第23話 黒い衝動
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
(そうだ)
私はスマホを手に取り、連絡先の一覧を確認した。
(あった)
そこには陵 先生の電話番号があった。
現地実習の廃墟ホテルの事件の時(第14話)に、連絡先を交換してたのだ。
今まで使うことがなかったから、交換した事自体忘れていたけれど・・・。
(電話しても大丈夫かな?)
『それに『あけづる』のことも、僕にアドバイス出来ることがあったらいつでも質問してくれたらいいから』
最後に別れた時、そう言ってもらったし。
それに、『みささぎ』のことも気になる。
五条さんは連絡ないことが無事の知らせなんて言ってたけれど、陵先生の性分だと、誰にも打ち明けられず一人で抱え込んでしまうんじゃないのかな。
「・・・・・・」
それでもまだ電話するのを迷ってしまう。
五条さんが変なこと言ったからだ。
(不安になるなんて、なんでそんな風に思うんだろう)
私には五条さんだけなのに。
不安に思われる事なんて何もないもの。
(・・・メールだけでも送ってみようかな)
と、文字を入力していた時だった。
プルルル・・・
「わっ」
電話がかかってきた。
なんと、陵先生からだ。
(す、すごい偶然・・・!)
と、驚きながら応答する。
「もしもし」
「も、もしもしっ」
すると、ひどく緊張した陵先生の声が帰ってきた。
「わたくし、陵という者なんですが、こちらは鶴來和紗さんの電話でお間違いないでしょうか!?」
「・・・ぷっ」
かしこまった話し方におもわず吹き出してしまう。
すると、電話の向うの陵先生が戸惑う様子が伝わってきた。
「え、あ、間違えました・・・?」
「大丈夫ですよ、間違ってないです。鶴來です。お久しぶりです、陵先生」
「あ・・・」
「ちゃんと連絡先に名前も登録してたから、そんな律儀に名乗らなくてもわかってましたよ」
そう言うと、陵先生はようやく緊張が解けたようでフッと笑った。
「そ、そっか。そうだよね」
「奇遇ですね。私も連絡しようと思ってたところなんです。本当にたった今!」
「え・・・そうなんだ。何かあったの?」
「いえ、何かあったっていう訳ではないんですけど。陵先生の方こそ、どうしたんですか?」
「あ、うん。今、僕が務めてる店のオープン日が決まったんだ。それを知らせようと思って・・・」
「そうなんですね!いつなんですか?」
「10月31日」
それを聞いて、私は目を瞬かせた。
「ハロウィンの日ですか」
「うん、そうなんだ。オープン記念とハロウィンのイベントも兼ねてやることにしたんだ」
「わぁ、それはお客さんに沢山来てもらえそうですね。でも、すごく忙しくなりそうですね」
「うん・・・。それで、鶴來さんにお願いしたいことがあって電話したんだ」
「私に?」
「うん・・・」
陵先生は言った。
「その日一日だけ、お店を手伝ってもらえないかと思って。鶴來さんは実家が和菓子屋さんだから、経験もあって即戦力になると思って。あと、出来れば二人ほど友達に声をかけてくれたら助かるんだけど・・・」
「そうですね・・・」
「ど、どうかな。急にこんなこと頼まれても困るだろうけど」
「いいですよ」
私は言った。
「手伝ってくれそうな友達も心当たりありますし。任せてください」
「よ、よかった。ありがとう」
陵先生はホッとしたような嬉しそうな声を上げた。
「じゃ、じゃあ今度店の方に来てもらえるかな?形式的なものだけど、オーナーと面接があるから・・・」
「はい。お店はどちらの方にあるんですか?」
「渋谷区の代官山なんだ」
「代官山!」
「うん。後からメールの方に住所を送るよ」
「はい・・・」
代官山かぁ。
オシャレの街代表ってイメージだなぁ。
お店の方もさぞかしオシャレなんだろうな。
いや、大事なのは味だけど!
「・・・鶴來さん」
あれこれ考えているところに声を掛けられて、私はハッと我に返った。
「は、はい?」
「鶴來さんはどうして僕に連絡しようと?」
「・・・・・・」
私はスマホを手に取り、連絡先の一覧を確認した。
(あった)
そこには
現地実習の廃墟ホテルの事件の時(第14話)に、連絡先を交換してたのだ。
今まで使うことがなかったから、交換した事自体忘れていたけれど・・・。
(電話しても大丈夫かな?)
『それに『あけづる』のことも、僕にアドバイス出来ることがあったらいつでも質問してくれたらいいから』
最後に別れた時、そう言ってもらったし。
それに、『みささぎ』のことも気になる。
五条さんは連絡ないことが無事の知らせなんて言ってたけれど、陵先生の性分だと、誰にも打ち明けられず一人で抱え込んでしまうんじゃないのかな。
「・・・・・・」
それでもまだ電話するのを迷ってしまう。
五条さんが変なこと言ったからだ。
(不安になるなんて、なんでそんな風に思うんだろう)
私には五条さんだけなのに。
不安に思われる事なんて何もないもの。
(・・・メールだけでも送ってみようかな)
と、文字を入力していた時だった。
プルルル・・・
「わっ」
電話がかかってきた。
なんと、陵先生からだ。
(す、すごい偶然・・・!)
と、驚きながら応答する。
「もしもし」
「も、もしもしっ」
すると、ひどく緊張した陵先生の声が帰ってきた。
「わたくし、陵という者なんですが、こちらは鶴來和紗さんの電話でお間違いないでしょうか!?」
「・・・ぷっ」
かしこまった話し方におもわず吹き出してしまう。
すると、電話の向うの陵先生が戸惑う様子が伝わってきた。
「え、あ、間違えました・・・?」
「大丈夫ですよ、間違ってないです。鶴來です。お久しぶりです、陵先生」
「あ・・・」
「ちゃんと連絡先に名前も登録してたから、そんな律儀に名乗らなくてもわかってましたよ」
そう言うと、陵先生はようやく緊張が解けたようでフッと笑った。
「そ、そっか。そうだよね」
「奇遇ですね。私も連絡しようと思ってたところなんです。本当にたった今!」
「え・・・そうなんだ。何かあったの?」
「いえ、何かあったっていう訳ではないんですけど。陵先生の方こそ、どうしたんですか?」
「あ、うん。今、僕が務めてる店のオープン日が決まったんだ。それを知らせようと思って・・・」
「そうなんですね!いつなんですか?」
「10月31日」
それを聞いて、私は目を瞬かせた。
「ハロウィンの日ですか」
「うん、そうなんだ。オープン記念とハロウィンのイベントも兼ねてやることにしたんだ」
「わぁ、それはお客さんに沢山来てもらえそうですね。でも、すごく忙しくなりそうですね」
「うん・・・。それで、鶴來さんにお願いしたいことがあって電話したんだ」
「私に?」
「うん・・・」
陵先生は言った。
「その日一日だけ、お店を手伝ってもらえないかと思って。鶴來さんは実家が和菓子屋さんだから、経験もあって即戦力になると思って。あと、出来れば二人ほど友達に声をかけてくれたら助かるんだけど・・・」
「そうですね・・・」
「ど、どうかな。急にこんなこと頼まれても困るだろうけど」
「いいですよ」
私は言った。
「手伝ってくれそうな友達も心当たりありますし。任せてください」
「よ、よかった。ありがとう」
陵先生はホッとしたような嬉しそうな声を上げた。
「じゃ、じゃあ今度店の方に来てもらえるかな?形式的なものだけど、オーナーと面接があるから・・・」
「はい。お店はどちらの方にあるんですか?」
「渋谷区の代官山なんだ」
「代官山!」
「うん。後からメールの方に住所を送るよ」
「はい・・・」
代官山かぁ。
オシャレの街代表ってイメージだなぁ。
お店の方もさぞかしオシャレなんだろうな。
いや、大事なのは味だけど!
「・・・鶴來さん」
あれこれ考えているところに声を掛けられて、私はハッと我に返った。
「は、はい?」
「鶴來さんはどうして僕に連絡しようと?」
「・・・・・・」