第22話 京都姉妹校交流会〜打ち上げ編〜
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そんな私の態度に、五条さんは首を傾げた。そして、
「もしかして、和紗に飲ませた?それはマズイでしょ〜、教員がいながら」
と、歌姫さん達に咎めるように言った。
なので、私は言った。
「違います。私が間違えてカルピスと思って飲んじゃったんです〜」
「ハイハイ、どっちでもいいけど。お酒はハタチになってから。今度からは気をつけてね。さ、帰るよ」
と、五条さんは私に手を差し伸べた。
「・・・・・・」
だけど、私はその手を取らず自分ひとりで立ち上がった。そして、
「今日はありがとうございました。とても楽しかったです。皆さんとお話出来て楽しかった」
とお礼を言ってから、部屋を後にした。
「フフフーン♪フフーン♪」
寮を出ると、夜がやって来ていて辺りはすっかり暗くなっていた。
呪術高専の敷地内独特の灯籠の灯りの中を、鼻歌を歌いながら歩いていく。
「ご機嫌だねぇ」
五条さんが、そんな私に声をかけた。
「よっぽど楽しかったんだね。それとも酔っ払ってる?」
「酔ってませんよーっだ」
と私は返事したけれど、
「っとと・・・」
足元がふらついて、危うく転びそうになった。
「やっぱり酔ってるじゃない。まったく・・・」
と溜め息を吐いてから、五条さんは背中を向けて私の前にしゃがみ込んだ。
「ほら、おんぶしてあげる」
「・・・・・・」
本当に酔ってなんかいない。
ただ、楽しくて楽しくて、はしゃぎ過ぎちゃっただけ。
・・・でも。
「・・・ありがとう、ございます」
私は五条さんの背中に寄りかかった。
そして、五条さんは私を背中におぶって歩き出した。
「でも、和紗って酒強くなかったっけ?ほら、間違えて赤ワイン一本分ぶち込んだカレー食べた時(第7話のおまけのおはなし)、僕と恵はベロベロになってたのに平気だったじゃない」
「・・・・・・」
本当に酔ってなんかいない。
でも、酔ったことにしておけば、こうして素直に甘えられる気がして。
「・・・・・・」
五条さんの高専時代の話を聞いて、胸がチクチクしてた。
自分から質問したくせに。
モテるとかそんなんじゃなくて、硝子さんや歌姫さん、冥さんが、私よりずっと五条さんのことを知ってることが、胸に痛かった。
そして、打ち上げの時に、五条さんが歌姫さんや硝子さんと一緒にいる姿を見ても、胸がモヤモヤした。
行き場のないチクチクとモヤモヤは、私を意固地にさせた。
五条さんは、何も悪くないのに。
(これがヤキモチなのかぁ。ヤダなぁ。カッコ悪いし、情けないし、みっともない・・・)
と、私は五条さんの肩に頬を埋めた。
───だから、未だに不思議なの。
どうして、私を選んでくれたんだろう。
五条さんのこと、知っている人、思っている人、ふさわしい人、私以外に沢山いるはずなのに。
「打ち上げの前に話したことだけどさ」
ふと五条さんが言った。
それで、私は我に返って顔を上げた。
「え・・・」
「もう忘れたの?別居婚の話」
「覚えてますけど・・・」
「あれ、真剣に考えたことだから」
「・・・・・・」
「あれでも、どうすればいいか真剣に考えたんだよ。なのに、皆、僕のこと自己中とか最低だとか言うんだよねぇ」
「・・・・・・」
「でも、自己中でも最低でも何でもいい」
「・・・・・・」
「だって僕は、どんな形でも和紗と人生を分かち合って生きていきたい」
そう言って、五条さんは肩越しに私の顔を見た。
「だから、これからどんなことが起きても、和紗がひとりで抱え込むことなんてないんだ」
「・・・・・・」
自己中で最低なのは、私の方だ。
「・・・悟さん」
私は両腕をそっと五条さんの首元に回した。
「好き・・・大好き」
「・・・・・・」
すると、五条さんは急に両手をダランと降ろし棒立ちになった。
なので、
「わぁっ!?」
私はお尻からストンと地面に落ちそうになる。が、
「あ、ゴメンゴメン」
「・・・・・・っ」
無下限呪術で寸でのところで免れた。
「いやー、ビックリしたー」
「ビックリしたのはこっちですよ・・・」
手を引かれて、ゆっくりと立ち上がる。
すると、五条さんは腰を屈めて私の顔を覗き込んだ。
「でも、素直に甘える和紗も可愛いね」
「・・・・・・」
私はひとつだけ決めていることがある。
『最強である五条悟に弱みが存在してはならぬのじゃ』
私せいで五条さんの身に危険が及ぶのなら、私は五条さんの前から身を引くことを。
だけど、私はもう五条さん以外の人とは恋は出来ないから。
だから。
「・・・・・・」
ゆっくりと、五条さんの唇が近づく。
私は待ちきれずに、精一杯背伸びして自分から唇を近づけた。
───だから、五条さんが他の誰かと人生を分かち合って生きていくことになっても。
どうか、私以外の人とは恋をしないでほしい。
本気で、そんなことを思った。
つづく
「もしかして、和紗に飲ませた?それはマズイでしょ〜、教員がいながら」
と、歌姫さん達に咎めるように言った。
なので、私は言った。
「違います。私が間違えてカルピスと思って飲んじゃったんです〜」
「ハイハイ、どっちでもいいけど。お酒はハタチになってから。今度からは気をつけてね。さ、帰るよ」
と、五条さんは私に手を差し伸べた。
「・・・・・・」
だけど、私はその手を取らず自分ひとりで立ち上がった。そして、
「今日はありがとうございました。とても楽しかったです。皆さんとお話出来て楽しかった」
とお礼を言ってから、部屋を後にした。
「フフフーン♪フフーン♪」
寮を出ると、夜がやって来ていて辺りはすっかり暗くなっていた。
呪術高専の敷地内独特の灯籠の灯りの中を、鼻歌を歌いながら歩いていく。
「ご機嫌だねぇ」
五条さんが、そんな私に声をかけた。
「よっぽど楽しかったんだね。それとも酔っ払ってる?」
「酔ってませんよーっだ」
と私は返事したけれど、
「っとと・・・」
足元がふらついて、危うく転びそうになった。
「やっぱり酔ってるじゃない。まったく・・・」
と溜め息を吐いてから、五条さんは背中を向けて私の前にしゃがみ込んだ。
「ほら、おんぶしてあげる」
「・・・・・・」
本当に酔ってなんかいない。
ただ、楽しくて楽しくて、はしゃぎ過ぎちゃっただけ。
・・・でも。
「・・・ありがとう、ございます」
私は五条さんの背中に寄りかかった。
そして、五条さんは私を背中におぶって歩き出した。
「でも、和紗って酒強くなかったっけ?ほら、間違えて赤ワイン一本分ぶち込んだカレー食べた時(第7話のおまけのおはなし)、僕と恵はベロベロになってたのに平気だったじゃない」
「・・・・・・」
本当に酔ってなんかいない。
でも、酔ったことにしておけば、こうして素直に甘えられる気がして。
「・・・・・・」
五条さんの高専時代の話を聞いて、胸がチクチクしてた。
自分から質問したくせに。
モテるとかそんなんじゃなくて、硝子さんや歌姫さん、冥さんが、私よりずっと五条さんのことを知ってることが、胸に痛かった。
そして、打ち上げの時に、五条さんが歌姫さんや硝子さんと一緒にいる姿を見ても、胸がモヤモヤした。
行き場のないチクチクとモヤモヤは、私を意固地にさせた。
五条さんは、何も悪くないのに。
(これがヤキモチなのかぁ。ヤダなぁ。カッコ悪いし、情けないし、みっともない・・・)
と、私は五条さんの肩に頬を埋めた。
───だから、未だに不思議なの。
どうして、私を選んでくれたんだろう。
五条さんのこと、知っている人、思っている人、ふさわしい人、私以外に沢山いるはずなのに。
「打ち上げの前に話したことだけどさ」
ふと五条さんが言った。
それで、私は我に返って顔を上げた。
「え・・・」
「もう忘れたの?別居婚の話」
「覚えてますけど・・・」
「あれ、真剣に考えたことだから」
「・・・・・・」
「あれでも、どうすればいいか真剣に考えたんだよ。なのに、皆、僕のこと自己中とか最低だとか言うんだよねぇ」
「・・・・・・」
「でも、自己中でも最低でも何でもいい」
「・・・・・・」
「だって僕は、どんな形でも和紗と人生を分かち合って生きていきたい」
そう言って、五条さんは肩越しに私の顔を見た。
「だから、これからどんなことが起きても、和紗がひとりで抱え込むことなんてないんだ」
「・・・・・・」
自己中で最低なのは、私の方だ。
「・・・悟さん」
私は両腕をそっと五条さんの首元に回した。
「好き・・・大好き」
「・・・・・・」
すると、五条さんは急に両手をダランと降ろし棒立ちになった。
なので、
「わぁっ!?」
私はお尻からストンと地面に落ちそうになる。が、
「あ、ゴメンゴメン」
「・・・・・・っ」
無下限呪術で寸でのところで免れた。
「いやー、ビックリしたー」
「ビックリしたのはこっちですよ・・・」
手を引かれて、ゆっくりと立ち上がる。
すると、五条さんは腰を屈めて私の顔を覗き込んだ。
「でも、素直に甘える和紗も可愛いね」
「・・・・・・」
私はひとつだけ決めていることがある。
『最強である五条悟に弱みが存在してはならぬのじゃ』
私せいで五条さんの身に危険が及ぶのなら、私は五条さんの前から身を引くことを。
だけど、私はもう五条さん以外の人とは恋は出来ないから。
だから。
「・・・・・・」
ゆっくりと、五条さんの唇が近づく。
私は待ちきれずに、精一杯背伸びして自分から唇を近づけた。
───だから、五条さんが他の誰かと人生を分かち合って生きていくことになっても。
どうか、私以外の人とは恋をしないでほしい。
本気で、そんなことを思った。
つづく
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