第21話 京都姉妹校交流会
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「姉妹校交流会?」
翌日。
硝子さんから電話がかかってきた。
「そう。毎年この時期に行われる東京校と京都校の交流試合。殺す以外なら何でもありの呪術合戦。毎回怪我人が続出でね。今年は東京 で開催なんだけど、私一人じゃ治療するのも大変でさ、だから和紗に手伝って欲しくて」
と、硝子さんは言った。
(そっか。以前に野薔薇ちゃんが話してたのってこの事か。っていうか、やっぱり京都じゃなくて東京でやるんだ・・・)
いやいや、そんなことより。
「硝子さんの力になりたいとは思うんですけど・・・」
私はおずおずと口を開いた。
「私、今スランプ中で『反転術式』も成功したりしなかったりで・・・」
「いいよ。出来なかったら出来なかったで、赤チンでも塗っといてくれたらいいから」
「・・・・・・・」
どうしよう。
硝子さんはそう言ってくれても、逆に足手まといにならないかな?
でも、これを機にスランプから脱出する事が出来るなら。
「わかりました!手伝わせてください」
と、私は応えた。
すると、硝子さんはクスリと笑った。
「そう言ってくれると思ってたよ。だから、既に伊地知を迎えに行かせた」
「え?」
「もうすぐそっちに着く頃じゃないか?」
そう言われて、私は窓から外を見た。
すると、既にアパートの前に高専の公用車が停まっていて、その側に伊地知さんが控えていた。
「伊地知さん!」
私が呼ぶと、伊地知さんはこちらを向いてペコリとお辞儀をした。
なので、私は急いで支度をしてアパートを出た。
「ありがとうございます。お迎えに来てくださって」
と、後部座席から私が声をかけると、
「いえいえ。高専は車でないと不便な場所にありますからね」
と、運転しながら伊地知さんが言った。
「でも、専門学校の方は?今日はお休みなんですか?」
「・・・いえ。今日は休んじゃいました」
「えっ。大丈夫なんですか?」
「今日は実習もないから特に支障は・・・。それに、今は呪術の練習を優先したくて」
「はぁ・・・。鶴來さんが大丈夫というならいいんですが」
学校をサボることに罪悪感がないことはないんだけど、今の私は早く『反転術式』を上達することの方が重要だった。
そんな会話をしているうちに、車は高速道路をぐんぐん進んで郊外の方へ入って行った。
都会の喧騒は遥か彼方、同じ東京とは思えないような風景が広がっていく。
(こないだ連れて行かれた時は、気絶している間だったし夜だったから、辺りの風景がよくわからなかったけど・・・こんなにも山の中にあったとは)
それからまもなく車を駐車場に停め、下車して歩くことになった。
大きくそびえる二つの山の間に、ドミノのように居並ぶ鳥居と、その奥に立派な神社仏閣が見えた。
「すごい・・・。東京じゃないみたい」
「この一帯は筵山というんです」
伊地知さんが言った。
「この筵山麓が呪術高専・・・正式名称、東京都立呪術専門高等学校の敷地内となります」
「すごく広い学校ですね。呪術師はマイノリティな存在だから、もっとこじんまりとした学校だと想像してました」
「表向きは宗教系の学校で通ってるんですけどね。実際は国と都から費用を受けて経営してるんです。教育機関としてだけではなく、呪術師の活動拠点でもありますので」
「そっか。五条さんも昔、そんな事話してました」
すると、伊地知さんが笑った。
なので、私は首を傾げた。
「え、私、何かおかしなこと言いました?」
「え、いや、失礼。さっき鶴來さんが『五条さんが昔』って言ったのを違和感なく聞いてたのですが、よく考えたら、鶴來さんと五条さんが出会ったのは、一年前にも満たないんですよね」
「・・・そういえば」
指摘されて、私も笑った。
「ほんとですね。色んなことが沢山あったから、ずっと前のことのように思ってました」
「本当ですね。さ、行きましょうか」
と、伊地知さんに着いて歩き始めた。
鳥居の下の百段以上はあるであろう石段を登って行く。
翌日。
硝子さんから電話がかかってきた。
「そう。毎年この時期に行われる東京校と京都校の交流試合。殺す以外なら何でもありの呪術合戦。毎回怪我人が続出でね。今年は
と、硝子さんは言った。
(そっか。以前に野薔薇ちゃんが話してたのってこの事か。っていうか、やっぱり京都じゃなくて東京でやるんだ・・・)
いやいや、そんなことより。
「硝子さんの力になりたいとは思うんですけど・・・」
私はおずおずと口を開いた。
「私、今スランプ中で『反転術式』も成功したりしなかったりで・・・」
「いいよ。出来なかったら出来なかったで、赤チンでも塗っといてくれたらいいから」
「・・・・・・・」
どうしよう。
硝子さんはそう言ってくれても、逆に足手まといにならないかな?
でも、これを機にスランプから脱出する事が出来るなら。
「わかりました!手伝わせてください」
と、私は応えた。
すると、硝子さんはクスリと笑った。
「そう言ってくれると思ってたよ。だから、既に伊地知を迎えに行かせた」
「え?」
「もうすぐそっちに着く頃じゃないか?」
そう言われて、私は窓から外を見た。
すると、既にアパートの前に高専の公用車が停まっていて、その側に伊地知さんが控えていた。
「伊地知さん!」
私が呼ぶと、伊地知さんはこちらを向いてペコリとお辞儀をした。
なので、私は急いで支度をしてアパートを出た。
「ありがとうございます。お迎えに来てくださって」
と、後部座席から私が声をかけると、
「いえいえ。高専は車でないと不便な場所にありますからね」
と、運転しながら伊地知さんが言った。
「でも、専門学校の方は?今日はお休みなんですか?」
「・・・いえ。今日は休んじゃいました」
「えっ。大丈夫なんですか?」
「今日は実習もないから特に支障は・・・。それに、今は呪術の練習を優先したくて」
「はぁ・・・。鶴來さんが大丈夫というならいいんですが」
学校をサボることに罪悪感がないことはないんだけど、今の私は早く『反転術式』を上達することの方が重要だった。
そんな会話をしているうちに、車は高速道路をぐんぐん進んで郊外の方へ入って行った。
都会の喧騒は遥か彼方、同じ東京とは思えないような風景が広がっていく。
(こないだ連れて行かれた時は、気絶している間だったし夜だったから、辺りの風景がよくわからなかったけど・・・こんなにも山の中にあったとは)
それからまもなく車を駐車場に停め、下車して歩くことになった。
大きくそびえる二つの山の間に、ドミノのように居並ぶ鳥居と、その奥に立派な神社仏閣が見えた。
「すごい・・・。東京じゃないみたい」
「この一帯は筵山というんです」
伊地知さんが言った。
「この筵山麓が呪術高専・・・正式名称、東京都立呪術専門高等学校の敷地内となります」
「すごく広い学校ですね。呪術師はマイノリティな存在だから、もっとこじんまりとした学校だと想像してました」
「表向きは宗教系の学校で通ってるんですけどね。実際は国と都から費用を受けて経営してるんです。教育機関としてだけではなく、呪術師の活動拠点でもありますので」
「そっか。五条さんも昔、そんな事話してました」
すると、伊地知さんが笑った。
なので、私は首を傾げた。
「え、私、何かおかしなこと言いました?」
「え、いや、失礼。さっき鶴來さんが『五条さんが昔』って言ったのを違和感なく聞いてたのですが、よく考えたら、鶴來さんと五条さんが出会ったのは、一年前にも満たないんですよね」
「・・・そういえば」
指摘されて、私も笑った。
「ほんとですね。色んなことが沢山あったから、ずっと前のことのように思ってました」
「本当ですね。さ、行きましょうか」
と、伊地知さんに着いて歩き始めた。
鳥居の下の百段以上はあるであろう石段を登って行く。