第14話 秘密の接吻(キス)
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「ちょっと、君。やり過ぎだよ」
と、夏油さんは陵先生に声をかけた。
「何・・・」
と、陵先生の振り向き様すぐに、
ガッ・・・!
夏油さんは力いっぱいに陵先生の顔を殴り、先生はそのまま気絶して倒れ込んでしまった。
『ケ・・・ッ』
呪霊の肉を食らっていた『みささぎ』が異変に気づき、夏油さんの方を見た。
『慶太・・・慶太ァァアァアーーッ!!』
そして肉片を放り投げて、夏油さんに襲いかかる。
「被呪者は生きてるが・・・試してみるか」
と、夏油さんは右手を掲げる。
(『呪霊操術』・・・!)
その手に引きつけられて、『みささぎ』の身体が引っぱられる。
しかし、『みささぎ』も取り込まれまいと踏ん張っている。
(もしこのまま『みささぎ』が夏油さんに取り込まれたら、陵先生にかけられた呪いが解ける・・・?)
私は固唾を呑んで、夏油さんと『みささぎ』が対峙するのをみつめた。
しかし、
「・・・やめだ」
と、突然夏油さんは右手を下ろした。
「やはり被害呪者を殺して調伏させないと、取り込めないみたいだね」
すると『みささぎ』も力尽きたのか、
『・・・・・・』
スーッとその姿が半透明になっていき、次第に溶けるように消えて見えなくなった。
辺りのざらついた呪霊の気配は消えて、静かな夜の静寂が戻ってきた。
「あ・・・」
私は我に返って、改めて周りを見回した。
陵先生も、祐平さんも、その友達も、専門学校の女の子達も、皆意識が戻らず倒れたままだ。
(どうして?『反転術式』が効いてるはずなのに)
私は不安から次第に混乱に陥った。
「ど、どうしよう・・・。警察?違う、救急車、いや・・・」
「放っておけばいいさ」
と、夏油さんは冷静というより冷徹な眼で倒れている皆を見下ろしている。
「猿共のことなど」
この人は、人を人と思っていなんだ。
助けようとなんて、欠片にも考えていない。
「和紗、行こう。ここは夜風が吹き荒んで冷える」
私は夏油さんを無視して、内心怯えながらポケットからスマホを取り出して電話をかけた。
「・・・もしもし?」
今は真夜中だ。当然眠っていたのだろう。
それでも、寝ぼけた声でその人は応答してくれた。
「どうしたの〜、和紗?こんな夜中に・・・」
「ご、五条さん」
私は震える声で、その名を呼んだ。
その瞬間、
「・・・・・・!」
夏油さんが驚いたように目を見開いていたけれど、今の混乱した私は、そんなことに気を留めている場合じゃなかった。
「どうしよう。みっ、『みささぎ』が、顕現してっ。そ、それで・・・」
と私が話すと、五条さんははっきりと目を覚ましたようだ。
「和紗、落ち着いて。『みささぎ』は今もそこに?慶太は?」
「『みささぎ』は消えました。陵先生は、殴られて意識を失って倒れたままです」
「和紗に怪我は?」
「私は、大丈夫です。でも、他のみんなが・・・!『反転術式』をしたのに、意識が戻らなくて」
「他のみんな?」
「陵先生の弟さん達が、同じ専門学校のコ達を連れて廃墟のホテルに肝試しに行ってしまったんです。私と先生は助けに行って、それで・・・」
「慶太の弟?肝試し?」
私の要領の得ない説明に戸惑いながらも、五条さんは落ち着いた声で話を続けた。
「経緯は今はいいよ。僕が今から京都校に救助に向かうように要請する」
「京都校?」
「うん。僕が今からそっちに向かうよりも、その方が迅速に対応出来る。だから、その廃墟のホテルの名前がわかるなら教えて」
「あ、はい。【ホテル万畳】です・・・」
「【ホテル万畳】ね。オッケー。京都校に連絡する。それまでそこで待てる?」
「・・・はい」
「京都校の人間に状況説明を求められると思うけど、『みささぎ』のことは伏せて置いて。でないと、慶太を処刑しろって言い出しかねないからね。京都校の学長 は」
「ジジイ?」
「半分即身仏の保守派筆頭。僕とソリがあわない」
「即身仏って・・・」
そこで、ようやく私は幾らか落ち着くことが出来た。
「・・・すみません。陵先生を呪霊に引き合わせないようにって言われてたのに」
「大丈夫だよ。和紗に怪我がないのなら良かった。・・・しかし慶太を殴ったって、和紗がやったの?」
「あの、それが・・・」
と言いかけたところで、突然、私の手からスマホが奪われた。
と、夏油さんは陵先生に声をかけた。
「何・・・」
と、陵先生の振り向き様すぐに、
ガッ・・・!
夏油さんは力いっぱいに陵先生の顔を殴り、先生はそのまま気絶して倒れ込んでしまった。
『ケ・・・ッ』
呪霊の肉を食らっていた『みささぎ』が異変に気づき、夏油さんの方を見た。
『慶太・・・慶太ァァアァアーーッ!!』
そして肉片を放り投げて、夏油さんに襲いかかる。
「被呪者は生きてるが・・・試してみるか」
と、夏油さんは右手を掲げる。
(『呪霊操術』・・・!)
その手に引きつけられて、『みささぎ』の身体が引っぱられる。
しかし、『みささぎ』も取り込まれまいと踏ん張っている。
(もしこのまま『みささぎ』が夏油さんに取り込まれたら、陵先生にかけられた呪いが解ける・・・?)
私は固唾を呑んで、夏油さんと『みささぎ』が対峙するのをみつめた。
しかし、
「・・・やめだ」
と、突然夏油さんは右手を下ろした。
「やはり被害呪者を殺して調伏させないと、取り込めないみたいだね」
すると『みささぎ』も力尽きたのか、
『・・・・・・』
スーッとその姿が半透明になっていき、次第に溶けるように消えて見えなくなった。
辺りのざらついた呪霊の気配は消えて、静かな夜の静寂が戻ってきた。
「あ・・・」
私は我に返って、改めて周りを見回した。
陵先生も、祐平さんも、その友達も、専門学校の女の子達も、皆意識が戻らず倒れたままだ。
(どうして?『反転術式』が効いてるはずなのに)
私は不安から次第に混乱に陥った。
「ど、どうしよう・・・。警察?違う、救急車、いや・・・」
「放っておけばいいさ」
と、夏油さんは冷静というより冷徹な眼で倒れている皆を見下ろしている。
「猿共のことなど」
この人は、人を人と思っていなんだ。
助けようとなんて、欠片にも考えていない。
「和紗、行こう。ここは夜風が吹き荒んで冷える」
私は夏油さんを無視して、内心怯えながらポケットからスマホを取り出して電話をかけた。
「・・・もしもし?」
今は真夜中だ。当然眠っていたのだろう。
それでも、寝ぼけた声でその人は応答してくれた。
「どうしたの〜、和紗?こんな夜中に・・・」
「ご、五条さん」
私は震える声で、その名を呼んだ。
その瞬間、
「・・・・・・!」
夏油さんが驚いたように目を見開いていたけれど、今の混乱した私は、そんなことに気を留めている場合じゃなかった。
「どうしよう。みっ、『みささぎ』が、顕現してっ。そ、それで・・・」
と私が話すと、五条さんははっきりと目を覚ましたようだ。
「和紗、落ち着いて。『みささぎ』は今もそこに?慶太は?」
「『みささぎ』は消えました。陵先生は、殴られて意識を失って倒れたままです」
「和紗に怪我は?」
「私は、大丈夫です。でも、他のみんなが・・・!『反転術式』をしたのに、意識が戻らなくて」
「他のみんな?」
「陵先生の弟さん達が、同じ専門学校のコ達を連れて廃墟のホテルに肝試しに行ってしまったんです。私と先生は助けに行って、それで・・・」
「慶太の弟?肝試し?」
私の要領の得ない説明に戸惑いながらも、五条さんは落ち着いた声で話を続けた。
「経緯は今はいいよ。僕が今から京都校に救助に向かうように要請する」
「京都校?」
「うん。僕が今からそっちに向かうよりも、その方が迅速に対応出来る。だから、その廃墟のホテルの名前がわかるなら教えて」
「あ、はい。【ホテル万畳】です・・・」
「【ホテル万畳】ね。オッケー。京都校に連絡する。それまでそこで待てる?」
「・・・はい」
「京都校の人間に状況説明を求められると思うけど、『みささぎ』のことは伏せて置いて。でないと、慶太を処刑しろって言い出しかねないからね。京都校の
「ジジイ?」
「半分即身仏の保守派筆頭。僕とソリがあわない」
「即身仏って・・・」
そこで、ようやく私は幾らか落ち着くことが出来た。
「・・・すみません。陵先生を呪霊に引き合わせないようにって言われてたのに」
「大丈夫だよ。和紗に怪我がないのなら良かった。・・・しかし慶太を殴ったって、和紗がやったの?」
「あの、それが・・・」
と言いかけたところで、突然、私の手からスマホが奪われた。