「・・・・・・」
伏黒君が、ここに。
それでも、私はすぐに動くことが出来なかった。
今になって、身体がカタカタと震えている。
しばらくして、何とか身体を起こし、
「・・・・・・」
バラバラになったネックレスの欠片を拾い集めた。
その全てを拾い集め終わった時、
「和紗、伏黒が・・・!」
硝子さんと、気絶している伏黒君を抱えた夜蛾さんがやって来た。
硝子さんは私の姿を見て驚く。
「どうしたの?大丈夫!?」
「・・・大丈夫です」
私はネックレスの欠片をサッとスカートのポケットに仕舞い込んだ。
「それよりも伏黒君は・・・!」
頬や額や鼻筋に浮かぶ紋様。
両の目尻に開く第三、第四の目。
そして、全身から立ち昇る圧倒的邪悪。
しかも、それは以前より強くなっている。
私の足は凍りついたようになって、身動き出来なくなる。
今、私の目の前にいるのは、悠仁君ではなく両面宿儺だ。
(でも、どうして?悠仁君の身体は乗っ取れないんじゃ・・・?)
恐怖と緊迫感で、心臓がドクドク激しく音をたてている。
そんな私とは裏腹に、
「サイドテールというのは」
と、宿儺は呑気な口調で思いもよらない言葉を口にした。
「こう、頭の片側で髪を束ねていることをいうのか?」
「え・・・」
緊迫しながらも少し拍子抜けになって、私は頷く。
「そう、だけど」
すると宿儺は、
「そうか」
合点がいったように頷いた。
「やはりアイツがそうだったのだな」
「アイツって・・・」
「以前、オマエを襲ったという術師の事だ」
「・・・・・・」
重面のことだ。
どうしてその事を宿儺が知ってるの。
だけど、すぐに思い出した。
宿儺はずっと悠仁君の中にいて、悠仁君が見聞きする事を全て知っているのだ。
「アイツは俺が2枚に卸してやった」
唐突に、宿儺はそう言った。
愉快そうに笑みを浮かべながら。
「え?」
卸した、という意味がわからず目を点にしていたら、
「久方振りに、有象無象の人間共を屠った」
ケヒヒと笑い声を交えながら、宿儺は言った。
「そのせいか、血が滾って収まらぬ」
そして、ギロリと四つの目を眠っている伊地知さんと猪野さんに向ける。
「・・・!」
二人が殺されると思い、私は慌てて庇うように前へ躍り出た。
すると、宿儺は一瞬で間合いを詰めてきて、
「んぅっ!」
私を床に押し倒すと、叫ばないように右手で私の口を塞いだ。
「んんーっ!むぅっ、んーっ!」
「この滾りを、オマエを犯し尽くして収めることにするか」
「んーっ!」
「五条悟に、見せつけてやれぬのは残念だがな」
「・・・っっ」
その瞬間、私の脳裏に五条さんの姿が浮かんだ。
「封印されたらしいな」
宿儺は嘲笑いながら言った。
「確かに、この世から奴の呪力は消えた」
「・・・・・」
「もう奴はこの世に存在しない」
「・・・・・」
「オマエがどれだけ泣いて叫ぼうと、奴はもう助けに来ぬ」
「・・・・・」
改めてその事実を突きつけられて、私の身体からは抵抗する力が抜けていった。
すると宿儺は、
「ケヒッ、ケヒヒヒヒヒヒ・・・」
私の服の胸ぐら辺りを掴み上げると、勢いよく破った。服の下に隠れていたネックレスが肌を滑りながら、宿儺の目の前に現れる。
「何だ、これは」
と、宿儺はネックレスのチェーンを人差し指に引っ掛ける。
「・・・っ」
私がハッと我に返った次の瞬間、宿儺はネックレスのチェーンを引っ張り、そのままバラバラに千切ってしまった。
カラン・・・
ネックレスの蒼い宝石が床の上に落ちて弾んで、転がって行く。
「んんっ、んーっ!」
私は再び抵抗しようとするけれど、宿儺には敵うわけがなかった。
その時だった。
「!」
私の口を塞いでいた宿儺の右手が離れて、突然ピンと真っ直ぐ頭上に挙がった。
まるで、宿儺の行為を止めようとするように。
「チッ」
宿儺は舌打ちすると、
「もう時間がないようだ」
と、私から離れた。
そしてそのまま出入り口の方へ歩いて行き、
「伏黒恵を連れて来ている。治せ」
と言ってもう一度私の方を振り返り、
「決して死なせるなよ」
と、ここから去って行った。
「・・・・・・」
伏黒君が、ここに。
それでも、私はすぐに動くことが出来なかった。
今になって、身体がカタカタと震えている。
しばらくして、何とか身体を起こし、
「・・・・・・」
バラバラになったネックレスの欠片を拾い集めた。
その全てを拾い集め終わった時、
「和紗、伏黒が・・・!」
硝子さんと、気絶している伏黒君を抱えた夜蛾さんがやって来た。
硝子さんは私の姿を見て驚く。
「どうしたの?大丈夫!?」
「・・・大丈夫です」
私はネックレスの欠片をサッとスカートのポケットに仕舞い込んだ。
「それよりも伏黒君は・・・!」
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