すると、五条さんはますます驚いたように目を丸めた後、

「・・・了解」

と、ニィッと不敵に笑った。
そして私の両膝の裏に手を当てて、グイッと膝を折り曲げるようにして足を持ち上げると、

「ぁンんッ！」

強く腰を打ち付けて、一気に中を埋め尽くした。
そして、ぬるぬると引き出すとギリギリのところで押し留まり、また強く打ち付けて私の中を埋め尽くす。
そうした動きを繰り返しながら、両の手で胸を揉みしだき、深くキスをする。

「ふっ、うんん、んん・・・っ」

そんな中、再びあの感覚がやって来た。
五条さんと繋がったところから、凄まじい勢いで全身を駆け巡っていく。

「あ・・・ま、だ、だめ、ダメ・・・っ！あ、あぁ・・・・っ！」

その刹那。ギュッと全身が収縮した後、ブルブルと大きく震えた。
本当にそれは一瞬のことで、その後は引き潮の様にゆるゆると全身が弛緩して、その不思議な感覚は跡形もなく消えていった。

「はぁ・・・はぁ・・・」

これで終わったんだ。
そう思いながら呼吸を整えようとしていたら、

「・・・まだだよ」

と、五条さんが言った。

「え・・・？」

私が戸惑っている間にも、五条さんは私の左足だけを持ち上げてパタリと右足と折り重なるようにして、私は横向きに寝転んだ体勢になる。
そして五条さんはというと、まだ繋がれたままのところを維持したまま器用な動きで私の背後に回り、

「・・・ッ！？」

そのまま再び腰を打ち付け始めた。

「アッ・・・う、あぁっ」
「・・・和紗」

後ろから耳元で、五条さんが囁く。
その声は荒い吐息交じりで、先程までの余裕は感じられない。

「気持ち、快い？」
「んッ、ん、んっ」
「・・・何？」

そう言いながら五条さんはグルっとまた態勢を変えた。
私はうつ伏せになり、五条さんが背中に覆いかぶさったその態勢で激しく突かれる。
繋がっている場所は同じはずなのに、刺激されるのはまた違うところのように感じる。
もうこれ以上は感じないと思っていたのに。
また私の喉はとめどなく声を鳴らし始めた。
だけど、今は私ひとりじゃない。
五条さんも、時折、呼吸を乱した声を洩らす。

「ふっ・・・ね、教えて、ふ・・・ッ」
「あっ、はぁっ、あ・・・」

私の肩を掴んで、ふたり同時にグイっと上半身を起き上がらせる。
そしてすぐに右手を下ろして、繋がった部分の入り口のそばの一点を指先で弄る。
中と外と同時に刺激を与えられて、

「・・・んんッッ！」

私はガクガクと震えながらも、肩越しに五条さんを振り返った。

「い、い・・・きもち、いい・・・のッ。ご、ごじょ・・・さん、は？」
「・・・・・・」

すると五条さんはフッと微笑んで、私に短いキスをしてから、

「気持ち、ハッ・・・、いいよ。すごく・・・っ」

と言いながら、ズンと深く腰を打ち付けた。

「はぁっ・・・んっ」

その弾みで私は布団に両手をついて、四つん這いの態勢になる。
間を置かず、五条さんは両手で私の腰を掴んで一心不乱に突き上げてくる。

「あっあっ、う、あぁッ」

その動きで、五条さんももう限界が近いことを察した。

「和紗・・・ふっ・・・もう・・・」

と、吐息交じりに五条さんが確かめるように言った。
なので、私はコクコクと頷いた。
すると、五条さんは背後から私を抱きすくめながら最後にひとつ激しく打ち付けると、

「ふっ・・・ぐ・・・ッ」

荒い息を押し殺しながら、私の中で脈打ち果てた。　
そのまましばらく脈が収まるまで、折り重なるように抱き締められたまま過ごした後、

「はぁ・・・はぁ・・・」

五条さんのものがズルリと私の中から出て行くのを感じながら、私は力尽きて布団の上にうつ伏せになった。

「ハァ・・・ハァ・・・ッ」

その背後で、五条さんが荒い息遣いをしながら後処理をしている。
少しずつその息遣いが落ち着いた頃、

「・・・危なかったぁ」

と、五条さんが深刻そうに呟いた。