第22話 京都姉妹校交流会〜打ち上げ編〜
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(この声は・・・)
その聞き覚えのある声に、私は振り返った。
「猪野さん!」
そこには猪野さんがいた。
「うわぁ、めちゃくちゃ久しぶり!」
と、猪野さんは私たちの元へ駆けつけた。
「でも、和紗ちゃんが高専にいるってどうしたの?」
「姉妹校交流会の打ち上げに招かれたんです」
「そうなんだ?でも、どうして?和紗ちゃん高専生じゃないのに・・・」
「そ、それは・・・」
「五条さんの婚約者としてお招きされたんです」
と、私の前に伊地知さんが答えてしまった。
すると猪野さんは、
「え?」
と言ったきりフリーズしてしまった。
【*猪野は和紗に惚れています(第8話参照)】
「ご、誤解なんです!」
私は慌てて言った。
「その誤解を説明するために来たんです!」
「・・・・・・」
しかし、猪野さんは呆然として聞いていない。
すると今度は、伊地知さんが困惑したように言った。
「え?誤解なんですか?五条さん高専の人たちに言い回ってましたけれど・・・」
「え!?」
またそんな勝手に!?
怒りを通り越して呆れて溜息を吐いていると。
カキィーーーン
快音が響いて聞こえてきて、ハッと私達は顔を上げた。
打ち上げられた白球が青い空に高く高く舞い上がっていく。
そして、そのまま場外ホームランとなった。
打ったのは、悠仁君だった。
「「おおっ」」
「わぁっ」
と、伊地知さんと猪野さん、そして私は歓声を上げた。
その悠仁君のツーランホームランが決定打となり、2対0で東京校の勝利で今年度の姉妹校交流会は終了した。
試合終了後、着替えの時間を挟んで打ち上げパーティーは開かれることになった。
私は伊地知さんに皆より一足先に会場に案内された。
パーティーは立食のビュッフェスタイルで、和洋中の美味しそうな料理の数々が既に用意されている。
「もうすぐ皆さんも来るので待っててくださいね」
と、伊地知さんは他の仕事があるからと立ち去って行った。
広い会場でひとりになって(猪野さんは任務があるからと行ってしまった)、私はどことなく落ち着かない気持ちで皆を待った。
するとしばらくして、
「和紗〜!」
と、五条さんがやって来た。
「野球観てた?見事だったでしょ、我が東京校の勝利」
「はい。おめでとうございます」
「これで2年連続東京校の勝利だよ。これも教師が優秀だからかな。お、美味そ〜」
「五条さん」
と、料理をつまみ食いしようとする五条さんの手を制してから、
「あの、打ち上げの前にお話が」
と、私は言った。
すると、五条さんは手を引っ込めて小首を傾げた。
「何、どしたの」
「あの、婚約云々のことなんですけど、ちゃんと皆さんの前で取り消して下さい!」
「なんで?」
「なんでって・・・そもそもプロポーズもされてないんですけど」
「えっ、したじゃない。神戸のホテルで」
「あ、あれは、私に喝を入れるための、あの場限りの言葉なんじゃ!?」
「んーなワケないでしょ。そんなことだけで僕あんなこと言わないよ」
「で、でも・・・!」
私は言った。
「私は、糠田が森で『つるぎ庵』を開いて村の皆を護る役目があるし、五条さんには五条家当主の務めが。だから・・・」
だから、ずっと一緒にはいられない。
だからこそ、一緒にいられる今を精一杯大切にしようって、そう思ってるのに。
必死に、そう思おうとしているのに。
それなのに、五条さんは飄々とした口調で言った。
「そのことに関してね、僕、いい考えが浮かんだの」
「え・・・」
「野球で例えるなら、二死満塁3点ビハインド4番初球逆転満塁打ってところだねぇ」
「・・・は?」
「どんな考えか聞きたい?」
と、五条さんはニヤリと笑った。
その聞き覚えのある声に、私は振り返った。
「猪野さん!」
そこには猪野さんがいた。
「うわぁ、めちゃくちゃ久しぶり!」
と、猪野さんは私たちの元へ駆けつけた。
「でも、和紗ちゃんが高専にいるってどうしたの?」
「姉妹校交流会の打ち上げに招かれたんです」
「そうなんだ?でも、どうして?和紗ちゃん高専生じゃないのに・・・」
「そ、それは・・・」
「五条さんの婚約者としてお招きされたんです」
と、私の前に伊地知さんが答えてしまった。
すると猪野さんは、
「え?」
と言ったきりフリーズしてしまった。
【*猪野は和紗に惚れています(第8話参照)】
「ご、誤解なんです!」
私は慌てて言った。
「その誤解を説明するために来たんです!」
「・・・・・・」
しかし、猪野さんは呆然として聞いていない。
すると今度は、伊地知さんが困惑したように言った。
「え?誤解なんですか?五条さん高専の人たちに言い回ってましたけれど・・・」
「え!?」
またそんな勝手に!?
怒りを通り越して呆れて溜息を吐いていると。
カキィーーーン
快音が響いて聞こえてきて、ハッと私達は顔を上げた。
打ち上げられた白球が青い空に高く高く舞い上がっていく。
そして、そのまま場外ホームランとなった。
打ったのは、悠仁君だった。
「「おおっ」」
「わぁっ」
と、伊地知さんと猪野さん、そして私は歓声を上げた。
その悠仁君のツーランホームランが決定打となり、2対0で東京校の勝利で今年度の姉妹校交流会は終了した。
試合終了後、着替えの時間を挟んで打ち上げパーティーは開かれることになった。
私は伊地知さんに皆より一足先に会場に案内された。
パーティーは立食のビュッフェスタイルで、和洋中の美味しそうな料理の数々が既に用意されている。
「もうすぐ皆さんも来るので待っててくださいね」
と、伊地知さんは他の仕事があるからと立ち去って行った。
広い会場でひとりになって(猪野さんは任務があるからと行ってしまった)、私はどことなく落ち着かない気持ちで皆を待った。
するとしばらくして、
「和紗〜!」
と、五条さんがやって来た。
「野球観てた?見事だったでしょ、我が東京校の勝利」
「はい。おめでとうございます」
「これで2年連続東京校の勝利だよ。これも教師が優秀だからかな。お、美味そ〜」
「五条さん」
と、料理をつまみ食いしようとする五条さんの手を制してから、
「あの、打ち上げの前にお話が」
と、私は言った。
すると、五条さんは手を引っ込めて小首を傾げた。
「何、どしたの」
「あの、婚約云々のことなんですけど、ちゃんと皆さんの前で取り消して下さい!」
「なんで?」
「なんでって・・・そもそもプロポーズもされてないんですけど」
「えっ、したじゃない。神戸のホテルで」
「あ、あれは、私に喝を入れるための、あの場限りの言葉なんじゃ!?」
「んーなワケないでしょ。そんなことだけで僕あんなこと言わないよ」
「で、でも・・・!」
私は言った。
「私は、糠田が森で『つるぎ庵』を開いて村の皆を護る役目があるし、五条さんには五条家当主の務めが。だから・・・」
だから、ずっと一緒にはいられない。
だからこそ、一緒にいられる今を精一杯大切にしようって、そう思ってるのに。
必死に、そう思おうとしているのに。
それなのに、五条さんは飄々とした口調で言った。
「そのことに関してね、僕、いい考えが浮かんだの」
「え・・・」
「野球で例えるなら、二死満塁3点ビハインド4番初球逆転満塁打ってところだねぇ」
「・・・は?」
「どんな考えか聞きたい?」
と、五条さんはニヤリと笑った。