第14話 秘密の接吻(キス)
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「まさかこんなところで再会するとはね。それにしても・・・何故このようなところに?肝試しかな?」
と、僧侶は私に尋ねた。
そして、袈裟の袖を揺らしながら更に私に近づいてくる。
布ずれの音は、この音だったんだ。
「・・・ここへ肝試しに来た友達を探しに来たんです」
と、私は僧侶の顔を見上げながら言った。
「そういうあなたは?悪霊祓いに来たんですか?」
「・・・ふっ」
私の言葉を聞いて、僧侶は噴き出して笑った。
「そうだね。御覧の通り、私は僧侶だからね」
「・・・でも、早くここを離れた方がいいです」
「何故?」
「ここには本当にいるんです。でも、ヤツらにはお経なんか通用しません」
「ヤツら?それは後ろにいるアレのことかな?」
僧侶にそう言われて、私は後ろを振り返った。
すると、背後にさっき私に襲い掛かってきた呪霊たちが追い付いてきていた。
「・・・・!」
私はすかさず身構える。
だけど、はたと気づいて僧侶の顔を見返した。
「・・・見えてるんですか?呪霊が」
私の問いかけに答える代わりに、僧侶は目を細めて微笑み言った。
「さっき君はヤツらにお経は通用しないと言ったね」
そして、右手を掲げる。
「それなら、この術式はどうかな?」
すると、呪霊たちの身体がパン生地のようにグニャリと変形した。そして、僧侶の手に吸いあげられてグーンと伸びていく。
そのまま彼の手元で渦を巻くようにひとつにまとまり、やがて黒い球体になって手のひらに収まった。
「・・・・!」
私はただただ驚愕して、その光景を見ていた。
(術式って・・・こんな術式があるの?じゃあこの人も呪術師だということ・・・?)
僧侶は手のひらの上の黒い球体をコロコロと弄びながら、
「このような雑魚を取り込んでも仕方ないのだけれど。まぁ、『うずまき』の際に足しにはなるか」
と、その球体をなんと飲み込でしまった。
「え、飲み込んじゃうんですか!?」
思わず、言葉に出してしまった。
すると、僧侶は私の方へ振り向き言った。
「私の術式は『呪霊操術』。降伏した呪霊を取り込み自在に操れるものだ。さっきの呪霊共は二階級下の格下だったからね。無条件で取り込めた」
「・・・フォンダンショコラ」
「え?」
「あ、さっきの、丸くなった呪霊・・・フォンダンショコラみたいだなって・・・」
混乱するあまり、つい馬鹿なことを口走ってしまった。
僧侶もキョトンとした後、また噴き出して笑い出した。
「アハハハ!そんな甘い味だったらよかったんだけどね」
「・・・味がするんですか?」
「どんな味か知りたい?」
「・・・いえ、結構です」
すると、僧侶はフッと微笑んで改めて語りだした。
「私がここへ来たのは、強力な呪霊を取り込むため。強い呪霊を手駒として集めるため、強力な呪霊が発生している場所を渡り歩いているんだ」
「・・・ポケモンみたいですね」
「ふふ。確かにね。そんなもんだと思ってくれていいよ。で、君は?呪術師なの?」
「・・・違います」
私は答えた。
「でも、訳あって呪術のことは知ってます」
「そう」
と、僧侶は呟いた後。
「じゃあ、私と一緒に行こう。君は友達を、私はここにいる上級呪霊を探す。私と一緒だと君も心強いだろう」
「・・・・・・」
確かにその通りだ。でも・・・。
「あなたは、私と一緒に行って何のメリットが?」
私が尋ねると、僧侶はニコリと微笑んで答えた。
「君と話していると楽しいからだよ」
「え・・・」
そんなことで!?
「こんな暗くて怖いところ、ひとりで歩くのは心細いからねぇ」
「・・・そんなこと、全然思ってなさそうですけど・・・」
「で、どうする?一緒に行く?」
「・・・よろしくお願いします」
「よかった。うん、よろしく。えっと・・・君の名は」
「あ、鶴來和紗です」
「そう、和紗というのか。良い名前だね。私の名は・・・」
彼は、目をさらに細め微笑みながら言った。
「夏油傑」
と、僧侶は私に尋ねた。
そして、袈裟の袖を揺らしながら更に私に近づいてくる。
布ずれの音は、この音だったんだ。
「・・・ここへ肝試しに来た友達を探しに来たんです」
と、私は僧侶の顔を見上げながら言った。
「そういうあなたは?悪霊祓いに来たんですか?」
「・・・ふっ」
私の言葉を聞いて、僧侶は噴き出して笑った。
「そうだね。御覧の通り、私は僧侶だからね」
「・・・でも、早くここを離れた方がいいです」
「何故?」
「ここには本当にいるんです。でも、ヤツらにはお経なんか通用しません」
「ヤツら?それは後ろにいるアレのことかな?」
僧侶にそう言われて、私は後ろを振り返った。
すると、背後にさっき私に襲い掛かってきた呪霊たちが追い付いてきていた。
「・・・・!」
私はすかさず身構える。
だけど、はたと気づいて僧侶の顔を見返した。
「・・・見えてるんですか?呪霊が」
私の問いかけに答える代わりに、僧侶は目を細めて微笑み言った。
「さっき君はヤツらにお経は通用しないと言ったね」
そして、右手を掲げる。
「それなら、この術式はどうかな?」
すると、呪霊たちの身体がパン生地のようにグニャリと変形した。そして、僧侶の手に吸いあげられてグーンと伸びていく。
そのまま彼の手元で渦を巻くようにひとつにまとまり、やがて黒い球体になって手のひらに収まった。
「・・・・!」
私はただただ驚愕して、その光景を見ていた。
(術式って・・・こんな術式があるの?じゃあこの人も呪術師だということ・・・?)
僧侶は手のひらの上の黒い球体をコロコロと弄びながら、
「このような雑魚を取り込んでも仕方ないのだけれど。まぁ、『うずまき』の際に足しにはなるか」
と、その球体をなんと飲み込でしまった。
「え、飲み込んじゃうんですか!?」
思わず、言葉に出してしまった。
すると、僧侶は私の方へ振り向き言った。
「私の術式は『呪霊操術』。降伏した呪霊を取り込み自在に操れるものだ。さっきの呪霊共は二階級下の格下だったからね。無条件で取り込めた」
「・・・フォンダンショコラ」
「え?」
「あ、さっきの、丸くなった呪霊・・・フォンダンショコラみたいだなって・・・」
混乱するあまり、つい馬鹿なことを口走ってしまった。
僧侶もキョトンとした後、また噴き出して笑い出した。
「アハハハ!そんな甘い味だったらよかったんだけどね」
「・・・味がするんですか?」
「どんな味か知りたい?」
「・・・いえ、結構です」
すると、僧侶はフッと微笑んで改めて語りだした。
「私がここへ来たのは、強力な呪霊を取り込むため。強い呪霊を手駒として集めるため、強力な呪霊が発生している場所を渡り歩いているんだ」
「・・・ポケモンみたいですね」
「ふふ。確かにね。そんなもんだと思ってくれていいよ。で、君は?呪術師なの?」
「・・・違います」
私は答えた。
「でも、訳あって呪術のことは知ってます」
「そう」
と、僧侶は呟いた後。
「じゃあ、私と一緒に行こう。君は友達を、私はここにいる上級呪霊を探す。私と一緒だと君も心強いだろう」
「・・・・・・」
確かにその通りだ。でも・・・。
「あなたは、私と一緒に行って何のメリットが?」
私が尋ねると、僧侶はニコリと微笑んで答えた。
「君と話していると楽しいからだよ」
「え・・・」
そんなことで!?
「こんな暗くて怖いところ、ひとりで歩くのは心細いからねぇ」
「・・・そんなこと、全然思ってなさそうですけど・・・」
「で、どうする?一緒に行く?」
「・・・よろしくお願いします」
「よかった。うん、よろしく。えっと・・・君の名は」
「あ、鶴來和紗です」
「そう、和紗というのか。良い名前だね。私の名は・・・」
彼は、目をさらに細め微笑みながら言った。
「夏油傑」