第20話 わたしは呪い
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「それは、漏瑚がただ単に弱いだけなんじゃ・・・」
「とんでもない。君は漏瑚を見くびり過ぎだよ」
そう真人は言うけれど、私はにわかに信じがたかった。
(強いの?あの富士山頭が?)
「とにかく、その五条悟をどうにかしないといけないらしい」
と言って、真人はハンモックに上りよっこいしょと横たわった。
「五条悟・・・」
と、私はその名を呟く。
確か、夏油の『魂の皺』に刻まれていた名前だ。
いや、それより前にこの名前を見たことがある。
「・・・あ」
思い当って、私は声を上げた。
それに真人は反応する。
「どうしたの?」
「その名前、知ってる」
「んー?」
「和紗の『魂の皺』に刻まれてるのを見たの。和紗は、五条悟に想いを寄せてるの」
「・・・・・・」
すると、真人はニィーっと笑みを浮かべた。
「なにそれ、面白そうじゃん」
その日以来、真人と私は共同生活を始めた。
人間を捕まえて真人の改造人間の実験に協力したり、名画座に忍び込んで古い映画を観たり、真人が本を読み聞かせてくれたりして、毎日を過ごした。
そんな毎日が楽しくて楽しくて、私は本来の目的である「和紗を探し出して殺す」ことを忘れてしまっていた。
(んー。まぁ、いっか!私は真人がいれば幸せだし♡)
そんなある日。
真人と私の愛の巣に、招かれざる客がやって来た。
「奇子、紹介するよ。彼は吉野順平。映画館で出会ったんだよ」
その日、私はウィンドウショッピングに出かけていて、真人とは別行動していた。
可愛いワンピースを見つけたので、そのワンピース姿になるように真人に魂の形を変えてもらおう。
そう思ってルンルン気分で帰宅したのに・・・。
真人は、私のいない間によりによって人間を愛の巣に連れ込んできたのだ。
「お、おじゃましてます・・・」
と、おどおどした様子で吉野順平は私に挨拶した。
「・・・・・・」
順平の『魂の皺』を読む。
学校でいじめられて以来登校拒否。
あー、なるほどねー。わかるわぁ~、イジイジしてるもん。
私が人間だったらいじめてるわぁ。
「・・・ふん」
私は順平からそっぽを向いて、別の部屋に向かった。
その背後で、順平と真人が親し気に会話を交わす。
「僕、何か失礼なことしたでしょうか・・・」
「いいよ、気にしなくて。奇子は気まぐれなんだ。放っておこう」
私が別の部屋にいても、真人と順平の会話は聞こえてきた。
順平は見かけによらず意外とおしゃべりで、小難しいことをあれやこれやと話している。
「『無関心』こそ人間の行き着くべき美徳です」
とか、なんとかかんとか。
(それなのに、いじめっこ達に復讐したいと思ってる)
馬鹿じゃん、矛盾してるじゃない。
「イ``ィー・・・」
真人がマットレスの形に変えた改造人間の上に私は寝っ転がった。
「・・・さっさと帰ってよ」
そう呟いて、私は順平が帰るまで昼寝することにした。
「・・・奇子、奇子・・・」
呼びかけられて、私は目を覚ました。
目を開けた先に、私の顔を覗き込む真人の顔があった。
「真人ぉ~!」
私は勢いよく起き上がり、真人に抱きついた。
「ひどいよ!私の事放っておこうだなんて!私よりあんな人間のクソガキの方がいいの!?」
「ゴメンゴメン」
そう言いながら、真人はポンポンと私の背中をさすった。
「別に妬くようなことじゃない。あれは、ただの玩具だよ」
「んー?何か面白いこと考えてる?」
「そうだね。俺の考えてる絵図通りになればね」
と、真人は唇に笑みを浮かべて言った。
「そのために、奇子にも協力してほしいんだ」
「私に?」
「そう、これを」
そう言いながら、真人は私の手を取りそのまま手のひらに『あるもの』を乗せた。
てっきり指輪とかロマンティックなものかと思っていたのに・・・。
「ナニコレ、きもっ」
それは、切断された人間の指と思しきものだった。
「とんでもない。君は漏瑚を見くびり過ぎだよ」
そう真人は言うけれど、私はにわかに信じがたかった。
(強いの?あの富士山頭が?)
「とにかく、その五条悟をどうにかしないといけないらしい」
と言って、真人はハンモックに上りよっこいしょと横たわった。
「五条悟・・・」
と、私はその名を呟く。
確か、夏油の『魂の皺』に刻まれていた名前だ。
いや、それより前にこの名前を見たことがある。
「・・・あ」
思い当って、私は声を上げた。
それに真人は反応する。
「どうしたの?」
「その名前、知ってる」
「んー?」
「和紗の『魂の皺』に刻まれてるのを見たの。和紗は、五条悟に想いを寄せてるの」
「・・・・・・」
すると、真人はニィーっと笑みを浮かべた。
「なにそれ、面白そうじゃん」
その日以来、真人と私は共同生活を始めた。
人間を捕まえて真人の改造人間の実験に協力したり、名画座に忍び込んで古い映画を観たり、真人が本を読み聞かせてくれたりして、毎日を過ごした。
そんな毎日が楽しくて楽しくて、私は本来の目的である「和紗を探し出して殺す」ことを忘れてしまっていた。
(んー。まぁ、いっか!私は真人がいれば幸せだし♡)
そんなある日。
真人と私の愛の巣に、招かれざる客がやって来た。
「奇子、紹介するよ。彼は吉野順平。映画館で出会ったんだよ」
その日、私はウィンドウショッピングに出かけていて、真人とは別行動していた。
可愛いワンピースを見つけたので、そのワンピース姿になるように真人に魂の形を変えてもらおう。
そう思ってルンルン気分で帰宅したのに・・・。
真人は、私のいない間によりによって人間を愛の巣に連れ込んできたのだ。
「お、おじゃましてます・・・」
と、おどおどした様子で吉野順平は私に挨拶した。
「・・・・・・」
順平の『魂の皺』を読む。
学校でいじめられて以来登校拒否。
あー、なるほどねー。わかるわぁ~、イジイジしてるもん。
私が人間だったらいじめてるわぁ。
「・・・ふん」
私は順平からそっぽを向いて、別の部屋に向かった。
その背後で、順平と真人が親し気に会話を交わす。
「僕、何か失礼なことしたでしょうか・・・」
「いいよ、気にしなくて。奇子は気まぐれなんだ。放っておこう」
私が別の部屋にいても、真人と順平の会話は聞こえてきた。
順平は見かけによらず意外とおしゃべりで、小難しいことをあれやこれやと話している。
「『無関心』こそ人間の行き着くべき美徳です」
とか、なんとかかんとか。
(それなのに、いじめっこ達に復讐したいと思ってる)
馬鹿じゃん、矛盾してるじゃない。
「イ``ィー・・・」
真人がマットレスの形に変えた改造人間の上に私は寝っ転がった。
「・・・さっさと帰ってよ」
そう呟いて、私は順平が帰るまで昼寝することにした。
「・・・奇子、奇子・・・」
呼びかけられて、私は目を覚ました。
目を開けた先に、私の顔を覗き込む真人の顔があった。
「真人ぉ~!」
私は勢いよく起き上がり、真人に抱きついた。
「ひどいよ!私の事放っておこうだなんて!私よりあんな人間のクソガキの方がいいの!?」
「ゴメンゴメン」
そう言いながら、真人はポンポンと私の背中をさすった。
「別に妬くようなことじゃない。あれは、ただの玩具だよ」
「んー?何か面白いこと考えてる?」
「そうだね。俺の考えてる絵図通りになればね」
と、真人は唇に笑みを浮かべて言った。
「そのために、奇子にも協力してほしいんだ」
「私に?」
「そう、これを」
そう言いながら、真人は私の手を取りそのまま手のひらに『あるもの』を乗せた。
てっきり指輪とかロマンティックなものかと思っていたのに・・・。
「ナニコレ、きもっ」
それは、切断された人間の指と思しきものだった。