第24話 藍色好きさ
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
それを聞いて、私の心臓が激しく動悸した。
時折、五条さんが見せるあの黒い衝動が、伏黒君の話す事に真実味を持たせていた。
「要するに、鶴來さんは人質として機能しない。だけど、五条先生の怒りを誘発するトリガーにはなる。そういうわけで、」
そう言って、伏黒君は靴を脱いで部屋に上がった。
「世界が五条先生に滅ぼされないためにも、鶴來さんを護衛します」
「・・・・・・」
私が思い詰めないようにと、伏黒君は冗談めかしてそう言っているというのがわかった。
本当は大丈夫だから帰ってって言うつもりだったんだけど・・・。
「・・・ありがとう。伏黒君」
「別に・・・」
「じゃあ伏黒君、今日ここに泊まるんだ?」
と私が言うと、伏黒君はハッと言葉を詰まらせた。
「泊まっ・・・?」
「うん。五条さん泊まり込みだって言ってたから。あ、寝るところどうしようかな。五条さんの部屋でもいいかな?」
「・・・虎杖と釘崎も呼びます」
「え。そんなの悪いよ。悠仁君も野薔薇ちゃんも忙しいのに。私は伏黒君がいてくれれば・・・」
「そんなだから五条先生も怒ってるんじゃねぇのか!?」
「え?」
それから、伏黒君は電話で悠仁君と野薔薇ちゃんを呼び出した。
まもなく、悠仁君と野薔薇ちゃんがやって来た。
「こんばんはー!」
玄関で出迎えると、2人の手には大きなレジ袋が提げられている。
「いらっしゃーい。一体そんなに沢山何を買ってきたの?」
「せっかくこのメンバーで集まるんだし、最近夜は冷えるし、鍋にしようと思って」
私の問いかけに悠仁君が答える。
「また俺肉団子作るからさ」
「あー、あの肉団子美味しいわよねぇ」
と言ったのは、私ではなく野薔薇ちゃんだ。
その言葉に悠仁君は首を傾げる。
「って、アレ?俺、釘崎に作ったことあったっけ?」
「伏黒がアンタに作り方教わったっていって作ったのを食べたのよ。アンタが死んでいない間にね」
「へー、そーだったんだー」
「悠仁君、野薔薇ちゃん」
私はふたりにむかって言った。
「ふたりとも忙しいのに、私のためにごめんね」
するとふたりは、
「え?」
と、微妙な反応。
するとそこで伏黒君が、
「早く上がれよ」
と、ふたりを促した。
「って、自分ちみたいに言うなー!」
「あはは。マジでソレ」
「ま、とりあえず、おじゃましまーす」
そして、悠仁君と野薔薇ちゃんは部屋に上がってバタバタとリビングへ向かっていく。
そんな二人に続いて行こうとしたら、
「アイツらには話してないんです、鶴來さんが襲撃されたことを」
と、伏黒君が言った。
「あ、そうだったんだ」
「呼びつけたのは、ただ普通に泊まりに来いってだけで」
「うん、それでよかった。ふたりには余計な心配かけたくなかったし」
「・・・・・・」
「ありがとう。伏黒君が気を遣ってくれて助かる」
と、私は伏黒君に笑いかけた。
しかし、伏黒君は何の反応もしない。
───死ぬときは独りだよ
「伏黒君?」
「・・・・・・」
───本気でやれ。もっと欲張れ
伏黒君は目を伏せて何かを考え込んでいて、私の声は届いていないようだった。
『・・・って、アンタは欲張りすぎじゃないですか?五条先生』
『ん?』
『死ぬときは独りなんて言いながら、どうして鶴來さんを』
『和紗?』
『死ぬときは独りっていうのは・・・呪術師はベッドの上で家族や仲間に看取られながら死ねると思うなってことだろ』
『・・・・・・』
『冷たい見知らぬ路上で、誰にも気づかれないまま死ぬってことだ』
『・・・・・・』
『それをわかっていながら、なんで・・・』
『でも、僕は死ぬつもりないもーん』
『・・・・・・』
『何があっても、生きて和紗んとこ帰るよ?』
『・・・はぁ!?色々矛盾してんじゃねぇか、アンタは!』
『そだねー。でも、出会ってしまったんだから仕方ないじゃない。人生を分かち合いたい相手に』
『・・・は~あ・・・』
『うわっ。何そのクソでっかい溜息』
『・・・もういいです。精々鶴來さんを悲しませないようにしてください。色んな意味で』
『もちろん。って言いたいところだけど、完全には無理かも』
『は?』
『和紗はさ、僕がどれだけ遠くに行っても会えない時間が長くなっても、いつものように『ただいま』って帰ってきたらそれでいいって言ってくれるんだけどさ』
『・・・ノロケかよ・・・』
『もしそんな時が来たら、恵が僕の代わりに和紗の傍にいてほしい』
『・・・は?』
『そして、和紗のことを護ってほしい』
『・・・何で俺なんですか』
『ん?』
『それなら虎杖か釘崎に頼めばいいでしょう』
『あの二人はダメだよ~。だって悠仁も野薔薇も和紗のこと大好きだし、和紗もふたりを可愛がってるじゃない!僕の居ぬ間に万が一過ちが起きたらイヤでしょ』
『・・・くだらねぇ・・・』
『ってのは冗談としても、あの二人は感情過多でそれで行動も極端になりがちだからね。下手したら自身も危険に晒すかもしれない。でも、君は違うだろ』
『・・・・・・』
『対象に必要以上に感情移入せず、ラインを踏み込まず、任務は必ず遂行する』
『・・・だとしても、そんな時来ないでしょ』
『うん。だから、これはもしもの話』
時折、五条さんが見せるあの黒い衝動が、伏黒君の話す事に真実味を持たせていた。
「要するに、鶴來さんは人質として機能しない。だけど、五条先生の怒りを誘発するトリガーにはなる。そういうわけで、」
そう言って、伏黒君は靴を脱いで部屋に上がった。
「世界が五条先生に滅ぼされないためにも、鶴來さんを護衛します」
「・・・・・・」
私が思い詰めないようにと、伏黒君は冗談めかしてそう言っているというのがわかった。
本当は大丈夫だから帰ってって言うつもりだったんだけど・・・。
「・・・ありがとう。伏黒君」
「別に・・・」
「じゃあ伏黒君、今日ここに泊まるんだ?」
と私が言うと、伏黒君はハッと言葉を詰まらせた。
「泊まっ・・・?」
「うん。五条さん泊まり込みだって言ってたから。あ、寝るところどうしようかな。五条さんの部屋でもいいかな?」
「・・・虎杖と釘崎も呼びます」
「え。そんなの悪いよ。悠仁君も野薔薇ちゃんも忙しいのに。私は伏黒君がいてくれれば・・・」
「そんなだから五条先生も怒ってるんじゃねぇのか!?」
「え?」
それから、伏黒君は電話で悠仁君と野薔薇ちゃんを呼び出した。
まもなく、悠仁君と野薔薇ちゃんがやって来た。
「こんばんはー!」
玄関で出迎えると、2人の手には大きなレジ袋が提げられている。
「いらっしゃーい。一体そんなに沢山何を買ってきたの?」
「せっかくこのメンバーで集まるんだし、最近夜は冷えるし、鍋にしようと思って」
私の問いかけに悠仁君が答える。
「また俺肉団子作るからさ」
「あー、あの肉団子美味しいわよねぇ」
と言ったのは、私ではなく野薔薇ちゃんだ。
その言葉に悠仁君は首を傾げる。
「って、アレ?俺、釘崎に作ったことあったっけ?」
「伏黒がアンタに作り方教わったっていって作ったのを食べたのよ。アンタが死んでいない間にね」
「へー、そーだったんだー」
「悠仁君、野薔薇ちゃん」
私はふたりにむかって言った。
「ふたりとも忙しいのに、私のためにごめんね」
するとふたりは、
「え?」
と、微妙な反応。
するとそこで伏黒君が、
「早く上がれよ」
と、ふたりを促した。
「って、自分ちみたいに言うなー!」
「あはは。マジでソレ」
「ま、とりあえず、おじゃましまーす」
そして、悠仁君と野薔薇ちゃんは部屋に上がってバタバタとリビングへ向かっていく。
そんな二人に続いて行こうとしたら、
「アイツらには話してないんです、鶴來さんが襲撃されたことを」
と、伏黒君が言った。
「あ、そうだったんだ」
「呼びつけたのは、ただ普通に泊まりに来いってだけで」
「うん、それでよかった。ふたりには余計な心配かけたくなかったし」
「・・・・・・」
「ありがとう。伏黒君が気を遣ってくれて助かる」
と、私は伏黒君に笑いかけた。
しかし、伏黒君は何の反応もしない。
───死ぬときは独りだよ
「伏黒君?」
「・・・・・・」
───本気でやれ。もっと欲張れ
伏黒君は目を伏せて何かを考え込んでいて、私の声は届いていないようだった。
『・・・って、アンタは欲張りすぎじゃないですか?五条先生』
『ん?』
『死ぬときは独りなんて言いながら、どうして鶴來さんを』
『和紗?』
『死ぬときは独りっていうのは・・・呪術師はベッドの上で家族や仲間に看取られながら死ねると思うなってことだろ』
『・・・・・・』
『冷たい見知らぬ路上で、誰にも気づかれないまま死ぬってことだ』
『・・・・・・』
『それをわかっていながら、なんで・・・』
『でも、僕は死ぬつもりないもーん』
『・・・・・・』
『何があっても、生きて和紗んとこ帰るよ?』
『・・・はぁ!?色々矛盾してんじゃねぇか、アンタは!』
『そだねー。でも、出会ってしまったんだから仕方ないじゃない。人生を分かち合いたい相手に』
『・・・は~あ・・・』
『うわっ。何そのクソでっかい溜息』
『・・・もういいです。精々鶴來さんを悲しませないようにしてください。色んな意味で』
『もちろん。って言いたいところだけど、完全には無理かも』
『は?』
『和紗はさ、僕がどれだけ遠くに行っても会えない時間が長くなっても、いつものように『ただいま』って帰ってきたらそれでいいって言ってくれるんだけどさ』
『・・・ノロケかよ・・・』
『もしそんな時が来たら、恵が僕の代わりに和紗の傍にいてほしい』
『・・・は?』
『そして、和紗のことを護ってほしい』
『・・・何で俺なんですか』
『ん?』
『それなら虎杖か釘崎に頼めばいいでしょう』
『あの二人はダメだよ~。だって悠仁も野薔薇も和紗のこと大好きだし、和紗もふたりを可愛がってるじゃない!僕の居ぬ間に万が一過ちが起きたらイヤでしょ』
『・・・くだらねぇ・・・』
『ってのは冗談としても、あの二人は感情過多でそれで行動も極端になりがちだからね。下手したら自身も危険に晒すかもしれない。でも、君は違うだろ』
『・・・・・・』
『対象に必要以上に感情移入せず、ラインを踏み込まず、任務は必ず遂行する』
『・・・だとしても、そんな時来ないでしょ』
『うん。だから、これはもしもの話』