第24話 藍色好きさ
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振り返ると、五条さんが片膝をついて私に向かって手のひらサイズのジュエリーボックスを差し出していた。
「鶴來和紗さん」
そして、こう言った。
「僕と結婚してください」
サングラスを外し、その蒼い目で私を真っ直ぐ見据えて、私の返事を待っている。
あまりにもベタな演出。
どこまでが本気で、どこまでが冗談なんだろう。
真意を測りかねて、私が首を傾げてポカンと立ち尽くしていると、
「ちょっと、返事してよ~。一体どっちなの!?」
と、しびれを切らして五条さんは立ちあがった。
「え、いやぁ。五条さんらしからぬストレートなやり方だなぁって思って」
「何その感想。で、イエスなのノーなの?どっち?」
「どっちって・・・」
「この期に及んでまだ冗談だとか思ってる?」
と不服そうに唇を尖らせて、五条さんはパカッとジュエリーボックスを開けた。
「・・・・・・」
その中には、蒼い小粒な、だけど鮮やかに煌めく宝石のついたネックレスが入っていた。
「指輪は邪魔だからって言ってたからさ。だからネックレスにしたの」
と言いながら、五条さんはそのネックレスを取り出し、私の首に着けるべく恭しく両手を回した。
「僕としては不本意なんだけどね。本当はでっかいダイヤモンドのついた指輪、あげたかったし。だけど、このネックレスを見た瞬間、和紗に似合うのはこれだって閃いて」
そして、五条さんは満足そうに微笑んで、そっと両手を離した。
「うん、やっぱり似合ってる」
「・・・・・・」
私は自分の胸元に煌めく輝きに目を落とした。
「・・・ずっとそばにいることは、きっと出来ない」
そう五条さんが言って、私は視線を上げた。
私を見つめる五条さんの瞳は、今、私の胸元にある輝きと同じだ。
「きっと、離れている時間の方が一緒にいる時間より長くなる」
「・・・・・・」
「それでも、僕は和紗と人生を分かち合っていきたい」
「・・・・・・」
「『行ってきます』と『ただいま』を何度も繰り返して、一緒に生きていきたい」
「・・・・・・」
私は、ずっとずっと張り詰めていた。
ひとりで生きていかなきゃって思ってたから。
だけど、五条さんが私の人生に現れてから、ずっと張り詰めていたものが、少しずつ解かれていったの。
それだけで私はじゅうぶんだったのに、それ以上のものをもたらしてくれるの?
「・・・こんなの正しくない」
「えっ!?」
私の唐突な言葉に、五条さんは激しく動揺した。
「何!?このプロポーズが気に入らなかった?もう一回やり直した方がいい?」
「・・・そうじゃなくて」
私は零れてくる涙を拭きながら言った。
「最強の呪術師の、五条悟の、結婚相手が、こんな、無力な、非術師の女なんて・・・正しくないです・・・」
「・・・まだそんな」
「でもっ」
五条さんの言葉を遮り、私は続けた。
「でも・・・。初めて会った時、私が上京するべきか悩んでたら、五条さん言ってくれましたよね。『人が選択をしていくのに、正しい道なんてない。そこには納得するかしないかだけだ』って・・・」
「・・・・・・」
「だから、私は自分が納得する道を選んでいきたい」
涙を拭い、私は五条さんを真っ直ぐ見つめ返した。
「納得する道を、悟さんと一緒に探しながら生きていきたい」
私がそう言った後、あれだけ返事をせかしていたくせに、五条さんは驚いて言葉を失ってしまったかのように黙り込んでしまった。
だけど、すぐさまグッと浜辺の砂を踏み込んで私の傍に歩み寄り、両腕で私を抱き締めた。そして、
「・・・うん」
と、小さく頷いた。
ただそれだけ。
だけど、それだけでもう言葉は必要なかった。
「・・・・・・」
私も両腕を回して、五条さんの背中へそっと手を添えた。
そして、
「・・・私、このまま帰りたくない」
と、思わずこぼしてしまった。
「鶴來和紗さん」
そして、こう言った。
「僕と結婚してください」
サングラスを外し、その蒼い目で私を真っ直ぐ見据えて、私の返事を待っている。
あまりにもベタな演出。
どこまでが本気で、どこまでが冗談なんだろう。
真意を測りかねて、私が首を傾げてポカンと立ち尽くしていると、
「ちょっと、返事してよ~。一体どっちなの!?」
と、しびれを切らして五条さんは立ちあがった。
「え、いやぁ。五条さんらしからぬストレートなやり方だなぁって思って」
「何その感想。で、イエスなのノーなの?どっち?」
「どっちって・・・」
「この期に及んでまだ冗談だとか思ってる?」
と不服そうに唇を尖らせて、五条さんはパカッとジュエリーボックスを開けた。
「・・・・・・」
その中には、蒼い小粒な、だけど鮮やかに煌めく宝石のついたネックレスが入っていた。
「指輪は邪魔だからって言ってたからさ。だからネックレスにしたの」
と言いながら、五条さんはそのネックレスを取り出し、私の首に着けるべく恭しく両手を回した。
「僕としては不本意なんだけどね。本当はでっかいダイヤモンドのついた指輪、あげたかったし。だけど、このネックレスを見た瞬間、和紗に似合うのはこれだって閃いて」
そして、五条さんは満足そうに微笑んで、そっと両手を離した。
「うん、やっぱり似合ってる」
「・・・・・・」
私は自分の胸元に煌めく輝きに目を落とした。
「・・・ずっとそばにいることは、きっと出来ない」
そう五条さんが言って、私は視線を上げた。
私を見つめる五条さんの瞳は、今、私の胸元にある輝きと同じだ。
「きっと、離れている時間の方が一緒にいる時間より長くなる」
「・・・・・・」
「それでも、僕は和紗と人生を分かち合っていきたい」
「・・・・・・」
「『行ってきます』と『ただいま』を何度も繰り返して、一緒に生きていきたい」
「・・・・・・」
私は、ずっとずっと張り詰めていた。
ひとりで生きていかなきゃって思ってたから。
だけど、五条さんが私の人生に現れてから、ずっと張り詰めていたものが、少しずつ解かれていったの。
それだけで私はじゅうぶんだったのに、それ以上のものをもたらしてくれるの?
「・・・こんなの正しくない」
「えっ!?」
私の唐突な言葉に、五条さんは激しく動揺した。
「何!?このプロポーズが気に入らなかった?もう一回やり直した方がいい?」
「・・・そうじゃなくて」
私は零れてくる涙を拭きながら言った。
「最強の呪術師の、五条悟の、結婚相手が、こんな、無力な、非術師の女なんて・・・正しくないです・・・」
「・・・まだそんな」
「でもっ」
五条さんの言葉を遮り、私は続けた。
「でも・・・。初めて会った時、私が上京するべきか悩んでたら、五条さん言ってくれましたよね。『人が選択をしていくのに、正しい道なんてない。そこには納得するかしないかだけだ』って・・・」
「・・・・・・」
「だから、私は自分が納得する道を選んでいきたい」
涙を拭い、私は五条さんを真っ直ぐ見つめ返した。
「納得する道を、悟さんと一緒に探しながら生きていきたい」
私がそう言った後、あれだけ返事をせかしていたくせに、五条さんは驚いて言葉を失ってしまったかのように黙り込んでしまった。
だけど、すぐさまグッと浜辺の砂を踏み込んで私の傍に歩み寄り、両腕で私を抱き締めた。そして、
「・・・うん」
と、小さく頷いた。
ただそれだけ。
だけど、それだけでもう言葉は必要なかった。
「・・・・・・」
私も両腕を回して、五条さんの背中へそっと手を添えた。
そして、
「・・・私、このまま帰りたくない」
と、思わずこぼしてしまった。