第21話 京都姉妹校交流会
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「アンタは京都校の・・・」
桃ちゃんの顔を見て、硝子さんは言った。
桃ちゃんは倒れ込んだ態勢のまま、顔を上げて硝子さんに言った。
「西宮桃です!私は負傷してません。でも、この二人が・・・」
それを聞いて私は、まず桃ちゃんの背中に覆いかぶさっているマッシュルームヘアの男の子を引き離した。
そして、彼の腕を自分の肩に回して引き起こし、何とかベッドに横たわらせた。
「・・・・・・」
私は改めて男の子の顔を見た。
男の子はグッタリとして目を閉じたままだ。
その口の端には、不思議な文様が描かれている。
「コイツは東京校の二年生、狗巻棘だ」
硝子さんはそう言いながら、狗巻君の喉元に何かを確認するように手を当てた。
「喉をやられている。おそらく呪言の影響だろう。和紗は彼に『反転術式』を」
「え・・・」
『反転術式』で治療の手助けをする。
そのために来たってわかっているのに、いざその時になると出来るのか不安になる。
「・・・・・・」
私は、そっと狗巻君の喉に手を添えた。
狗巻君の唇からは、ヒューヒューと弱弱しい呼吸が微かに漏れ聞こえてくる。
(早く助けなくちゃ)
目を閉じて集中する。
だけど、気持ちばかりが先走って呪力の流れが乱れているのが自分でもわかる。
そんな時だった。
「『反転術式』は頭を中心に廻せ」
と、唐突に硝子さんが言った。
「・・・え?」
思わず、私は手を引っ込めて硝子さんの方を振り返った。
「頭を中心に呪力を廻すんだよ」
硝子さんはもう一度言った。
「和紗は呪力を掛け合わせることを意識しすぎていて、呪力を流せてない。もっと廻すことを意識して。そうすれば、呪力は勝手に流れていくから」
「・・・・・・」
相変わらず、超感覚的解説!
(・・・でも)
掛け合わせることを意識し過ぎているっていうのはわかる気がする。
(・・・廻れ)
私はもう一度手を狗巻君の喉に添えて、目を閉じて集中した。
(廻れ廻れ、私の中の呪力・・・正の力・・・!)
私の頭の中で呪力が廻る。
手に呪力が乗る。
正の力が、手から流れていく。
「・・・っ」
すると、狗巻君はピクリと意識を取り戻し薄っすらと目を開いた。
視線が合って、
「大丈夫ですか?」
と、私は呼びかけた。
すると狗巻君は、
「・・・しゃけ」
と、小さく応えた。
(しゃけ?今しゃけって言った??)
と、頭の中が「?」でいっぱいになりながら首を傾げていると、
「へぇ。あなた、『反転術式』の使い手だったんだ」
と、桃ちゃんに声を掛けられて私は振り返った。
すると、桃ちゃんが私の顔をジッと見つめていた。
「あなた、一度会ったことあるよね」
「はい。京都の閉鎖された団地で」
「そうそう。そっか、東京校の関係者だったんだ」
本当はそういうわけでもないんだけど。
・・・いや、最早私も関係者になるのかな?
「鶴來和紗です」
とりあえず、名前を名乗った。
「西宮桃。京都校三年。よろしくね」
と、桃ちゃんは私にウィンクした。
「一体何があった?」
袴の男の子を治療しながら、硝子さんが桃ちゃんに尋ねた。
すると、桃ちゃんは真顔に戻り硝子さんの質問に答えた。
「突然、呪霊が侵入して攻撃したんです。しかも特級とみられる呪霊が」
それを聞いて、硝子さんは眉をひそめた。
「特級呪霊?それなら何故結界は・・・」
「それは・・・」
「・・・呪霊は呪霊でも、ヤツの雰囲気は少し異質だった」
と、答えあぐねる桃ちゃんの言葉を受けて答えたのは。
「加茂君」
意識を取り戻した袴姿の男の子だった。
加茂君は、ゆっくりと身体を起こしながら言葉を続けた。
「相対した時、感じた。ヤツの雰囲気は呪霊というより精霊といったものに近かった」
それを聞いて、硝子さんはひとり頷いていた。
「なるほど。それで結界がバグを起こして反応しなかったってわけか」
桃ちゃんの顔を見て、硝子さんは言った。
桃ちゃんは倒れ込んだ態勢のまま、顔を上げて硝子さんに言った。
「西宮桃です!私は負傷してません。でも、この二人が・・・」
それを聞いて私は、まず桃ちゃんの背中に覆いかぶさっているマッシュルームヘアの男の子を引き離した。
そして、彼の腕を自分の肩に回して引き起こし、何とかベッドに横たわらせた。
「・・・・・・」
私は改めて男の子の顔を見た。
男の子はグッタリとして目を閉じたままだ。
その口の端には、不思議な文様が描かれている。
「コイツは東京校の二年生、狗巻棘だ」
硝子さんはそう言いながら、狗巻君の喉元に何かを確認するように手を当てた。
「喉をやられている。おそらく呪言の影響だろう。和紗は彼に『反転術式』を」
「え・・・」
『反転術式』で治療の手助けをする。
そのために来たってわかっているのに、いざその時になると出来るのか不安になる。
「・・・・・・」
私は、そっと狗巻君の喉に手を添えた。
狗巻君の唇からは、ヒューヒューと弱弱しい呼吸が微かに漏れ聞こえてくる。
(早く助けなくちゃ)
目を閉じて集中する。
だけど、気持ちばかりが先走って呪力の流れが乱れているのが自分でもわかる。
そんな時だった。
「『反転術式』は頭を中心に廻せ」
と、唐突に硝子さんが言った。
「・・・え?」
思わず、私は手を引っ込めて硝子さんの方を振り返った。
「頭を中心に呪力を廻すんだよ」
硝子さんはもう一度言った。
「和紗は呪力を掛け合わせることを意識しすぎていて、呪力を流せてない。もっと廻すことを意識して。そうすれば、呪力は勝手に流れていくから」
「・・・・・・」
相変わらず、超感覚的解説!
(・・・でも)
掛け合わせることを意識し過ぎているっていうのはわかる気がする。
(・・・廻れ)
私はもう一度手を狗巻君の喉に添えて、目を閉じて集中した。
(廻れ廻れ、私の中の呪力・・・正の力・・・!)
私の頭の中で呪力が廻る。
手に呪力が乗る。
正の力が、手から流れていく。
「・・・っ」
すると、狗巻君はピクリと意識を取り戻し薄っすらと目を開いた。
視線が合って、
「大丈夫ですか?」
と、私は呼びかけた。
すると狗巻君は、
「・・・しゃけ」
と、小さく応えた。
(しゃけ?今しゃけって言った??)
と、頭の中が「?」でいっぱいになりながら首を傾げていると、
「へぇ。あなた、『反転術式』の使い手だったんだ」
と、桃ちゃんに声を掛けられて私は振り返った。
すると、桃ちゃんが私の顔をジッと見つめていた。
「あなた、一度会ったことあるよね」
「はい。京都の閉鎖された団地で」
「そうそう。そっか、東京校の関係者だったんだ」
本当はそういうわけでもないんだけど。
・・・いや、最早私も関係者になるのかな?
「鶴來和紗です」
とりあえず、名前を名乗った。
「西宮桃。京都校三年。よろしくね」
と、桃ちゃんは私にウィンクした。
「一体何があった?」
袴の男の子を治療しながら、硝子さんが桃ちゃんに尋ねた。
すると、桃ちゃんは真顔に戻り硝子さんの質問に答えた。
「突然、呪霊が侵入して攻撃したんです。しかも特級とみられる呪霊が」
それを聞いて、硝子さんは眉をひそめた。
「特級呪霊?それなら何故結界は・・・」
「それは・・・」
「・・・呪霊は呪霊でも、ヤツの雰囲気は少し異質だった」
と、答えあぐねる桃ちゃんの言葉を受けて答えたのは。
「加茂君」
意識を取り戻した袴姿の男の子だった。
加茂君は、ゆっくりと身体を起こしながら言葉を続けた。
「相対した時、感じた。ヤツの雰囲気は呪霊というより精霊といったものに近かった」
それを聞いて、硝子さんはひとり頷いていた。
「なるほど。それで結界がバグを起こして反応しなかったってわけか」