第23話 黒い衝動
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「ずいぶんと手こずってるわね、重面ぉ」
逃げようとする私の前に、一人の女の子が立ちふさがった。
「あなたは・・・!」
驚く私を見て、彼女は蠱惑的な笑みを浮かべた。
「久しぶりね」
特徴的なレインボーカラーのロングヘア。
「糠子・・・!」
「なっ!?」
私がそう名前を呼ぶと、彼女は憤慨した。
「誰が糠子よ!」
「え、違ったっけ?」
「違う!私は奇子!」
「奇子・・・」
糠子にしろ奇子にしろ、私の前に立ちふさがったのは、あの糠田が森の女型呪霊だ。
そして、この呪霊こそが私を陥れようとしている首謀者だったのだ。
「会いたかったよ、和紗」
奇子は言った。
「『魂の皺』を読んでたから居場所を特定するのはそう難しくなかったんだけど、和紗の普段の行動範囲のいたるところに五条悟がマーキングしてるから迂闊に手を出せなくて。下手に手を出したら、五条悟が高速移動ですっ飛んでくるでしょ。ずいぶんと大事にされてるのねぇ」
「・・・・・・」
「だから、和紗が普段の行動範囲からはみ出す機会を待ったの。五条悟のマーキングが及んでいない場所に出てくるのをね。そして、あのウサギ型呪骸とも引き離して・・・」
それを聞いて私はハッとした。
「サトル・・・!」
「あはっ♡あのウサちゃん、サトルっていうんだ、ウケる。サトルなら、ネズミ型呪霊を追って地下まで行っちゃったわよ」
「・・・・・・」
「これであのサトルをGPS代わりにも出来ない」
「どうして東京 に・・・。何が目的なの?」
「そりゃあアンタを殺すためよ」
奇子ははっきりと言い切った。
「アンタ邪魔なの。私が存在するのに目障りなの。だから殺すの」
「・・・・・・」
「・・・って、最初は思ってたんだけど」
「え・・・」
奇子は今度は打って変わって笑顔で言葉を続けた。
「利用価値があるから殺すのはやめたわ。当分の間はね」
「利用・・・?」
「そう、五条悟を陥れるためにね」
「・・・・・・!」
それを聞いて、私はより一層警戒を深めた。
奇子は、まるで子どもが良いアイデアが浮かんだ時の様にワクワクしながら続けた。
「真人が目的を果たすために五条悟は邪魔なんだって。でも、真人は天敵の宿儺の器で手がいっぱいだからそれどころじゃないんだって。だから、私が代わりに五条悟を何とかしたいの。そしたら、真人も私を好きになってくれるかもしれないし」
まひと・・・?
それより、宿儺の器ってどうして悠仁君のことまで知ってるの?
だけど、わかったこともある。
奇子は、私を人質にするつもりなんだ。
(そうはさせない・・・!)
私はバッグの中に手を入れた。
まだ『擬砡』は造れる。
しかし、
「ぐっ!」
背後から首を羽交い絞めにされた。
「何ふたりだけで盛り上がってんの~?俺のことも会話に入れてよ~」
サイドテールだ。
奇子に気を取られていて、存在を忘れていた。
さっき重面と呼ばれていた。
サイドテール改め重面は、奇子に向かって尋ねた。
「で、どうすんの?どうやって五条悟に知らせるの?人質にとったって」
「・・・指の一本でも送ってやりましょ」
と奇子が言ったのを聞いて、重面は私の耳元でクスっと笑った。
「了~~~解っ♡」
そして、私の首を羽交い絞めする腕に更に力を込めた。
「・・・・っっ」
重面は華奢に見えてもその腕力は男性のそれだった。
私は抗おうとするけれど、敵わず次第に意識が遠のき始めた。
(・・・五条さん・・・)
遠のいていく意識の中で、五条さんの顔が浮かんだ。
(お願い・・・奴らの手口に乗らないで。どうか私には構わないで・・・)
意識が朦朧として抵抗する力を失いガクリと項垂れる私を、重面は床の上に放った。
「さて、と」
と、重面は私の手を取り指の根元に剣の刃を当てた。
逃げようとする私の前に、一人の女の子が立ちふさがった。
「あなたは・・・!」
驚く私を見て、彼女は蠱惑的な笑みを浮かべた。
「久しぶりね」
特徴的なレインボーカラーのロングヘア。
「糠子・・・!」
「なっ!?」
私がそう名前を呼ぶと、彼女は憤慨した。
「誰が糠子よ!」
「え、違ったっけ?」
「違う!私は奇子!」
「奇子・・・」
糠子にしろ奇子にしろ、私の前に立ちふさがったのは、あの糠田が森の女型呪霊だ。
そして、この呪霊こそが私を陥れようとしている首謀者だったのだ。
「会いたかったよ、和紗」
奇子は言った。
「『魂の皺』を読んでたから居場所を特定するのはそう難しくなかったんだけど、和紗の普段の行動範囲のいたるところに五条悟がマーキングしてるから迂闊に手を出せなくて。下手に手を出したら、五条悟が高速移動ですっ飛んでくるでしょ。ずいぶんと大事にされてるのねぇ」
「・・・・・・」
「だから、和紗が普段の行動範囲からはみ出す機会を待ったの。五条悟のマーキングが及んでいない場所に出てくるのをね。そして、あのウサギ型呪骸とも引き離して・・・」
それを聞いて私はハッとした。
「サトル・・・!」
「あはっ♡あのウサちゃん、サトルっていうんだ、ウケる。サトルなら、ネズミ型呪霊を追って地下まで行っちゃったわよ」
「・・・・・・」
「これであのサトルをGPS代わりにも出来ない」
「どうして
「そりゃあアンタを殺すためよ」
奇子ははっきりと言い切った。
「アンタ邪魔なの。私が存在するのに目障りなの。だから殺すの」
「・・・・・・」
「・・・って、最初は思ってたんだけど」
「え・・・」
奇子は今度は打って変わって笑顔で言葉を続けた。
「利用価値があるから殺すのはやめたわ。当分の間はね」
「利用・・・?」
「そう、五条悟を陥れるためにね」
「・・・・・・!」
それを聞いて、私はより一層警戒を深めた。
奇子は、まるで子どもが良いアイデアが浮かんだ時の様にワクワクしながら続けた。
「真人が目的を果たすために五条悟は邪魔なんだって。でも、真人は天敵の宿儺の器で手がいっぱいだからそれどころじゃないんだって。だから、私が代わりに五条悟を何とかしたいの。そしたら、真人も私を好きになってくれるかもしれないし」
まひと・・・?
それより、宿儺の器ってどうして悠仁君のことまで知ってるの?
だけど、わかったこともある。
奇子は、私を人質にするつもりなんだ。
(そうはさせない・・・!)
私はバッグの中に手を入れた。
まだ『擬砡』は造れる。
しかし、
「ぐっ!」
背後から首を羽交い絞めにされた。
「何ふたりだけで盛り上がってんの~?俺のことも会話に入れてよ~」
サイドテールだ。
奇子に気を取られていて、存在を忘れていた。
さっき重面と呼ばれていた。
サイドテール改め重面は、奇子に向かって尋ねた。
「で、どうすんの?どうやって五条悟に知らせるの?人質にとったって」
「・・・指の一本でも送ってやりましょ」
と奇子が言ったのを聞いて、重面は私の耳元でクスっと笑った。
「了~~~解っ♡」
そして、私の首を羽交い絞めする腕に更に力を込めた。
「・・・・っっ」
重面は華奢に見えてもその腕力は男性のそれだった。
私は抗おうとするけれど、敵わず次第に意識が遠のき始めた。
(・・・五条さん・・・)
遠のいていく意識の中で、五条さんの顔が浮かんだ。
(お願い・・・奴らの手口に乗らないで。どうか私には構わないで・・・)
意識が朦朧として抵抗する力を失いガクリと項垂れる私を、重面は床の上に放った。
「さて、と」
と、重面は私の手を取り指の根元に剣の刃を当てた。