第18話 帰郷
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「・・・もう大丈夫ってこと?」
と私が尋ねると、伏黒君はしばらく思案した後、
「・・・だと思います。でも、念のためもう一度村を巡回してきます」
と、答えた。
「私も行く!」
すかさず私は言った。
すると伏黒君は玉犬の頭を撫でながら、
「二手に別れましょう。お前は鶴來さんと一緒に行け」
と、言った。
伏黒君の言葉に従うように、玉犬は私の元にやって来るとスリスリと体をくっつけてきた。
いかつい見た目に寄らず意外と人懐こい。
けれどコワイ。
「玉犬って、こんなんだったっけ?もう少し可愛らしかったと思ったんだけど・・・」
と、内心ビクビクしながら私は伏黒君に尋ねた。
「コイツは『渾』。『白』が英集少年院での任務の時に破壊されて、その後『黒』に能力が引き継がれて『渾』に進化した」
「そうなんだ・・・」
「呪霊の探知も、何かあった時もこの玉犬・渾が知らせてくれる」
「うん、わかった」
私は頷きつつ、まだ少し怯えながらも玉犬の頭を撫でた。
「よろしくね」
すると、玉犬は応えるように「ワン!」と大きく鳴いた。
「とりあえず一時間後にまた合流しましょう」
「わかった」
そうして、私と伏黒君は別れて巡回に向かった。
「・・・・・・」
玉犬と共に走りながら、当たりを見回す。
心が騒めく。
『『つるぎ庵』が土地に染み付いた呪いの暴走を抑え込む役割をしていたって』
以前、五条さんがそう言っていたことを思い出す。
あの人型の呪霊が、糠田が森の土地の呪いが暴走したものだとしたら・・・。
私は、握ったままだった呪玉を固く握り直した。
一時間、村中を隈なく見て回った。
呪霊は見当たらず、村の様子も変わった様子はなかった。
時間になったので、私と玉犬はバス停まで戻った。
すると、伏黒君も同じタイミングでバス停に戻って来ていた。
「どうだった?何かあった?」
という私の問いかけに、伏黒君は横に首を振った。
「・・・・・・」
私はホッと胸を撫でおろしながらも、まだどこか不安だった。
すると、伏黒君は言った。
「東京に戻ったら、五条先生に報告します」
「・・・・・・」
「その際には、鶴來さんの父親のことも報告するかもしれませんが・・・」
「・・・うん、別に構わないよ」
「・・・そうですか」
「うん。お父さんのことは五条さんに話したことがあるし。別にそんな気を遣わないで」
「・・・・・・」
「バス、行っちゃったね」
「・・・ですね」
「また三時間待たなきゃ」
その時だった。
「和紗ちゃーん!」
再びトーンの高くて明るい声が飛び込んできた。
だけど、今度はその声の主はすぐに誰だかわかった。
「百合子ちゃん」
百合子ちゃんが両手にスーパーの袋を提げてこちらに向かって走ってきた。
「よかったぁ、間に合って!もう帰っちゃったと思ってたから」
「どうしたの?」
「近所のオバちゃんズが野菜とか色々持ってきたの、和紗ちゃんに持たせてやれって。って、和紗ちゃん、こちらの方は?」
と、百合子ちゃんは伏黒君の方へ好奇の目を向ける。
なので、私は紹介するべく言った。
「あ、こちらは伏黒恵君。東京で友達になったの」
「・・・どうも」
と、伏黒君はペコリと会釈した。
すると、百合子ちゃんはますます好奇心で目をキラキラさせて、
「あらあらあらまあ!わざわざこんな片田舎にようこそ~!まさか、和紗ちゃんを追いかけて?」
と、ワクワクして伏黒君に尋ねた。
伏黒君はそんな百合子ちゃんに気圧されて、
「いや別に・・・あ、でも、はい・・・」
と、辟易しながら答えた。
まさか呪いの定期巡回に来たと言えないので、そう答え直したたのだろう。
(伏黒君、咄嗟にウソつけないタイプなんだな)
「あらぁ、そうなんだ!和紗ちゃんてば、なかなかやるわねぇ。こんな田舎にまで追って来させるほど、こんなシャイな男子高校生を夢中にさせるなんて」
何を邪推したのか、そんなことを百合子ちゃんは言い出した。
「何言ってるの」
と、私は百合子ちゃんに釘を刺すように言った。
「変な風に誤解しないで!」
「ふふっ。いいじゃない、そんな隠そうとしなくても」
「別に何も隠してないってば」
と私が尋ねると、伏黒君はしばらく思案した後、
「・・・だと思います。でも、念のためもう一度村を巡回してきます」
と、答えた。
「私も行く!」
すかさず私は言った。
すると伏黒君は玉犬の頭を撫でながら、
「二手に別れましょう。お前は鶴來さんと一緒に行け」
と、言った。
伏黒君の言葉に従うように、玉犬は私の元にやって来るとスリスリと体をくっつけてきた。
いかつい見た目に寄らず意外と人懐こい。
けれどコワイ。
「玉犬って、こんなんだったっけ?もう少し可愛らしかったと思ったんだけど・・・」
と、内心ビクビクしながら私は伏黒君に尋ねた。
「コイツは『渾』。『白』が英集少年院での任務の時に破壊されて、その後『黒』に能力が引き継がれて『渾』に進化した」
「そうなんだ・・・」
「呪霊の探知も、何かあった時もこの玉犬・渾が知らせてくれる」
「うん、わかった」
私は頷きつつ、まだ少し怯えながらも玉犬の頭を撫でた。
「よろしくね」
すると、玉犬は応えるように「ワン!」と大きく鳴いた。
「とりあえず一時間後にまた合流しましょう」
「わかった」
そうして、私と伏黒君は別れて巡回に向かった。
「・・・・・・」
玉犬と共に走りながら、当たりを見回す。
心が騒めく。
『『つるぎ庵』が土地に染み付いた呪いの暴走を抑え込む役割をしていたって』
以前、五条さんがそう言っていたことを思い出す。
あの人型の呪霊が、糠田が森の土地の呪いが暴走したものだとしたら・・・。
私は、握ったままだった呪玉を固く握り直した。
一時間、村中を隈なく見て回った。
呪霊は見当たらず、村の様子も変わった様子はなかった。
時間になったので、私と玉犬はバス停まで戻った。
すると、伏黒君も同じタイミングでバス停に戻って来ていた。
「どうだった?何かあった?」
という私の問いかけに、伏黒君は横に首を振った。
「・・・・・・」
私はホッと胸を撫でおろしながらも、まだどこか不安だった。
すると、伏黒君は言った。
「東京に戻ったら、五条先生に報告します」
「・・・・・・」
「その際には、鶴來さんの父親のことも報告するかもしれませんが・・・」
「・・・うん、別に構わないよ」
「・・・そうですか」
「うん。お父さんのことは五条さんに話したことがあるし。別にそんな気を遣わないで」
「・・・・・・」
「バス、行っちゃったね」
「・・・ですね」
「また三時間待たなきゃ」
その時だった。
「和紗ちゃーん!」
再びトーンの高くて明るい声が飛び込んできた。
だけど、今度はその声の主はすぐに誰だかわかった。
「百合子ちゃん」
百合子ちゃんが両手にスーパーの袋を提げてこちらに向かって走ってきた。
「よかったぁ、間に合って!もう帰っちゃったと思ってたから」
「どうしたの?」
「近所のオバちゃんズが野菜とか色々持ってきたの、和紗ちゃんに持たせてやれって。って、和紗ちゃん、こちらの方は?」
と、百合子ちゃんは伏黒君の方へ好奇の目を向ける。
なので、私は紹介するべく言った。
「あ、こちらは伏黒恵君。東京で友達になったの」
「・・・どうも」
と、伏黒君はペコリと会釈した。
すると、百合子ちゃんはますます好奇心で目をキラキラさせて、
「あらあらあらまあ!わざわざこんな片田舎にようこそ~!まさか、和紗ちゃんを追いかけて?」
と、ワクワクして伏黒君に尋ねた。
伏黒君はそんな百合子ちゃんに気圧されて、
「いや別に・・・あ、でも、はい・・・」
と、辟易しながら答えた。
まさか呪いの定期巡回に来たと言えないので、そう答え直したたのだろう。
(伏黒君、咄嗟にウソつけないタイプなんだな)
「あらぁ、そうなんだ!和紗ちゃんてば、なかなかやるわねぇ。こんな田舎にまで追って来させるほど、こんなシャイな男子高校生を夢中にさせるなんて」
何を邪推したのか、そんなことを百合子ちゃんは言い出した。
「何言ってるの」
と、私は百合子ちゃんに釘を刺すように言った。
「変な風に誤解しないで!」
「ふふっ。いいじゃない、そんな隠そうとしなくても」
「別に何も隠してないってば」