第20話 わたしは呪い
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言うべきかどうか迷いながらも、私は意を決して言った。
「2017年12月24日の『百鬼夜行』の後、アンタは五条悟に殺された」
「・・・・・・」
「それなのに、アンタはこうして生きてる。それ以降のアンタの魂には、アンタ以外の複数人の皺が刻まれている」
私はゴクリと小さく息を飲みこんでから言った。
「アンタは、本当に『夏油傑』なの・・・?」
すると夏油は、
「シーッ」
と、私の唇に人差し指を突き立ててこう囁いた。
「知り得た個人情報を大っぴらに口にするのは関心しないな」
そして、人差し指を私の唇から離した。
「しかし、君の術式は情報分析に大いに役に立ちそうだ」
「・・・・・・」
「君は真人の傍に居たいんだろう?ならば、君の術式を私たちの計画に役立てるんだ。そしたら、私は君にとって害することはしない」
「・・・・・・」
「君にとって重要なのは、私が何者なのか知ることよりも、真人の傍にいることだろう?」
「・・・約束できる?」
「ああ」
夏油は目を細めてたゆませた。
「約束するよ」
それからしばらくして、私と夏油は真人のいる下水処理トンネルへ戻った。
トンネル内にはあちこちに血痕が飛び散っていた。
だけど、真人の姿は見えない。更に奥に進んでいくと、壁が破壊されて瓦礫の山が出来ていた。
「真人!」
私は瓦礫の山の麓に駆けつけ、すぐさま瓦礫をかき分け始めた。
「これまた派手にやられたものだねぇ」
と、夏油は暢気な様子で瓦礫の山を見渡している。
私はそんな夏油に咎めるように言った。
「暢気言ってないで早く真人を探して!」
「はいはい」
そしてしばらくの間、瓦礫をかき分ける手を動かし続けた。
(あぁ、こんなことなら真人の傍を離れるんじゃなかった・・・!)
そう思って泣きそうになっていたら、
「おーい、奇子~」
と、真人の声が聞こえてきた。
声の方を見てみると、瓦礫の山の向う側で丸裸の真人が夏油と並んでいた。
「ま、真人~っ」
私は瓦礫の山を駆け上り、てっぺんから飛び降りて真人に抱きついた。
「よかったぁ、無事で!」
「奇子、宿儺の指はちゃんと持ってるよな?」
「え、うん」
「計画実行だ」
再会に感涙する私とは裏腹に、真人は冷静な様子で言った。
「宿儺の指を順平の自宅に置いてくるんだ」
「吉野順平が虎杖悠仁・・・『宿儺の器』を引き当てた。この二人をぶつけて、虎杖悠仁に宿儺が優位となる『縛り』科す」
真人の言葉を受けて、夏油がそう言った。
初めて聞く名前と言葉に私は目を瞬かせた。
「虎杖って誰?それに『宿儺の器』って?」
「詳しくは後で説明するよ。とりあえず、指を置いてくるんだ」
真人はニヤリと笑みを浮かべて言った。
「面白いものが見れるからさ」
虎杖悠仁とは、呪術高専一年生で、特級呪物である『両面宿儺』の指を飲み込みその呪いを宿しているらしい。
真人の計画とは、吉野順平を利用して虎杖悠仁を陥れ、その身体を『両面宿儺』に肉体を譲り渡すように仕向け、その上仲間に引き込もうとするものだった。
私に託された『両面宿儺』の指は、真人の指示通り吉野順平の自宅に置いてきた。
その『両面宿儺』の指は、禍々しい呪霊を引き寄せ、吉野順平の母親を惨殺した。
「なんでっ、そんなものが家に・・・!!」
母親を失い絶望し混乱する順平に、真人がけしかける。
「人を呪うことで金を稼いでいる呪詛師は多い。そういう連中の仕業だろう」
ウソで順平を追い詰めていく。
「人なんて簡単に呪い殺せるんだよ」
真人を信じた順平は、高校に乗り込み、自分を虐め、そして母を死に至らしめたと思い込んでいる主犯に復讐を始めた。
そこへ騒ぎを知った虎杖悠仁が駆けつけ、順平を止めるべく闘いが始まった。
そう、全ては真人の思惑通りに。
「2017年12月24日の『百鬼夜行』の後、アンタは五条悟に殺された」
「・・・・・・」
「それなのに、アンタはこうして生きてる。それ以降のアンタの魂には、アンタ以外の複数人の皺が刻まれている」
私はゴクリと小さく息を飲みこんでから言った。
「アンタは、本当に『夏油傑』なの・・・?」
すると夏油は、
「シーッ」
と、私の唇に人差し指を突き立ててこう囁いた。
「知り得た個人情報を大っぴらに口にするのは関心しないな」
そして、人差し指を私の唇から離した。
「しかし、君の術式は情報分析に大いに役に立ちそうだ」
「・・・・・・」
「君は真人の傍に居たいんだろう?ならば、君の術式を私たちの計画に役立てるんだ。そしたら、私は君にとって害することはしない」
「・・・・・・」
「君にとって重要なのは、私が何者なのか知ることよりも、真人の傍にいることだろう?」
「・・・約束できる?」
「ああ」
夏油は目を細めてたゆませた。
「約束するよ」
それからしばらくして、私と夏油は真人のいる下水処理トンネルへ戻った。
トンネル内にはあちこちに血痕が飛び散っていた。
だけど、真人の姿は見えない。更に奥に進んでいくと、壁が破壊されて瓦礫の山が出来ていた。
「真人!」
私は瓦礫の山の麓に駆けつけ、すぐさま瓦礫をかき分け始めた。
「これまた派手にやられたものだねぇ」
と、夏油は暢気な様子で瓦礫の山を見渡している。
私はそんな夏油に咎めるように言った。
「暢気言ってないで早く真人を探して!」
「はいはい」
そしてしばらくの間、瓦礫をかき分ける手を動かし続けた。
(あぁ、こんなことなら真人の傍を離れるんじゃなかった・・・!)
そう思って泣きそうになっていたら、
「おーい、奇子~」
と、真人の声が聞こえてきた。
声の方を見てみると、瓦礫の山の向う側で丸裸の真人が夏油と並んでいた。
「ま、真人~っ」
私は瓦礫の山を駆け上り、てっぺんから飛び降りて真人に抱きついた。
「よかったぁ、無事で!」
「奇子、宿儺の指はちゃんと持ってるよな?」
「え、うん」
「計画実行だ」
再会に感涙する私とは裏腹に、真人は冷静な様子で言った。
「宿儺の指を順平の自宅に置いてくるんだ」
「吉野順平が虎杖悠仁・・・『宿儺の器』を引き当てた。この二人をぶつけて、虎杖悠仁に宿儺が優位となる『縛り』科す」
真人の言葉を受けて、夏油がそう言った。
初めて聞く名前と言葉に私は目を瞬かせた。
「虎杖って誰?それに『宿儺の器』って?」
「詳しくは後で説明するよ。とりあえず、指を置いてくるんだ」
真人はニヤリと笑みを浮かべて言った。
「面白いものが見れるからさ」
虎杖悠仁とは、呪術高専一年生で、特級呪物である『両面宿儺』の指を飲み込みその呪いを宿しているらしい。
真人の計画とは、吉野順平を利用して虎杖悠仁を陥れ、その身体を『両面宿儺』に肉体を譲り渡すように仕向け、その上仲間に引き込もうとするものだった。
私に託された『両面宿儺』の指は、真人の指示通り吉野順平の自宅に置いてきた。
その『両面宿儺』の指は、禍々しい呪霊を引き寄せ、吉野順平の母親を惨殺した。
「なんでっ、そんなものが家に・・・!!」
母親を失い絶望し混乱する順平に、真人がけしかける。
「人を呪うことで金を稼いでいる呪詛師は多い。そういう連中の仕業だろう」
ウソで順平を追い詰めていく。
「人なんて簡単に呪い殺せるんだよ」
真人を信じた順平は、高校に乗り込み、自分を虐め、そして母を死に至らしめたと思い込んでいる主犯に復讐を始めた。
そこへ騒ぎを知った虎杖悠仁が駆けつけ、順平を止めるべく闘いが始まった。
そう、全ては真人の思惑通りに。