第20話 わたしは呪い
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「罰当たりな事言うんじゃないよ」
真人は私を窘めつつ言った。
「これは『両面宿儺』の指。とても貴重な呪物なんだから」
「両面宿儺・・・って誰?」
「君は何も知らないんだな」
真人は肩をすくめて言った。
「『両面宿儺』は呪いの王だよ。呪術全盛の平安の世において、天災と共に人間から畏れられていた」
「ふぅーん・・・」
なんだかおっかなそう。
でも、私には真人がいるから怖くないけど。
「で、この指をどうしろっていうの?」
「しかるべきタイミングでこれを吉野順平の自宅に置いてきてほしい。順平の『魂の皺』を読んだなら自宅がどこかわかるだろう?」
「わかるけど・・・そんな簡単なことでいいの?」
「ああ。十分だよ」
「わかった」
と、頷いて私はその『両面宿儺』の指を懐にしまい込んだ。
そして、
「でも、その前に今日のお詫びしてよね!」
と、言った。
真人はキョトンとして私の顔を見返した。
「お詫び?何の?」
「私の事放置して、順平とふたりでワキャワキャ楽しそうにしてたこと!」
「あー、はいはい。どうしてほしいの?」
「素敵な秋物のワンピースを見つけたの!そのコーディネートになるように魂の形を変えてほしい!」
「わかったわかった・・・」
と言葉の途中で、真人はピクリと眉をひそめた。
「どうしたの?」
「・・・何者かがこのアジトに侵入してきた」
「え・・・」
すると、真人は急に立ち上がり、走り出していった。
慌てて私もそれに着いて行く。
すると、排水口付近で何者かが改造人間達と戦っているのを目撃した。
白いスーツ姿で眼鏡をかけた七三頭の男がひとり。
刀身を布で包んだままの鉈のような武器で、次々と改造人間を倒して、どんどん奥へと突き進んでくる。
「あれは・・・」
私は息を飲みながら、その白いスーツの七三の男の『魂の皺』を読んだ。
(七海建人・・・一級呪術師・・・)
私はハッとして真人を振り返った。
「ヤバイよ、真人。一級呪術師だって・・・アイツ強いよ!」
「んー、あの闘いっぷりを見るに強いだろうね」
私は怯えているのに、真人は嬉しそうに笑っている。
「奇子、ここから離れて」
「真人は?」
「あの七三呪術師に実験相手になってもらう」
「じゃあ、私も・・・」
「ダメ。君は弱いから。はっきり言って足手まとい」
「そんなぁ~・・・」
「さ、行った行った」
「気をつけてね。アイツの術式は『十劃呪法』と言って・・・」
「さっさと行けったら」
と私が言い終わらぬうちに、真人はシッシと手を振って反対側のトンネルから出て行くように促した。
「・・・・・・」
私は後ろ髪を引かれながらも、トンネルの外に向かって歩き出した。
「真人・・・」
外に出てからも真人のことが心配で、何度も後ろを振り返る。するとそこへ、
「奇子」
フードを目深に被った格好をした夏油と遭遇した。
「夏油!」
私は急いで夏油の元へ駆けつけた。
「大変なの!今、一級呪術師が真人のアジトに侵入してきて・・・」
「へぇ、思ってた以上に嗅ぎつけてくるのが早いな」
と、夏油は悠然として言った。
私は訝しんで眉をひそめる。
「まさか、アンタが手引きしたんじゃないでしょうね」
と私が言うと、夏油は心外だという顔をした。
「違うよ。私たちが呪術師を誘い込んだんだよ。全てはこちらの計画通りだ」
「どうかしら」
「どういう意味かな?」
「私、アンタのこと信用してないから」
私はキッパリと言った。
「アンタ、高専時代に五条悟と随分仲良かったみたいじゃない」
すると、夏油はいつもの糸目を驚いたように見開いた。
「これは驚きだね。君の術式は、そこまで詳細に『魂の皺』を解析出来るのか」
「・・・そんなアンタが、何故呪霊 側に・・・」
「私が何故、高専を去り悟と袂をわけたのも、解析したのだろう」
「・・・・・・」
「それならば、改めて訊く必要もないだろう」
「・・・でも、わからないの」
「うん?」
真人は私を窘めつつ言った。
「これは『両面宿儺』の指。とても貴重な呪物なんだから」
「両面宿儺・・・って誰?」
「君は何も知らないんだな」
真人は肩をすくめて言った。
「『両面宿儺』は呪いの王だよ。呪術全盛の平安の世において、天災と共に人間から畏れられていた」
「ふぅーん・・・」
なんだかおっかなそう。
でも、私には真人がいるから怖くないけど。
「で、この指をどうしろっていうの?」
「しかるべきタイミングでこれを吉野順平の自宅に置いてきてほしい。順平の『魂の皺』を読んだなら自宅がどこかわかるだろう?」
「わかるけど・・・そんな簡単なことでいいの?」
「ああ。十分だよ」
「わかった」
と、頷いて私はその『両面宿儺』の指を懐にしまい込んだ。
そして、
「でも、その前に今日のお詫びしてよね!」
と、言った。
真人はキョトンとして私の顔を見返した。
「お詫び?何の?」
「私の事放置して、順平とふたりでワキャワキャ楽しそうにしてたこと!」
「あー、はいはい。どうしてほしいの?」
「素敵な秋物のワンピースを見つけたの!そのコーディネートになるように魂の形を変えてほしい!」
「わかったわかった・・・」
と言葉の途中で、真人はピクリと眉をひそめた。
「どうしたの?」
「・・・何者かがこのアジトに侵入してきた」
「え・・・」
すると、真人は急に立ち上がり、走り出していった。
慌てて私もそれに着いて行く。
すると、排水口付近で何者かが改造人間達と戦っているのを目撃した。
白いスーツ姿で眼鏡をかけた七三頭の男がひとり。
刀身を布で包んだままの鉈のような武器で、次々と改造人間を倒して、どんどん奥へと突き進んでくる。
「あれは・・・」
私は息を飲みながら、その白いスーツの七三の男の『魂の皺』を読んだ。
(七海建人・・・一級呪術師・・・)
私はハッとして真人を振り返った。
「ヤバイよ、真人。一級呪術師だって・・・アイツ強いよ!」
「んー、あの闘いっぷりを見るに強いだろうね」
私は怯えているのに、真人は嬉しそうに笑っている。
「奇子、ここから離れて」
「真人は?」
「あの七三呪術師に実験相手になってもらう」
「じゃあ、私も・・・」
「ダメ。君は弱いから。はっきり言って足手まとい」
「そんなぁ~・・・」
「さ、行った行った」
「気をつけてね。アイツの術式は『十劃呪法』と言って・・・」
「さっさと行けったら」
と私が言い終わらぬうちに、真人はシッシと手を振って反対側のトンネルから出て行くように促した。
「・・・・・・」
私は後ろ髪を引かれながらも、トンネルの外に向かって歩き出した。
「真人・・・」
外に出てからも真人のことが心配で、何度も後ろを振り返る。するとそこへ、
「奇子」
フードを目深に被った格好をした夏油と遭遇した。
「夏油!」
私は急いで夏油の元へ駆けつけた。
「大変なの!今、一級呪術師が真人のアジトに侵入してきて・・・」
「へぇ、思ってた以上に嗅ぎつけてくるのが早いな」
と、夏油は悠然として言った。
私は訝しんで眉をひそめる。
「まさか、アンタが手引きしたんじゃないでしょうね」
と私が言うと、夏油は心外だという顔をした。
「違うよ。私たちが呪術師を誘い込んだんだよ。全てはこちらの計画通りだ」
「どうかしら」
「どういう意味かな?」
「私、アンタのこと信用してないから」
私はキッパリと言った。
「アンタ、高専時代に五条悟と随分仲良かったみたいじゃない」
すると、夏油はいつもの糸目を驚いたように見開いた。
「これは驚きだね。君の術式は、そこまで詳細に『魂の皺』を解析出来るのか」
「・・・そんなアンタが、何故
「私が何故、高専を去り悟と袂をわけたのも、解析したのだろう」
「・・・・・・」
「それならば、改めて訊く必要もないだろう」
「・・・でも、わからないの」
「うん?」