第18話 帰郷
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「それじゃあ、やっぱり五条さんなの?」
「・・・何が?」
「和紗ちゃんが好きな人って。ねぇ、そうでしょう〜?」
「・・・・・・」
百合子ちゃんは軽くからかうつもりだったのだろうけど、今の私にはセンシティブな事だった。
思わず黙り込んでしまっていたら、
「誤解ですよ」
伏黒君が百合子ちゃんに言った。
「五条先生は世話焼きなんで。鶴來さんはお節介と思っていても、そういう感情は抱いてないですよ」
「先生?」
「五条先生は俺の担任なんです。鶴來さんともそれで知り合いました」
「あら、そうなの。そう言えば、五条さん教師だって言ってたわねぇ」
百合子ちゃんは言った。
「ごめんね、変なこと勘繰って。こんなちっちゃな村だと、そういう恋バナとか一切ないから退屈で〜。フラグがあるとついつい食いついちゃうのよねぇ」
「いえ・・・」
「でも、伏黒君でさえ良ければどう?」
「は?」
「和紗ちゃんのこと。すごくいい子よ。私が保証する!」
「百合子ちゃん!」
と嗜めるように言いながら、私は伏黒君の顔を伺った。
伏黒君はきっとこの手のお節介が嫌いなはずだ。
きっと不愉快に思ってるだろうなと思っていたら、
「はい、知ってます」
と、真顔で伏黒君は言った。
「「・・・・・・」」
その言葉に、私だけでなく百合子ちゃんまでポーッとする。
すると、伏黒君はすぐにハッとして、
「あ、いや、だからって、別に下心はないですけど」
と、慌てて付け加えた。
私はそれに頷く。
「う、うん!わかってる!伏黒君もいいコだよっ!?」
そんな私たちを百合子ちゃんだけはニコニコして見ながら、
「バス、まだ当分来ないでしょ。それまでウチで待たない?」
と、言った。
その言葉に甘えて、私と伏黒君は百合子ちゃんの家で待たせてもらうことにした。
バスが来るのを待つこと3時間。
バスに乗り込み、金沢駅まで揺られ運ばれること3時間。
ようやく新幹線に乗り込んだ時には、夕陽は傾き始めていた。
「よいしょ、っと」
沢山待たされたお土産を頭上の荷物入れに押し込んだ。
「なんか来る時より荷物が増えちゃったなぁ」
と、苦笑いしながら私は席についた。
「そういうものなんじゃないですか。里帰りって」
伏黒君は言った。
「俺にはわからないですけど。幸せなことなんじゃないですか」
「・・・そうだね」
私は深く頷いた。
「家族がいなくても、やっぱり糠田が森が私の故郷なんだ。だから、私が糠田が森を護らなきゃ。ううん、護りたいんだ」
私がそう言うと、
「・・・俺も出来ることは手伝います」
と、伏黒君が言った。
その言葉を聞いて、私はフッと微笑んだ。
「ありがとう」
「いえ、これも仕事なんで」
「・・・うん」
発車のベルが鳴り、新幹線が動き始めた。
「・・・・・・」
懐かしい面々に再会してはしゃぎ過ぎたからか、予期せぬ出来事が色々あったからか、急に疲れが出て睡魔が襲ってきた。
うつらうつらと船を漕ぎ始めたその時だった。
「ばぁ♡」
突然、座席の背もたれ越しに、前の座席の乗客がハイテンションで顔を出して笑いかけてきた。
私と伏黒君はその人物の顔を見て、驚きで言葉を失った。
「うふふっ。ビックリした?」
それは、レインボーヘアーの女の子・・・いや、糠田が森で遭遇した女型呪霊だった。
「お前・・・っ」
伏黒君が席を立ち身構える。
周囲の他の乗客たちは、伏黒君だけに不審そうに視線を向ける。
非術師 には彼女は見えていない。
そのことが、彼女が呪霊であることを裏付けていた。
「止めて~。さっきみたいにワンちゃんに噛みつかせるのは。痛かったんだから」
と、女型呪霊は両手を上げながら言った。
「私は何もしないから」
すると伏黒君は少しだけ警戒を解いて、
「・・・お前はさっき祓ったはずだ。確実にな」
と、言った。
「・・・何が?」
「和紗ちゃんが好きな人って。ねぇ、そうでしょう〜?」
「・・・・・・」
百合子ちゃんは軽くからかうつもりだったのだろうけど、今の私にはセンシティブな事だった。
思わず黙り込んでしまっていたら、
「誤解ですよ」
伏黒君が百合子ちゃんに言った。
「五条先生は世話焼きなんで。鶴來さんはお節介と思っていても、そういう感情は抱いてないですよ」
「先生?」
「五条先生は俺の担任なんです。鶴來さんともそれで知り合いました」
「あら、そうなの。そう言えば、五条さん教師だって言ってたわねぇ」
百合子ちゃんは言った。
「ごめんね、変なこと勘繰って。こんなちっちゃな村だと、そういう恋バナとか一切ないから退屈で〜。フラグがあるとついつい食いついちゃうのよねぇ」
「いえ・・・」
「でも、伏黒君でさえ良ければどう?」
「は?」
「和紗ちゃんのこと。すごくいい子よ。私が保証する!」
「百合子ちゃん!」
と嗜めるように言いながら、私は伏黒君の顔を伺った。
伏黒君はきっとこの手のお節介が嫌いなはずだ。
きっと不愉快に思ってるだろうなと思っていたら、
「はい、知ってます」
と、真顔で伏黒君は言った。
「「・・・・・・」」
その言葉に、私だけでなく百合子ちゃんまでポーッとする。
すると、伏黒君はすぐにハッとして、
「あ、いや、だからって、別に下心はないですけど」
と、慌てて付け加えた。
私はそれに頷く。
「う、うん!わかってる!伏黒君もいいコだよっ!?」
そんな私たちを百合子ちゃんだけはニコニコして見ながら、
「バス、まだ当分来ないでしょ。それまでウチで待たない?」
と、言った。
その言葉に甘えて、私と伏黒君は百合子ちゃんの家で待たせてもらうことにした。
バスが来るのを待つこと3時間。
バスに乗り込み、金沢駅まで揺られ運ばれること3時間。
ようやく新幹線に乗り込んだ時には、夕陽は傾き始めていた。
「よいしょ、っと」
沢山待たされたお土産を頭上の荷物入れに押し込んだ。
「なんか来る時より荷物が増えちゃったなぁ」
と、苦笑いしながら私は席についた。
「そういうものなんじゃないですか。里帰りって」
伏黒君は言った。
「俺にはわからないですけど。幸せなことなんじゃないですか」
「・・・そうだね」
私は深く頷いた。
「家族がいなくても、やっぱり糠田が森が私の故郷なんだ。だから、私が糠田が森を護らなきゃ。ううん、護りたいんだ」
私がそう言うと、
「・・・俺も出来ることは手伝います」
と、伏黒君が言った。
その言葉を聞いて、私はフッと微笑んだ。
「ありがとう」
「いえ、これも仕事なんで」
「・・・うん」
発車のベルが鳴り、新幹線が動き始めた。
「・・・・・・」
懐かしい面々に再会してはしゃぎ過ぎたからか、予期せぬ出来事が色々あったからか、急に疲れが出て睡魔が襲ってきた。
うつらうつらと船を漕ぎ始めたその時だった。
「ばぁ♡」
突然、座席の背もたれ越しに、前の座席の乗客がハイテンションで顔を出して笑いかけてきた。
私と伏黒君はその人物の顔を見て、驚きで言葉を失った。
「うふふっ。ビックリした?」
それは、レインボーヘアーの女の子・・・いや、糠田が森で遭遇した女型呪霊だった。
「お前・・・っ」
伏黒君が席を立ち身構える。
周囲の他の乗客たちは、伏黒君だけに不審そうに視線を向ける。
そのことが、彼女が呪霊であることを裏付けていた。
「止めて~。さっきみたいにワンちゃんに噛みつかせるのは。痛かったんだから」
と、女型呪霊は両手を上げながら言った。
「私は何もしないから」
すると伏黒君は少しだけ警戒を解いて、
「・・・お前はさっき祓ったはずだ。確実にな」
と、言った。