第23話 黒い衝動
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「きぇーーーっ!」
「高菜ーーーっ!」
ナイフ(ニセモノ)を持ったパンダ君と狗巻君が、一斉に真希ちゃんに襲い掛かる。
が、真希ちゃんは俊敏な動きでパンダ君の手を蹴り上げて刃物を落とし、更に狗巻君の肘の内側を押さえ込んで膝蹴りを入れるフリをした。
「す、すごい」
鮮やかな身のこなしに私は拍手をした。
「護身術で一番確実な方法は、言うまでもなく逃げることだが」
と、真希ちゃんはポニーテールを翻しながら、私の方を振り向いた。
「刃物を持った敵との距離がない、逃げきれないって時は、とにかく足を出す」
と言いながら、真希ちゃんはフロントキックの仕草を繰り返す。
「相手をよく見て、相手が刃物を後ろに引いた瞬間に蹴る。それだけで、大抵の場合は条件反射で後ろに腰が引く」
「なるほど」
「で、更に距離が近い場合は、両腕をしっかり肘を伸ばして相手の肘の内側を押さえて防御する」
「うんうん」
「もっと簡単なのは、とにかくそこらのものを手当たり次第投げつけたり障害物に利用したりする。肝心なのは、背中を決して見せないこと」
「うん」
「あとは、刃物の握り方で刺す角度を推測して避けるって方法もある」
ここは、呪術高専のグラウンド。
京都姉妹校交流会で約束した通り、私は真希ちゃん、パンダ君、狗巻君の二年ズに護身術の稽古をつけてもらっていた。
「さ、一度実戦しよう」
という真希ちゃんの言葉に私は頷き、
「お願いします!」
と、様にならないポーズで身構える。
「手加減なしでいくからな」
「明太子」
と、パンダ君と狗巻君もナイフ(ニセモノ)を構え直した。
が。
「おっとっと〜」
「ツナマヨ〜」
パンダ君も狗巻君も、あっけなくナイフ(ニセモノ)を落としてしまった。
「・・・何やってんだよ、オマエら」
そう言ったのは、真希ちゃん。
「真面目にやれよ。何デレデレしてんだよ」
そう咎められて、パンダ君と狗巻君は困ったように頭を掻く。
その様子を見て、私は言った。
「ごめんなさい!私があまりにも情けないから、ふたりとも本気出せないんでしょう?」
「イヤイヤ。そんなんじゃねぇよ」
パンダ君が言った。
「ただ、和紗って高専の女子連中にいないタイプだからなぁ」
「・・・何が言いてぇんだよ」
真希ちゃんがパンダ君に冷ややかな視線を向ける。
するとパンダ君はテヘッと笑いながら、
「なぁんか可憐な女の子って感じで向き合ってるとドキドキする」
と言った矢先、
「それがデレデレしてるっつーんだよ」
と、真希ちゃんが持っていた槍の柄で、パンダ君と狗巻君の頭をバシッと叩いた。
すると、ふたりは恨めしげに真希ちゃんを見た。
「いってぇ。何すんだよ、真希」
「しゃけしゃけ!」
「オマエ、野薔薇の時は遠慮なく振り回してたじゃねぇか」
「野薔薇は跳ねっ返りだからなぁ・・・ってことは置いといて。和紗と向き合ってると、どうにも悟がチラつくんだよなぁ」
パンダ君は言った。
「万が一和紗に怪我でもさせたら、悟がブチギレるんじゃないかってさ」
「しゃけー」
「そんな・・・」
そんなこと気にしないで、と言おうとしたら。
「あのバカ目隠しにビビってんのかよ。情けねぇ連中だな」
そう言いながら、真希ちゃんが槍をブンブンと振り回し構えた。
「私が相手になる。和紗さん、構えて」
「はいっ!」
と、私も構える。
それを見て、パンダ君と狗巻君が慌てて言った。
「いや、真希に和紗。槍対応の護身術はまだだよな?」
「高菜」
そんな時だった。
「おー。やってるねぇ」
五条さんが飄々とした様子でやって来た。
「五条さん」
「わざわざお迎えかよ」
と、私と真希ちゃんは構えを解いた。
「そりゃあ愛しのフィアンセをこんな僻地から一人で帰らせる訳にいかないでしょ」
「誰がフィアンセですか」
「・・・って!」
と突然、五条さんはグッと私に近づいてきて私の頬に触れた。
「どうしたの、この傷!?」
「高菜ーーーっ!」
ナイフ(ニセモノ)を持ったパンダ君と狗巻君が、一斉に真希ちゃんに襲い掛かる。
が、真希ちゃんは俊敏な動きでパンダ君の手を蹴り上げて刃物を落とし、更に狗巻君の肘の内側を押さえ込んで膝蹴りを入れるフリをした。
「す、すごい」
鮮やかな身のこなしに私は拍手をした。
「護身術で一番確実な方法は、言うまでもなく逃げることだが」
と、真希ちゃんはポニーテールを翻しながら、私の方を振り向いた。
「刃物を持った敵との距離がない、逃げきれないって時は、とにかく足を出す」
と言いながら、真希ちゃんはフロントキックの仕草を繰り返す。
「相手をよく見て、相手が刃物を後ろに引いた瞬間に蹴る。それだけで、大抵の場合は条件反射で後ろに腰が引く」
「なるほど」
「で、更に距離が近い場合は、両腕をしっかり肘を伸ばして相手の肘の内側を押さえて防御する」
「うんうん」
「もっと簡単なのは、とにかくそこらのものを手当たり次第投げつけたり障害物に利用したりする。肝心なのは、背中を決して見せないこと」
「うん」
「あとは、刃物の握り方で刺す角度を推測して避けるって方法もある」
ここは、呪術高専のグラウンド。
京都姉妹校交流会で約束した通り、私は真希ちゃん、パンダ君、狗巻君の二年ズに護身術の稽古をつけてもらっていた。
「さ、一度実戦しよう」
という真希ちゃんの言葉に私は頷き、
「お願いします!」
と、様にならないポーズで身構える。
「手加減なしでいくからな」
「明太子」
と、パンダ君と狗巻君もナイフ(ニセモノ)を構え直した。
が。
「おっとっと〜」
「ツナマヨ〜」
パンダ君も狗巻君も、あっけなくナイフ(ニセモノ)を落としてしまった。
「・・・何やってんだよ、オマエら」
そう言ったのは、真希ちゃん。
「真面目にやれよ。何デレデレしてんだよ」
そう咎められて、パンダ君と狗巻君は困ったように頭を掻く。
その様子を見て、私は言った。
「ごめんなさい!私があまりにも情けないから、ふたりとも本気出せないんでしょう?」
「イヤイヤ。そんなんじゃねぇよ」
パンダ君が言った。
「ただ、和紗って高専の女子連中にいないタイプだからなぁ」
「・・・何が言いてぇんだよ」
真希ちゃんがパンダ君に冷ややかな視線を向ける。
するとパンダ君はテヘッと笑いながら、
「なぁんか可憐な女の子って感じで向き合ってるとドキドキする」
と言った矢先、
「それがデレデレしてるっつーんだよ」
と、真希ちゃんが持っていた槍の柄で、パンダ君と狗巻君の頭をバシッと叩いた。
すると、ふたりは恨めしげに真希ちゃんを見た。
「いってぇ。何すんだよ、真希」
「しゃけしゃけ!」
「オマエ、野薔薇の時は遠慮なく振り回してたじゃねぇか」
「野薔薇は跳ねっ返りだからなぁ・・・ってことは置いといて。和紗と向き合ってると、どうにも悟がチラつくんだよなぁ」
パンダ君は言った。
「万が一和紗に怪我でもさせたら、悟がブチギレるんじゃないかってさ」
「しゃけー」
「そんな・・・」
そんなこと気にしないで、と言おうとしたら。
「あのバカ目隠しにビビってんのかよ。情けねぇ連中だな」
そう言いながら、真希ちゃんが槍をブンブンと振り回し構えた。
「私が相手になる。和紗さん、構えて」
「はいっ!」
と、私も構える。
それを見て、パンダ君と狗巻君が慌てて言った。
「いや、真希に和紗。槍対応の護身術はまだだよな?」
「高菜」
そんな時だった。
「おー。やってるねぇ」
五条さんが飄々とした様子でやって来た。
「五条さん」
「わざわざお迎えかよ」
と、私と真希ちゃんは構えを解いた。
「そりゃあ愛しのフィアンセをこんな僻地から一人で帰らせる訳にいかないでしょ」
「誰がフィアンセですか」
「・・・って!」
と突然、五条さんはグッと私に近づいてきて私の頬に触れた。
「どうしたの、この傷!?」
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