第22話 京都姉妹校交流会〜打ち上げ編〜
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(ああっ)
医務室の険悪な雰囲気にハラハラしていたら、
「ったく、あんなドンパチやり合った後で元気なもんだな」
と、硝子さんが溜息を吐いた。
「私は地下の解剖室に行くよ。被害者の遺体が回収されたそうだ。和紗はこのまま怪我人の経過観察頼むよ」
「あ、はい」
硝子さんも医務室を後にして、人数が減って少し静かになった部屋で私は椅子に座り込んだ。
「・・・私、来ない方がよかったのかな」
と呟くと、悠仁君がすぐに反応した。
「なんで?そう思うの?」
「大して役に立ってない気がするし、場の雰囲気も乱してる気がするし・・・」
「そんなことねぇよ」
「んー、でも・・・」
真希さんや加茂君みたいな重傷者は、硝子さんがササッと治しちゃったし。
とりあえず、スランプは抜け出したから良かったけれど。
「・・・私、もっと強くなりたい」
ひとりでに、そんな言葉が溢れ出ていた。
───この時、私は気づいていなかった。
「真人ーっ♡」
───あの糠田が森で遭遇した、女型の呪霊が高専襲撃に来ていたことを。
「奇子」
「もう帰っちゃうの?」
「ああ。もう目的は果たしたからね」
「えーっ。つまんない!私、もっと暴れたい!せっかく領域のコツ掴めてきたのになぁ」
「領域って・・・」
───そして、着実にその脅威を増していることを。
「その地面に転がってる術師、君の仕業なの?」
「うん、そう!」
「ただ眠っているだけにみえるんだけど?」
「これが私の領域の必中効果なの」
───やがて、再び合いまみえることを。
「記憶と願望の波間に揺られて、夢を見る。その心地良さに被呪者は自ら目覚めるのを拒む・・・この世で一番優しい呪いだよ」
2級術師3名。
準1級術師1名。
補助監督5名。
忌庫番2名。
時間の経過と共に、人的なものも含めた甚大な被害が明らかになって、姉妹校交流会は中断となった。
そのまま交流会2日目は中止になるものと思っていたら、
「野球ですか?」
翌々日の朝、電話で硝子さんから交流会再開の連絡が入った。
「そっ。で、その後打ち上げもあるの。和紗もおいでよ」
「でも、部外者の私が・・・」
「もう部外者じゃないだろ。それに、夜蛾学長が和紗を呼ぶように言ったんだよ」
「え?」
夜蛾学長が?どうして?
戸惑っていたら、硝子さんが言った。
「和紗が五条の婚約者ってなら、将来的には五条家の人間として高専と関わりを持つことになるだろうから、生徒たちとも交流を持てるようにって」
「なっ!?」
(何か話が勝手に進展してるんですけど!?)
「ま、気が向いたら来てよ。電話くれたらまた伊地知を迎えに寄越す・・・」
「行きます!」
私は即答した。
是非参加したいという訳ではなく、婚約者だということを否定しなくてはという一心だった。
こうして、私は再び呪術高専に向かった。
高専に到着すると、本当に皆野球をやっていた。
「かっ飛ばせー!虎杖ーっ」
しかも、結構白熱している。
その様子をグラウンドの片隅で私と伊地知さんは眺めている。
「どうして野球なんですか?確か2日目は個人戦だったんじゃ」
という私の疑問に、伊地知さんが答える。
「五条さんの提案だそうです」
「え?」
「なんでもルーティンが嫌だとかで・・・」
相変わらず好き勝手にやってるなぁ。
でも。
「・・・みんな、すごく楽しそう」
みんなの顔がキラキラしてる。
呪術師ではなく、年相応の少年少女の笑顔だ。
「みんなすごく良い顔してる」
「そうですねぇ」
と、伊地知さんも目を細める。
するとそこへ、
「あれ?和紗ちゃん?」
と、呼びかけられた。
医務室の険悪な雰囲気にハラハラしていたら、
「ったく、あんなドンパチやり合った後で元気なもんだな」
と、硝子さんが溜息を吐いた。
「私は地下の解剖室に行くよ。被害者の遺体が回収されたそうだ。和紗はこのまま怪我人の経過観察頼むよ」
「あ、はい」
硝子さんも医務室を後にして、人数が減って少し静かになった部屋で私は椅子に座り込んだ。
「・・・私、来ない方がよかったのかな」
と呟くと、悠仁君がすぐに反応した。
「なんで?そう思うの?」
「大して役に立ってない気がするし、場の雰囲気も乱してる気がするし・・・」
「そんなことねぇよ」
「んー、でも・・・」
真希さんや加茂君みたいな重傷者は、硝子さんがササッと治しちゃったし。
とりあえず、スランプは抜け出したから良かったけれど。
「・・・私、もっと強くなりたい」
ひとりでに、そんな言葉が溢れ出ていた。
───この時、私は気づいていなかった。
「真人ーっ♡」
───あの糠田が森で遭遇した、女型の呪霊が高専襲撃に来ていたことを。
「奇子」
「もう帰っちゃうの?」
「ああ。もう目的は果たしたからね」
「えーっ。つまんない!私、もっと暴れたい!せっかく領域のコツ掴めてきたのになぁ」
「領域って・・・」
───そして、着実にその脅威を増していることを。
「その地面に転がってる術師、君の仕業なの?」
「うん、そう!」
「ただ眠っているだけにみえるんだけど?」
「これが私の領域の必中効果なの」
───やがて、再び合いまみえることを。
「記憶と願望の波間に揺られて、夢を見る。その心地良さに被呪者は自ら目覚めるのを拒む・・・この世で一番優しい呪いだよ」
2級術師3名。
準1級術師1名。
補助監督5名。
忌庫番2名。
時間の経過と共に、人的なものも含めた甚大な被害が明らかになって、姉妹校交流会は中断となった。
そのまま交流会2日目は中止になるものと思っていたら、
「野球ですか?」
翌々日の朝、電話で硝子さんから交流会再開の連絡が入った。
「そっ。で、その後打ち上げもあるの。和紗もおいでよ」
「でも、部外者の私が・・・」
「もう部外者じゃないだろ。それに、夜蛾学長が和紗を呼ぶように言ったんだよ」
「え?」
夜蛾学長が?どうして?
戸惑っていたら、硝子さんが言った。
「和紗が五条の婚約者ってなら、将来的には五条家の人間として高専と関わりを持つことになるだろうから、生徒たちとも交流を持てるようにって」
「なっ!?」
(何か話が勝手に進展してるんですけど!?)
「ま、気が向いたら来てよ。電話くれたらまた伊地知を迎えに寄越す・・・」
「行きます!」
私は即答した。
是非参加したいという訳ではなく、婚約者だということを否定しなくてはという一心だった。
こうして、私は再び呪術高専に向かった。
高専に到着すると、本当に皆野球をやっていた。
「かっ飛ばせー!虎杖ーっ」
しかも、結構白熱している。
その様子をグラウンドの片隅で私と伊地知さんは眺めている。
「どうして野球なんですか?確か2日目は個人戦だったんじゃ」
という私の疑問に、伊地知さんが答える。
「五条さんの提案だそうです」
「え?」
「なんでもルーティンが嫌だとかで・・・」
相変わらず好き勝手にやってるなぁ。
でも。
「・・・みんな、すごく楽しそう」
みんなの顔がキラキラしてる。
呪術師ではなく、年相応の少年少女の笑顔だ。
「みんなすごく良い顔してる」
「そうですねぇ」
と、伊地知さんも目を細める。
するとそこへ、
「あれ?和紗ちゃん?」
と、呼びかけられた。