第22話 京都姉妹校交流会〜打ち上げ編〜
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(被害状況・・・そうか、学生の皆は無事でも他の人たちが・・・)
にわかに緊張感が戻ってきて、私はキュッと両手を握った。
するとその時、
「和紗さ〜ん」
「わっ!?」
野薔薇ちゃんが体当たりするように抱きついてきた。
「私、あれこれ口出ししてごめんなさい〜。まさか和紗さんがあのバ・・・五条先生のことをそんなにも思ってたなんて知らなくて〜」
「(バ・・・?バカって言おうとした?)う、ううん。別にそんな謝らなくていいよ」
「でも、私は和紗さんには、顔は多少ブサイクでも健康で、性格は地味でも誠実で、高給取りでなくても安定した職に就いてるような堅実な相手と幸せになって欲しかったのにぃ〜。五条先生 相手じゃ、和紗さんが苦労してるとこしか想像出来ない〜」
「・・・・・・」
五条さんって、ほとほとロクなイメージないんだな、と内心苦笑いしていたら、
「オマエは和紗の親か」
と、パンダ君が野薔薇ちゃんの頭にツッコミのチョップを入れた。
「そんなことより、和紗。さっきは真希が失礼な態度取って悪かったな」
「え・・・」
「ま、あれは和紗にっていうより、悟に対して苛立ってただけだから」
「・・・ううん」
私は首を横に振った。
「私も悪かったと思うから」
「・・・・・・」
すると、パンダ君はフッと微笑んだ。
そして、言葉を続けた。
「真希はさ、御三家のひとつ禪院っていう名家の出でさ」
「御三家?」
「ああ、御三家のことは知ってるだろ?五条家もそのひとつだし」
「うん・・・」
「で、話は真希のことに戻るけど。ほとんど呪力の無い真希は、その禪院家では酷く冷遇されてきたんだ」
「え・・・」
「禪院ってのは、『禪院家に非ずんば呪術師に非ず。呪術師に非ずんば人に非ず』って堂々とのたまうトンデモ家系でねぇ。呪力無き者は、禪院家では一生冷遇されたまま下働きに扱き使われて過ごす。だが、真希はそんな運命を良しとしなかった。強くなって、自分が禪院家当主になる。そう啖呵切って家を出て、呪術高専にやって来たんだ」
「そうだったの・・・」
「だから、真希は少し肩肘張ったところがあってな。皮肉も言うが、悪いヤツじゃないんだ」
「うん、大丈夫」
私は頷き言った。
「私も少しだけ真希さんの気持ちわかるから」
私もそうだった。
『つるぎ庵』の再建案が出た時、若いからとか女だからだとか言われてまともに取り合ってもらえず、何も出来なかったから。
「・・・ってことは」
ふと思い当たって、私は真依ちゃんの方を振り向いた。
「真依ちゃんも真希さんを追いかけて高専に来たの?」
「なんで私のことはちゃん付けで、アイツのことはさん付けなのよ」
と、真依ちゃんはキッと私を睨んだ。
「あ、そういえば。なんか真希さんって姉御肌だなぁーって思ってつい」
「フンッ。態度がデカイだけよ」
真依ちゃんは言った。
「それに、別に私はアイツを追いかけてきたワケじゃ無いわよ」
「じゃあ何でなんだー?」
「うるさい!このおしゃべりパンダ!」
「おー、怖」
真依ちゃんはパンダ君を睨みつけた後、私に向かって言った。
「・・・強くなろうだなんて馬鹿げてるわよ。そもそも呪力もないのに。それに比べて、アナタは賢い生き方を選んだわよね。なんてったって、あの五条悟の婚約者だもの」
「・・・・・・」
「強い殿方に護られて囲われて生きる。女にとってそれが正解なのよ」
「・・・・・・」
護られる。
その言葉は、胸に刺さってモヤモヤさせた。
(・・・っていうか)
「違うから!!私は婚約者なんかじゃ・・・」
「男に護られて囲われて生きるー?オマエ、何時代に生きてるんだよ。古臭ぇ考えしてるなぁ!?」
慌てて否定する私の声に、野薔薇ちゃんの言葉が被った。
「それに和紗さんをみくびるんじゃねぇよ。和紗さんは、ただ護られてるだけのそんな柔な人間じゃないんだよ!」
「野薔薇ちゃん・・・」
と、私は野薔薇ちゃんを諌めるけれど、
「・・・うっざ」
と、真依ちゃんは野薔薇ちゃんを無視して医務室を出て行ってしまった。
「待ってよ、真依ちゃん〜」
それを桃ちゃんが追いかける。
にわかに緊張感が戻ってきて、私はキュッと両手を握った。
するとその時、
「和紗さ〜ん」
「わっ!?」
野薔薇ちゃんが体当たりするように抱きついてきた。
「私、あれこれ口出ししてごめんなさい〜。まさか和紗さんがあのバ・・・五条先生のことをそんなにも思ってたなんて知らなくて〜」
「(バ・・・?バカって言おうとした?)う、ううん。別にそんな謝らなくていいよ」
「でも、私は和紗さんには、顔は多少ブサイクでも健康で、性格は地味でも誠実で、高給取りでなくても安定した職に就いてるような堅実な相手と幸せになって欲しかったのにぃ〜。
「・・・・・・」
五条さんって、ほとほとロクなイメージないんだな、と内心苦笑いしていたら、
「オマエは和紗の親か」
と、パンダ君が野薔薇ちゃんの頭にツッコミのチョップを入れた。
「そんなことより、和紗。さっきは真希が失礼な態度取って悪かったな」
「え・・・」
「ま、あれは和紗にっていうより、悟に対して苛立ってただけだから」
「・・・ううん」
私は首を横に振った。
「私も悪かったと思うから」
「・・・・・・」
すると、パンダ君はフッと微笑んだ。
そして、言葉を続けた。
「真希はさ、御三家のひとつ禪院っていう名家の出でさ」
「御三家?」
「ああ、御三家のことは知ってるだろ?五条家もそのひとつだし」
「うん・・・」
「で、話は真希のことに戻るけど。ほとんど呪力の無い真希は、その禪院家では酷く冷遇されてきたんだ」
「え・・・」
「禪院ってのは、『禪院家に非ずんば呪術師に非ず。呪術師に非ずんば人に非ず』って堂々とのたまうトンデモ家系でねぇ。呪力無き者は、禪院家では一生冷遇されたまま下働きに扱き使われて過ごす。だが、真希はそんな運命を良しとしなかった。強くなって、自分が禪院家当主になる。そう啖呵切って家を出て、呪術高専にやって来たんだ」
「そうだったの・・・」
「だから、真希は少し肩肘張ったところがあってな。皮肉も言うが、悪いヤツじゃないんだ」
「うん、大丈夫」
私は頷き言った。
「私も少しだけ真希さんの気持ちわかるから」
私もそうだった。
『つるぎ庵』の再建案が出た時、若いからとか女だからだとか言われてまともに取り合ってもらえず、何も出来なかったから。
「・・・ってことは」
ふと思い当たって、私は真依ちゃんの方を振り向いた。
「真依ちゃんも真希さんを追いかけて高専に来たの?」
「なんで私のことはちゃん付けで、アイツのことはさん付けなのよ」
と、真依ちゃんはキッと私を睨んだ。
「あ、そういえば。なんか真希さんって姉御肌だなぁーって思ってつい」
「フンッ。態度がデカイだけよ」
真依ちゃんは言った。
「それに、別に私はアイツを追いかけてきたワケじゃ無いわよ」
「じゃあ何でなんだー?」
「うるさい!このおしゃべりパンダ!」
「おー、怖」
真依ちゃんはパンダ君を睨みつけた後、私に向かって言った。
「・・・強くなろうだなんて馬鹿げてるわよ。そもそも呪力もないのに。それに比べて、アナタは賢い生き方を選んだわよね。なんてったって、あの五条悟の婚約者だもの」
「・・・・・・」
「強い殿方に護られて囲われて生きる。女にとってそれが正解なのよ」
「・・・・・・」
護られる。
その言葉は、胸に刺さってモヤモヤさせた。
(・・・っていうか)
「違うから!!私は婚約者なんかじゃ・・・」
「男に護られて囲われて生きるー?オマエ、何時代に生きてるんだよ。古臭ぇ考えしてるなぁ!?」
慌てて否定する私の声に、野薔薇ちゃんの言葉が被った。
「それに和紗さんをみくびるんじゃねぇよ。和紗さんは、ただ護られてるだけのそんな柔な人間じゃないんだよ!」
「野薔薇ちゃん・・・」
と、私は野薔薇ちゃんを諌めるけれど、
「・・・うっざ」
と、真依ちゃんは野薔薇ちゃんを無視して医務室を出て行ってしまった。
「待ってよ、真依ちゃん〜」
それを桃ちゃんが追いかける。