第17話 恋する呪霊
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おじいちゃんが、そんなことを。
でも、それでそんな発想になるなんて子どもじゃないんだから。
「まるで子どもの発想だよね」
そう言ってまた、五条さんは自嘲の笑みを浮かべた。
「・・・でも、僕の独りよがりだったんだよな、ずっと」
「・・・・・・」
違う。
独りよがりなんかじゃない。
嬉しかった。
五条さんがそばにいてくれたから、私は孤独じゃなくなった。
五条さんがそばで私を導いてくれたから、私は今ここにいる。
でも、そんな優しさが今はもうこわいの。
だって、五条さんはいずれ私の元から去ってしまうのがわかっているから。
「・・・・・・」
そう伝えたいのに、表面の私は薄っぺらい笑みを浮かべているだけで、言葉を紡ぐことが出来ない。
私がそんな調子で何の反応もしないので、五条さんは半ば諦めた様な語り口で続けた。
「ま、そんなわけで『つるぎ庵』の婿というポジションは諦めるけれど。これからも僕は和紗の呪術の師匠ではありつづけるから、ちゃんと謝礼は忘れないように!もちろん『あけづる』で!」
「・・・・・・」
私はスッと膝立ちして、擦るようにして五条さんのそばに近づく。
そして、座っている五条さんの膝の上に収まり両手を首に回して抱き着いた。
「ん?」
当然、五条さんは戸惑いの声を上げる。
「えーっと、これはどういう状態?」
それは、内なる私だって同じだ。
(ギ、ギャアアアアアアアアア!?)
いや、パニックを起こしていた。
(な、何してるの!?か、身体が勝手に!?)
でも、これで確信した。
私は、身体を乗っ取られている。
おそらく、あの鏡に映っていた女に・・・。
(だけど、何者なの?呪霊?身体を乗っ取る術式だとして、何の目的で・・・)
そんなことを考えている間にも、乗っ取られた私の身体は勝手に動く。
唇を五条さんの耳元に近づけて、
「・・・わちきと五条様が違う世界で生きているのは、もとより承知のこと。それでも、こうして逢瀬を重ねる刹那が、永久 よりもわちきには大切でありんす」
と、囁く。
それは、間違いなく私の声だ。
だけど、紡がれる言葉は私の意志とは無関係のものだ。
「・・・・・・」
五条さんはもはや戸惑いを通り越して驚いた様子で、私じゃない私の顔を見る。
互いの鼻先が触れてしまいそうなほどの至近距離で、五条さんと私じゃない私は見つめあう。
私じゃない私はゆっくりと両手を五条さんの顔に回して、その輪郭を包み込んだ。そして、
「・・・抱いておくんなんし」
と、熱っぽく言った。
「え?」
と、流石に五条さんも狼狽える。
私はと言うと、
(な、な、な、な・・・っ)
もはや、大混乱している。
(何訳わからないこと勝手に口走ってるのーっ!私の声でーっ!やめてーっ!!)
だけど、文字通り手も足も出せない。
いや、引っ込められない。
乗っ取られた私の身体は、ますますその行動をエスカレートさせていく。
いったん五条さんの膝の上から離れて立ち上がると、服を脱ぎ出し始めた。
Tシャツ、キャミソール、そしてスカート。
真夏日の軽装だったので、あっという間に下着だけの姿になってしまった。
「・・・・・・」
次にブラジャーを外そうとして手をかけたけれど、戸惑う様子で動きを止めた。
「はて。これはどのようにして脱げばよいのやら・・・」
そして、助け舟を求めて五条さんの方を振り返る。
五条さんはというと、唖然として私じゃない私を座り込んだまま見上げている。
私じゃない私はその様子を目にすると、
「クスッ」
と蠱惑的に笑ってしゃがみ込み、再び五条さんの首に両腕を絡めて抱きついた。
「そう固くならずとも。どうぞ力を抜いておくんなんし」
すると、五条さんは前に身を乗り出した。
抱きついたままの私じゃない私は、床に押し倒された形になる。
───ドクンッドクンッドクンッ
鼓動を高まらせるのは、私の身体を乗っ取った何者なのか。私自身なのか。
五条さんは私の表情を確認するようにジッと見下ろしている。
そうしてしばらくして、
「お前、誰だ?」
と、言った。
でも、それでそんな発想になるなんて子どもじゃないんだから。
「まるで子どもの発想だよね」
そう言ってまた、五条さんは自嘲の笑みを浮かべた。
「・・・でも、僕の独りよがりだったんだよな、ずっと」
「・・・・・・」
違う。
独りよがりなんかじゃない。
嬉しかった。
五条さんがそばにいてくれたから、私は孤独じゃなくなった。
五条さんがそばで私を導いてくれたから、私は今ここにいる。
でも、そんな優しさが今はもうこわいの。
だって、五条さんはいずれ私の元から去ってしまうのがわかっているから。
「・・・・・・」
そう伝えたいのに、表面の私は薄っぺらい笑みを浮かべているだけで、言葉を紡ぐことが出来ない。
私がそんな調子で何の反応もしないので、五条さんは半ば諦めた様な語り口で続けた。
「ま、そんなわけで『つるぎ庵』の婿というポジションは諦めるけれど。これからも僕は和紗の呪術の師匠ではありつづけるから、ちゃんと謝礼は忘れないように!もちろん『あけづる』で!」
「・・・・・・」
私はスッと膝立ちして、擦るようにして五条さんのそばに近づく。
そして、座っている五条さんの膝の上に収まり両手を首に回して抱き着いた。
「ん?」
当然、五条さんは戸惑いの声を上げる。
「えーっと、これはどういう状態?」
それは、内なる私だって同じだ。
(ギ、ギャアアアアアアアアア!?)
いや、パニックを起こしていた。
(な、何してるの!?か、身体が勝手に!?)
でも、これで確信した。
私は、身体を乗っ取られている。
おそらく、あの鏡に映っていた女に・・・。
(だけど、何者なの?呪霊?身体を乗っ取る術式だとして、何の目的で・・・)
そんなことを考えている間にも、乗っ取られた私の身体は勝手に動く。
唇を五条さんの耳元に近づけて、
「・・・わちきと五条様が違う世界で生きているのは、もとより承知のこと。それでも、こうして逢瀬を重ねる刹那が、
と、囁く。
それは、間違いなく私の声だ。
だけど、紡がれる言葉は私の意志とは無関係のものだ。
「・・・・・・」
五条さんはもはや戸惑いを通り越して驚いた様子で、私じゃない私の顔を見る。
互いの鼻先が触れてしまいそうなほどの至近距離で、五条さんと私じゃない私は見つめあう。
私じゃない私はゆっくりと両手を五条さんの顔に回して、その輪郭を包み込んだ。そして、
「・・・抱いておくんなんし」
と、熱っぽく言った。
「え?」
と、流石に五条さんも狼狽える。
私はと言うと、
(な、な、な、な・・・っ)
もはや、大混乱している。
(何訳わからないこと勝手に口走ってるのーっ!私の声でーっ!やめてーっ!!)
だけど、文字通り手も足も出せない。
いや、引っ込められない。
乗っ取られた私の身体は、ますますその行動をエスカレートさせていく。
いったん五条さんの膝の上から離れて立ち上がると、服を脱ぎ出し始めた。
Tシャツ、キャミソール、そしてスカート。
真夏日の軽装だったので、あっという間に下着だけの姿になってしまった。
「・・・・・・」
次にブラジャーを外そうとして手をかけたけれど、戸惑う様子で動きを止めた。
「はて。これはどのようにして脱げばよいのやら・・・」
そして、助け舟を求めて五条さんの方を振り返る。
五条さんはというと、唖然として私じゃない私を座り込んだまま見上げている。
私じゃない私はその様子を目にすると、
「クスッ」
と蠱惑的に笑ってしゃがみ込み、再び五条さんの首に両腕を絡めて抱きついた。
「そう固くならずとも。どうぞ力を抜いておくんなんし」
すると、五条さんは前に身を乗り出した。
抱きついたままの私じゃない私は、床に押し倒された形になる。
───ドクンッドクンッドクンッ
鼓動を高まらせるのは、私の身体を乗っ取った何者なのか。私自身なのか。
五条さんは私の表情を確認するようにジッと見下ろしている。
そうしてしばらくして、
「お前、誰だ?」
と、言った。