第20話 わたしは呪い
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「!!」
私は目を見張った。
(どうして・・・真人は肉体への攻撃は効かないって言ってたのに)
そして次に、私はブルっと身震いした。
「ブッ殺してやる」
そう言い放った虎杖悠仁の全身から、凄まじい量の呪力が立ち上る。
(これが両面宿儺の呪力?)
・・・いや、違う。
これは、虎杖悠仁自身の怒りの呪力だ。
「『祓う』の間違いだろ。呪術師」
真人と虎杖悠仁の激しい戦闘は、校舎の場外乱闘へ発展し、尚も激しさを増していった。
しかし、そんな中一瞬、
「!?」
真人がほんの少しだけど隙を見せた。
虎杖悠仁はそれを見過ごさず、真人の頭を掴み何度も何度も頭突きを食らわせた。
「真人・・・!」
私は止めようと駆けつける。
しかし、やはり真人は上手だった。
「は?」
ほんの隙をついて、真人は虎杖悠仁の背後に回り込み棍棒のように変形させた右手を振り上げた。
(勝った・・・!)
私はひそかにガッツポーズをする。
だが。
ギィン!
その間に割って入って来る人物が現れた。
「ナナミン・・・!」
虎杖悠仁がそう呼んだのは、あの七三呪術師。
七海建人だった。
「ここで確実に祓います」
虎杖悠仁と七三呪術師が、ふたりがかりで真人に襲いかかる。
「真人・・・!」
私は助太刀しようとタイミングを伺うけれど、凄まじい攻防になかなか割って入れない。
そんな時だった。
「お``ぇっ」
真人はストックしていた改造人間を解き放って、
「短髪のガキを殺せ」
と命じた。
虎杖悠仁は改造人間を攻めあぐねた様子で、そのまま渡り廊下部分の屋根へ後退していく。
「やっぱり」
その様子を見て、真人はせせら笑った。
「アイツ人間殺せないだろ」
私はそれをチャンスと見て、虎杖悠仁の後を追いかけた。
(七三呪術師と離れているうちに、虎杖悠仁は私が殺す・・・!)
そうして、追いついた時だった。
「!」
三体の改造人間は、全て殺されていた。
虎杖悠仁はその死骸の前に立ち、微動だにせず見下ろしている。
「・・・おまえも『呪い』なのか」
虎杖悠仁は私の方に背を向けたまま言った。
「さっきから、チラチラこっち見てんのは気づいてた。おまえは、あのツギハギの仲間なのか?」
「・・・・・・」
相変わらず凄まじい呪力を漲らせている。
私は少し尻込みしながらも、自分を奮い立たせて言った。
だって、私がコイツを殺さなきゃ、また真人がピンチになっちゃう。
「そうよ。真人は私の好きな人よ」
「・・・人?」
すると、虎杖悠仁はゆらりとこちらを振り返った。
「おまえらは、『呪い』だろ」
その鋭い眼光と迫力に、私はビクッと肩を震わせた。
「邪魔するなら、殺す」
そう言い残して、虎杖悠仁は私の横を通り過ぎた。
「ま、待ちなさいよ!」
と、私は言った。
「・・・・・・」
虎杖悠仁は立ち止まり、私の方を振り返る。
私はじっと虎杖悠仁の目を見つめ返した。
(コイツの『魂の皺』を読んでやる・・・!)
そしてコイツの弱点を、そう思っていた時だった。
「俺の『魂の皺』を読むだと?」
虎杖悠仁の瞳の奥に、誰かがいる。
その誰かが言った。
「さっきのツギハギもそうだが、分を弁えぬ痴れ者が随分増えたものだな。俺を誰だと思っている」
『両面宿儺』だ。
「気安く触れることを許した覚えはない」
天上天下。唯我独尊。
人間も呪いさえも畏れる『呪いの王』。
「は・・・あぁっ!」
突然、私の右肩から下が切り落とされて、血が鉄砲水の様に噴き出した。
私は膝から崩れ落ち、そのまま地面に突っ伏した。
「・・・・・・」
意識が遠のいていく。
もうすぐ『今の私』は消えるのだろう。
(ま・・・ひと・・・)
消えゆく意識の中で、私は真人に呼びかけた。
(気をつけて・・・宿儺の魂に触れてはいけない・・・虎杖悠仁は、天敵・・・)
肉体もホロホロと崩れ始める。
(気を・・・つけて・・・。また・・・すぐに・・・行くから・・・)
そうして、『今の私』はこの世から消えた。
私は目を見張った。
(どうして・・・真人は肉体への攻撃は効かないって言ってたのに)
そして次に、私はブルっと身震いした。
「ブッ殺してやる」
そう言い放った虎杖悠仁の全身から、凄まじい量の呪力が立ち上る。
(これが両面宿儺の呪力?)
・・・いや、違う。
これは、虎杖悠仁自身の怒りの呪力だ。
「『祓う』の間違いだろ。呪術師」
真人と虎杖悠仁の激しい戦闘は、校舎の場外乱闘へ発展し、尚も激しさを増していった。
しかし、そんな中一瞬、
「!?」
真人がほんの少しだけど隙を見せた。
虎杖悠仁はそれを見過ごさず、真人の頭を掴み何度も何度も頭突きを食らわせた。
「真人・・・!」
私は止めようと駆けつける。
しかし、やはり真人は上手だった。
「は?」
ほんの隙をついて、真人は虎杖悠仁の背後に回り込み棍棒のように変形させた右手を振り上げた。
(勝った・・・!)
私はひそかにガッツポーズをする。
だが。
ギィン!
その間に割って入って来る人物が現れた。
「ナナミン・・・!」
虎杖悠仁がそう呼んだのは、あの七三呪術師。
七海建人だった。
「ここで確実に祓います」
虎杖悠仁と七三呪術師が、ふたりがかりで真人に襲いかかる。
「真人・・・!」
私は助太刀しようとタイミングを伺うけれど、凄まじい攻防になかなか割って入れない。
そんな時だった。
「お``ぇっ」
真人はストックしていた改造人間を解き放って、
「短髪のガキを殺せ」
と命じた。
虎杖悠仁は改造人間を攻めあぐねた様子で、そのまま渡り廊下部分の屋根へ後退していく。
「やっぱり」
その様子を見て、真人はせせら笑った。
「アイツ人間殺せないだろ」
私はそれをチャンスと見て、虎杖悠仁の後を追いかけた。
(七三呪術師と離れているうちに、虎杖悠仁は私が殺す・・・!)
そうして、追いついた時だった。
「!」
三体の改造人間は、全て殺されていた。
虎杖悠仁はその死骸の前に立ち、微動だにせず見下ろしている。
「・・・おまえも『呪い』なのか」
虎杖悠仁は私の方に背を向けたまま言った。
「さっきから、チラチラこっち見てんのは気づいてた。おまえは、あのツギハギの仲間なのか?」
「・・・・・・」
相変わらず凄まじい呪力を漲らせている。
私は少し尻込みしながらも、自分を奮い立たせて言った。
だって、私がコイツを殺さなきゃ、また真人がピンチになっちゃう。
「そうよ。真人は私の好きな人よ」
「・・・人?」
すると、虎杖悠仁はゆらりとこちらを振り返った。
「おまえらは、『呪い』だろ」
その鋭い眼光と迫力に、私はビクッと肩を震わせた。
「邪魔するなら、殺す」
そう言い残して、虎杖悠仁は私の横を通り過ぎた。
「ま、待ちなさいよ!」
と、私は言った。
「・・・・・・」
虎杖悠仁は立ち止まり、私の方を振り返る。
私はじっと虎杖悠仁の目を見つめ返した。
(コイツの『魂の皺』を読んでやる・・・!)
そしてコイツの弱点を、そう思っていた時だった。
「俺の『魂の皺』を読むだと?」
虎杖悠仁の瞳の奥に、誰かがいる。
その誰かが言った。
「さっきのツギハギもそうだが、分を弁えぬ痴れ者が随分増えたものだな。俺を誰だと思っている」
『両面宿儺』だ。
「気安く触れることを許した覚えはない」
天上天下。唯我独尊。
人間も呪いさえも畏れる『呪いの王』。
「は・・・あぁっ!」
突然、私の右肩から下が切り落とされて、血が鉄砲水の様に噴き出した。
私は膝から崩れ落ち、そのまま地面に突っ伏した。
「・・・・・・」
意識が遠のいていく。
もうすぐ『今の私』は消えるのだろう。
(ま・・・ひと・・・)
消えゆく意識の中で、私は真人に呼びかけた。
(気をつけて・・・宿儺の魂に触れてはいけない・・・虎杖悠仁は、天敵・・・)
肉体もホロホロと崩れ始める。
(気を・・・つけて・・・。また・・・すぐに・・・行くから・・・)
そうして、『今の私』はこの世から消えた。