第15話 京都
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モイちゃんは何も疑っていないけれど、それが嘘だということは、私にはわかった。
(彼らも呪術高専の生徒なんだ。きっと京都校の)
と、彼らの顔を見渡していたら、‟真依ちゃん”と目が合った。
すると、彼女は私の近くに歩み寄ってきて、
「・・・貴女、見えてるわよね」
と、そっと耳打ちした。
私は驚いて目を見開いた。
「え・・・」
「その反応、当たりでしょう?やっぱり見えてるのね」
「・・・はい」
「それなら話は早いわ。この団地跡には、さっきのヤツみたいな気持ち悪いのがゴロゴロいるの。アイツらを祓わなきゃ、取り壊しも新しくマンションを建てることも出来ないからって、祓うように依頼されたの。かったるいったらないわぁ」
「・・・それはご苦労様です」
「だから、早くここを立ち去った方がいいわ。貴女たちを巻き込んで面倒臭いことになるのもゴメンだしね」
と言い終えると、‟真依ちゃん”は私から離れた。
一方で、“霞ちゃん”と話していたモイちゃんが言った。
「鶴來ちゃん、行こう。撮影の邪魔したらあかんし」
それを聞いた後、
「すみません」
と、“霞ちゃん”がペコリと頭を下げた。
私たちは彼女たちに背を向けて、団地跡を立ち去った。
「けったいな連中やったなぁ」
私とモイちゃんは再び鴨川沿いの目抜き通りまで戻り、再び観光地巡りをするべくバスが来るのを待った。
バス停の列に並びながら、私は行きたいお店リストを確認する。
(えーっと、次は・・・)
行ったお店の名前にはチェックを入れている。
しかし、チェックの数はまだまだ少ない。
「あれ~?行ってない店、まだ沢山じゃないの」
突然、背後から声が聞こえてきた。
驚いて振り向くと、そこには五条さんがいた。
「五条さん!」
五条さんは目隠しをサングラスに変えて、上着を脱いで肩に担いでいた。
「どうしたんですか、そのカッコ」
「さすがに目隠しも上着も暑くってさぁ。キョウレツだね、京都の夏って」
と、五条さんはグテ~っと項垂れた。
そんな五条さんを見て、
(暑さに参るなんて、五条さんも人間なんだな・・・)
なんてことを思っていたら、
「や~ん!五条さんってばサングラス姿もメチャクチャイケてますやん~!」
と、モイちゃんが黄色い声を上げた。だけど、すぐにふと真顔になって、
「鶴來ちゃんがここにいるってよくわかりましたね?」
と、五条さんに尋ねた。
「それは愛のレーダーで」
と、五条さんはおどけて答えた。
それを咎めるように私は五条さんを睨んだけれど(ホントはサトルをGPS代わりにしてるのに!)、五条さんは意に介さず言葉を続けた。
「僕もご一緒してもいいかなぁ?」
「そりゃ勿論・・・」
とモイちゃんは頷いたもののすぐに、
「・・・ウチ、ここからは別行動するわ」
と言い出した。
当然、私は困惑する。
「え?なんで?」
「えーっと、ほら、ウチ関西 出身やろ?地元の友達と会う約束しててん~。今の今まですっかり忘れとったわ~」
「そうだったんだ・・・」
「じゃ、また帰りの新幹線で。それまでおふたりさんでごゆっくり~」
と、モイちゃんは颯爽と去って行ってしまった。
「彼女、気が利くねぇ」
と言う五条さんの顔を私は見上げた。
すると五条さんは私を見下ろしてニッと笑みを浮かべた。
「さて、どこに行こか?」
「それよりも、陵 先生と話せたんですか?」
「あ、うん」
五条さんは頷いた。
「怪我もなく元気だったよ。午後には退院して、予定通り学校が手配した新幹線で帰るって」
「そうですか」
私は心の底からホッとした。
「よかった・・・」
だけど、五条さんが付け足すように言った。
「ただねぇ、慶太のヤツ、記憶がないって言うんだよね」
「え?」
「例の廃墟のホテルで『みささぎ』を顕現させた後の事、一切覚えてないって言うんだ」
「・・・・・・」
・・・それじゃあ、夏油さんのことは知らないってことなの?
私は、思わずホッとしてしまった。
そんな私の表情を、五条さんが伺っていることも気づかずに。
(彼らも呪術高専の生徒なんだ。きっと京都校の)
と、彼らの顔を見渡していたら、‟真依ちゃん”と目が合った。
すると、彼女は私の近くに歩み寄ってきて、
「・・・貴女、見えてるわよね」
と、そっと耳打ちした。
私は驚いて目を見開いた。
「え・・・」
「その反応、当たりでしょう?やっぱり見えてるのね」
「・・・はい」
「それなら話は早いわ。この団地跡には、さっきのヤツみたいな気持ち悪いのがゴロゴロいるの。アイツらを祓わなきゃ、取り壊しも新しくマンションを建てることも出来ないからって、祓うように依頼されたの。かったるいったらないわぁ」
「・・・それはご苦労様です」
「だから、早くここを立ち去った方がいいわ。貴女たちを巻き込んで面倒臭いことになるのもゴメンだしね」
と言い終えると、‟真依ちゃん”は私から離れた。
一方で、“霞ちゃん”と話していたモイちゃんが言った。
「鶴來ちゃん、行こう。撮影の邪魔したらあかんし」
それを聞いた後、
「すみません」
と、“霞ちゃん”がペコリと頭を下げた。
私たちは彼女たちに背を向けて、団地跡を立ち去った。
「けったいな連中やったなぁ」
私とモイちゃんは再び鴨川沿いの目抜き通りまで戻り、再び観光地巡りをするべくバスが来るのを待った。
バス停の列に並びながら、私は行きたいお店リストを確認する。
(えーっと、次は・・・)
行ったお店の名前にはチェックを入れている。
しかし、チェックの数はまだまだ少ない。
「あれ~?行ってない店、まだ沢山じゃないの」
突然、背後から声が聞こえてきた。
驚いて振り向くと、そこには五条さんがいた。
「五条さん!」
五条さんは目隠しをサングラスに変えて、上着を脱いで肩に担いでいた。
「どうしたんですか、そのカッコ」
「さすがに目隠しも上着も暑くってさぁ。キョウレツだね、京都の夏って」
と、五条さんはグテ~っと項垂れた。
そんな五条さんを見て、
(暑さに参るなんて、五条さんも人間なんだな・・・)
なんてことを思っていたら、
「や~ん!五条さんってばサングラス姿もメチャクチャイケてますやん~!」
と、モイちゃんが黄色い声を上げた。だけど、すぐにふと真顔になって、
「鶴來ちゃんがここにいるってよくわかりましたね?」
と、五条さんに尋ねた。
「それは愛のレーダーで」
と、五条さんはおどけて答えた。
それを咎めるように私は五条さんを睨んだけれど(ホントはサトルをGPS代わりにしてるのに!)、五条さんは意に介さず言葉を続けた。
「僕もご一緒してもいいかなぁ?」
「そりゃ勿論・・・」
とモイちゃんは頷いたもののすぐに、
「・・・ウチ、ここからは別行動するわ」
と言い出した。
当然、私は困惑する。
「え?なんで?」
「えーっと、ほら、ウチ
「そうだったんだ・・・」
「じゃ、また帰りの新幹線で。それまでおふたりさんでごゆっくり~」
と、モイちゃんは颯爽と去って行ってしまった。
「彼女、気が利くねぇ」
と言う五条さんの顔を私は見上げた。
すると五条さんは私を見下ろしてニッと笑みを浮かべた。
「さて、どこに行こか?」
「それよりも、
「あ、うん」
五条さんは頷いた。
「怪我もなく元気だったよ。午後には退院して、予定通り学校が手配した新幹線で帰るって」
「そうですか」
私は心の底からホッとした。
「よかった・・・」
だけど、五条さんが付け足すように言った。
「ただねぇ、慶太のヤツ、記憶がないって言うんだよね」
「え?」
「例の廃墟のホテルで『みささぎ』を顕現させた後の事、一切覚えてないって言うんだ」
「・・・・・・」
・・・それじゃあ、夏油さんのことは知らないってことなの?
私は、思わずホッとしてしまった。
そんな私の表情を、五条さんが伺っていることも気づかずに。