第21話 京都姉妹校交流会
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「相変わらずおちょくられてるな、歌姫先輩は」
と、硝子さんは放送を聞きながらクスクス笑って言った。
そんな硝子さんに私は尋ねた。
「交流会が呪術合戦っていうのは聞いたんですけど、具体的には何をするんですか?」
「2日間にかけて行われるんだけど、1日目の今日は団体戦。名付けてチキチキ呪霊討伐猛レース」
「・・・結構ふざけてるんですね、チキチキって」
「でも、内容はガチだよ。指定された区画内に放たれた二級呪霊を先に祓ったチームの勝ち。区画内には三級以下の呪霊も複数放たれていて、日没までに決着がつかなければ討伐数が多い方が勝ちってワケ」
「なるほど。では、2日目は?」
「個人戦。今年に限っては、2日目の方が怪我人が多いかもね」
「そうなんですか」
しかし、そんな硝子さんの予想に反して、時折外からは激しい破壊音が聴聞こえてきた。
「えらく派手にやってるな」
「・・・ですね」
それでも硝子さんと私はお茶しながら、のんびりと怪我人が来るを待っていたのだが、
ドドドドド・・・・
突如外の空気の異変を感じ、硝子さんと私に緊張感が走った。
慌てて窓から外を見てみると、『帳』が降りてくるのが見えた。
「『帳』!?」
私は、今まさに『帳』が降ろされていく方角を見上げながら言った。
「これって、生徒の誰かが?それとも・・・」
「いや、違うと思う。交流会で『帳』を降ろす意味がない」
硝子さんも『帳』を見ながら言った。
「しかもあの方角は、まさに討伐レースが行われてる区画内だ」
「それって、生徒の皆が閉じ込められるってことですか・・・?」
「それはわからない。『帳』がどういう効果なのかによる」
「・・・・・・」
私は駆け出して、医務室を出ようとした。
しかし、それを硝子さんが引き留めた。
「和紗、何処へ行くつもり?」
「『帳』の方へ。まだ降り切らないうちに中に入れば・・・」
「そんなことしてどうする」
「もし『帳』の中に怪我人がいたら・・・」
「『帳』に入って私たちが出られなくなったらどうするつもりだ?それで、『帳』の外の怪我人が、『帳』を出た怪我人が、回復役 を頼ってここに来た時、私たちがいなければ困るだろう」
「でも・・・」
「回復役が真っ先にやるべきなのは、自身の安全確保」
硝子さんが珍しく強い語気で言った。
「危険がある場所へは自らは踏み込まない。指示があるまでは、安全な場所で待機する。何故だかわかるか?」
「・・・・・・」
「回復役 が、真っ先に倒されるわけにはいかない。真っ先に倒れては、誰も救えないからだ」
そう言われて、私はグッと両手を握りしめてその場に踏みとどまった。
硝子さんは、今度は柔らかい口調で諫めるように言った。
「大丈夫。『帳』の目的が何であれ、あのガキどもが簡単にやられたりしないさ。それに、五条や他にも教員がいるんだし」
「・・・はい」
硝子さんの言わんとすることは、理解したし納得した。
だけど、どうにも落ち着かない。
さっきよりも激しい破壊音が聞こえ、時々、医務室にまで地響きが伝わってきた。
(一体、何が起きてるの・・・?)
時間が過ぎるほど、不安は大きくなる。
それでも、いずれ来るであろう負傷者をすぐに迎え入れるため、私と硝子さんは準備を進めた。
そんな中、ふと窓に目を遣ると。
「!」
フラフラと空飛ぶ何かが見えて、私は慌てて窓の方へ駆け寄った。
そして、窓を大きく開けてその空飛ぶ何かに向かって手を振った。
すると、その空飛ぶ何かは私の方へ近付いてきて、そのまま窓から飛び込んできた。
そして、力尽きたように床の上に不時着した。
「いたたた・・・」
空飛ぶ何かとは、ホウキに乗った女の子だった。
その女の子は、京都の私が昔住んでいた団地の跡で出会った(第15話)女の子だった。
(確か、桃ちゃんっていったっけ)
飛び込んできたのは、桃ちゃんだけではない。
小柄な桃ちゃんの背中に背負われるように気絶しているマッシュルームヘアの男の子と。
そして、ホウキに干されるような体制で乗っけられた袴姿の男の子も一緒だった。
この袴の男の子も、あの時桃ちゃん達と一緒に居た人だ。
しかし、彼もやはり気を失っていてグッタリしている。
どうやら、桃ちゃんが彼らを運んで来たらしい。
と、硝子さんは放送を聞きながらクスクス笑って言った。
そんな硝子さんに私は尋ねた。
「交流会が呪術合戦っていうのは聞いたんですけど、具体的には何をするんですか?」
「2日間にかけて行われるんだけど、1日目の今日は団体戦。名付けてチキチキ呪霊討伐猛レース」
「・・・結構ふざけてるんですね、チキチキって」
「でも、内容はガチだよ。指定された区画内に放たれた二級呪霊を先に祓ったチームの勝ち。区画内には三級以下の呪霊も複数放たれていて、日没までに決着がつかなければ討伐数が多い方が勝ちってワケ」
「なるほど。では、2日目は?」
「個人戦。今年に限っては、2日目の方が怪我人が多いかもね」
「そうなんですか」
しかし、そんな硝子さんの予想に反して、時折外からは激しい破壊音が聴聞こえてきた。
「えらく派手にやってるな」
「・・・ですね」
それでも硝子さんと私はお茶しながら、のんびりと怪我人が来るを待っていたのだが、
ドドドドド・・・・
突如外の空気の異変を感じ、硝子さんと私に緊張感が走った。
慌てて窓から外を見てみると、『帳』が降りてくるのが見えた。
「『帳』!?」
私は、今まさに『帳』が降ろされていく方角を見上げながら言った。
「これって、生徒の誰かが?それとも・・・」
「いや、違うと思う。交流会で『帳』を降ろす意味がない」
硝子さんも『帳』を見ながら言った。
「しかもあの方角は、まさに討伐レースが行われてる区画内だ」
「それって、生徒の皆が閉じ込められるってことですか・・・?」
「それはわからない。『帳』がどういう効果なのかによる」
「・・・・・・」
私は駆け出して、医務室を出ようとした。
しかし、それを硝子さんが引き留めた。
「和紗、何処へ行くつもり?」
「『帳』の方へ。まだ降り切らないうちに中に入れば・・・」
「そんなことしてどうする」
「もし『帳』の中に怪我人がいたら・・・」
「『帳』に入って私たちが出られなくなったらどうするつもりだ?それで、『帳』の外の怪我人が、『帳』を出た怪我人が、
「でも・・・」
「回復役が真っ先にやるべきなのは、自身の安全確保」
硝子さんが珍しく強い語気で言った。
「危険がある場所へは自らは踏み込まない。指示があるまでは、安全な場所で待機する。何故だかわかるか?」
「・・・・・・」
「
そう言われて、私はグッと両手を握りしめてその場に踏みとどまった。
硝子さんは、今度は柔らかい口調で諫めるように言った。
「大丈夫。『帳』の目的が何であれ、あのガキどもが簡単にやられたりしないさ。それに、五条や他にも教員がいるんだし」
「・・・はい」
硝子さんの言わんとすることは、理解したし納得した。
だけど、どうにも落ち着かない。
さっきよりも激しい破壊音が聞こえ、時々、医務室にまで地響きが伝わってきた。
(一体、何が起きてるの・・・?)
時間が過ぎるほど、不安は大きくなる。
それでも、いずれ来るであろう負傷者をすぐに迎え入れるため、私と硝子さんは準備を進めた。
そんな中、ふと窓に目を遣ると。
「!」
フラフラと空飛ぶ何かが見えて、私は慌てて窓の方へ駆け寄った。
そして、窓を大きく開けてその空飛ぶ何かに向かって手を振った。
すると、その空飛ぶ何かは私の方へ近付いてきて、そのまま窓から飛び込んできた。
そして、力尽きたように床の上に不時着した。
「いたたた・・・」
空飛ぶ何かとは、ホウキに乗った女の子だった。
その女の子は、京都の私が昔住んでいた団地の跡で出会った(第15話)女の子だった。
(確か、桃ちゃんっていったっけ)
飛び込んできたのは、桃ちゃんだけではない。
小柄な桃ちゃんの背中に背負われるように気絶しているマッシュルームヘアの男の子と。
そして、ホウキに干されるような体制で乗っけられた袴姿の男の子も一緒だった。
この袴の男の子も、あの時桃ちゃん達と一緒に居た人だ。
しかし、彼もやはり気を失っていてグッタリしている。
どうやら、桃ちゃんが彼らを運んで来たらしい。