第15話 京都
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それを聞いて、五条さんは私に尋ねてきた。
「高田ちゃん?誰?」
「多分、アイドルかと」
確かテレビで見たことある。
長身でツインテールでセーラー服の・・・。
「ではこれで失礼する」
と、東堂君は五条さんと私に背を向けた。
だけど、
「お、そうだ」
と、何かを思い出したようにまたすぐこちらを振り返った。
「そういえば、俺も東京校の連中にあったぞ」
「あ、そうなの?」
「あのウニ頭の一年生・・・」
と、東堂君は言った。
ウニ頭。
それを聞いて、すぐにピンときた。
(伏黒君のことだ!)
五条さんもすぐに誰の事かわかったようで、
「恵のこと?会ったの?」
と言った。
東堂君は頷く。
「少し手合わせしてな」
「手合わせ?気が早いねぇ。そんな急かなくても交流会があるのに。で、どうだった?恵、強いでしょ?僕の教え子だもん」
「あぁ。可能性は感じる。が、まだまだだな」
東堂君は言った。
「交流会までにヤツをきちんと鍛え直しておいてくれ。でないと俺は退屈でたまらん」
私はチラッと五条さんの表情を伺った。
雰囲気でも伝わる。
「・・・・・・」
五条さんは結構カチンときている。
だけど、東堂君は気にすることなく言葉を続けた。
「それに乙骨だ。乙骨を交流会に出してくれ。ヤツがいれば、少しは退屈しのぎになる」
「ダメだよ。憂太は今海外。残念でしたー」
でも、と五条さんは続けた。
「絶対退屈はしないよ。恵はこのままじゃないし、それに秘密兵器もいるからね」
秘密兵器。
それが誰の事なのかもすぐにわかった。
(悠仁君のことだ)
当然、東堂君は誰のことなのかわからないらしく訝し気に首を傾げる。
「秘密兵器、か。誰の事か問うても、ここでは教えてもらえんのだろうな。秘密なのだから」
「ま、楽しみにしといてよ」
五条さんの挑発するような言い方に、東堂君は不敵な笑みを浮かべた。
「楽しみにしている。では、また九月に会おう」
そうして、東堂君は立ち去って行った。
その後、新幹線の時間が迫ってきたため、私は京都駅へ戻ることにした。
五条さんはまだ京都に滞在する予定なのだけれど、駅まで私を見送ると言ってついて来てくれた。
歩きながら、私は五条さんに尋ねた。
「交流会って何するんですか?」
「普段の修業の成果を発表する場だよ。団体戦と個人戦とで東京校と京都校の各生徒たちが対戦するんだ」
「悠仁君も出るんですか?」
「うん、そこで復学させるつもりだよ」
「そっかぁ」
よかった。
早く復学して、伏黒君と野薔薇ちゃんと再会できるといいなぁ。
少しホッとして、すぐまたふと思いついて、私はもう一度五条さんに質問した。
「あの・・・さっき東堂君が言ってた『百鬼夜行』って何なんですか?」
すると、五条さんはピタリと立ち止まってしまった。
つられて私も慌てて立ち止まる。
「あ、あの・・・」
何か訊いてはいけないことを訊いてしまったのかと思って焦る。
「ごめんなさい。前に七海さんも口にしてた言葉だったから、気になって。答えにくいことなら別に・・・」
「七海は何も説明しなかったの?」
「は、はい・・・」
「そっか」
五条さんはそう呟くと、再び歩き出した。
私もそれに続く。
「・・・・・・」
もう何も訊かないでおこう。
そう思って黙って歩いていたら、
「『百鬼夜行』は去年の12月24日に、とある呪詛師が新宿と京都で起こした呪術無差別テロだ」
と、五条さんが言った。
(12月24日って・・・)
その日付に私はハッとした。
五条さんと初めて出会った時、五条さんが言ってた。
『去年のクリスマスイブは散々なことがあってさ』
それが、『百鬼夜行』ってこと?
「その首謀者ってのが、僕の親友でさ」
五条さんは言った。
「僕がこの手で処刑したんだ」
その言葉の衝撃に、私は息をのみこんだ。
それなのに、そう言った五条さんの声はどこか渇いた響きで、それなのに表情は妙に穏やかだった。
「高田ちゃん?誰?」
「多分、アイドルかと」
確かテレビで見たことある。
長身でツインテールでセーラー服の・・・。
「ではこれで失礼する」
と、東堂君は五条さんと私に背を向けた。
だけど、
「お、そうだ」
と、何かを思い出したようにまたすぐこちらを振り返った。
「そういえば、俺も東京校の連中にあったぞ」
「あ、そうなの?」
「あのウニ頭の一年生・・・」
と、東堂君は言った。
ウニ頭。
それを聞いて、すぐにピンときた。
(伏黒君のことだ!)
五条さんもすぐに誰の事かわかったようで、
「恵のこと?会ったの?」
と言った。
東堂君は頷く。
「少し手合わせしてな」
「手合わせ?気が早いねぇ。そんな急かなくても交流会があるのに。で、どうだった?恵、強いでしょ?僕の教え子だもん」
「あぁ。可能性は感じる。が、まだまだだな」
東堂君は言った。
「交流会までにヤツをきちんと鍛え直しておいてくれ。でないと俺は退屈でたまらん」
私はチラッと五条さんの表情を伺った。
雰囲気でも伝わる。
「・・・・・・」
五条さんは結構カチンときている。
だけど、東堂君は気にすることなく言葉を続けた。
「それに乙骨だ。乙骨を交流会に出してくれ。ヤツがいれば、少しは退屈しのぎになる」
「ダメだよ。憂太は今海外。残念でしたー」
でも、と五条さんは続けた。
「絶対退屈はしないよ。恵はこのままじゃないし、それに秘密兵器もいるからね」
秘密兵器。
それが誰の事なのかもすぐにわかった。
(悠仁君のことだ)
当然、東堂君は誰のことなのかわからないらしく訝し気に首を傾げる。
「秘密兵器、か。誰の事か問うても、ここでは教えてもらえんのだろうな。秘密なのだから」
「ま、楽しみにしといてよ」
五条さんの挑発するような言い方に、東堂君は不敵な笑みを浮かべた。
「楽しみにしている。では、また九月に会おう」
そうして、東堂君は立ち去って行った。
その後、新幹線の時間が迫ってきたため、私は京都駅へ戻ることにした。
五条さんはまだ京都に滞在する予定なのだけれど、駅まで私を見送ると言ってついて来てくれた。
歩きながら、私は五条さんに尋ねた。
「交流会って何するんですか?」
「普段の修業の成果を発表する場だよ。団体戦と個人戦とで東京校と京都校の各生徒たちが対戦するんだ」
「悠仁君も出るんですか?」
「うん、そこで復学させるつもりだよ」
「そっかぁ」
よかった。
早く復学して、伏黒君と野薔薇ちゃんと再会できるといいなぁ。
少しホッとして、すぐまたふと思いついて、私はもう一度五条さんに質問した。
「あの・・・さっき東堂君が言ってた『百鬼夜行』って何なんですか?」
すると、五条さんはピタリと立ち止まってしまった。
つられて私も慌てて立ち止まる。
「あ、あの・・・」
何か訊いてはいけないことを訊いてしまったのかと思って焦る。
「ごめんなさい。前に七海さんも口にしてた言葉だったから、気になって。答えにくいことなら別に・・・」
「七海は何も説明しなかったの?」
「は、はい・・・」
「そっか」
五条さんはそう呟くと、再び歩き出した。
私もそれに続く。
「・・・・・・」
もう何も訊かないでおこう。
そう思って黙って歩いていたら、
「『百鬼夜行』は去年の12月24日に、とある呪詛師が新宿と京都で起こした呪術無差別テロだ」
と、五条さんが言った。
(12月24日って・・・)
その日付に私はハッとした。
五条さんと初めて出会った時、五条さんが言ってた。
『去年のクリスマスイブは散々なことがあってさ』
それが、『百鬼夜行』ってこと?
「その首謀者ってのが、僕の親友でさ」
五条さんは言った。
「僕がこの手で処刑したんだ」
その言葉の衝撃に、私は息をのみこんだ。
それなのに、そう言った五条さんの声はどこか渇いた響きで、それなのに表情は妙に穏やかだった。