第14話 秘密の接吻(キス)
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
私とモイちゃんが大浴場から戻って来ると、祐平さんとその友達が5人、ぞろぞろと部屋から出てくるのに遭遇した。
意外と早い時間にお開きになったんだなと思いきや、彼らの後に続いて専門学校の女の子たちも出てきた。
「どこいくの?」
思わず私は彼女たちに問い詰めた。
「夜間は外出禁止でしょ」
すると彼女たちはバツが悪そうに互いの顔を見合わせた。
「肝試しに行くねん」
彼女たちの代わりに口を開いたのは、祐平さんだった。
私は眉をひそめて祐平さんを振り返った。
「肝試し?」
「そっ。夏の夜のお楽しみといえば肝試しやろ?この近所に有名な心霊スポットがあるねん。そこの話してたら盛り上がっちゃってさ、皆で行こうってことになってん」
「お願い、鶴來さん!」
女の子たちのうちのひとりが両手を合わせて懇願するように言った。
「日付が変わる前には戻って来るから!陵先生には内緒にしてて。ね?」
「でも、明日も実習はあるんだよ。それにあなた達に何かあったら、責任を問われるのは陵先生なんだよ?」
と、見過ごそうとしない私にしびれを切らしたのか、祐平さんの友達の一人が乱暴な口調で言った。
「あ~も~、頭が固いオンナやなぁ。察しろや、俺たち今良い雰囲気やねん。邪魔すな」
「良い雰囲気って・・・」
私は負けじとその人の顔を見据えて言った。
「そんなの関係ないです。私たちは勉強のためにここへきたんです。合コンしに来たんじゃないんです。どうしても彼女たちと付き合いたいっていうならせめて実習が終わってからにしてください」
「・・・はぁ?」
と、その人は凄むけど(何が「はぁ?」なんだか)、私は引き下がらず睨み返す。
ところが。
「もぅええやん、鶴來ちゃん」
私を諫めるように、モイちゃんが口を開いた。
「中高生の修学旅行じゃあるまいし、何かあっても自己責任ってことで行かせたらええやん」
「でも・・・」
その一方で、祐平さんも友達を諫める。
「オマエも落ち着けや」
そして、私の方を振り向いて言った。
「ごめんな、和紗ちゃん。こいつガラ悪ぅてさぁ。でも、慶太兄ちゃんには迷惑かけることはせえへんからさ。彼女たちのことはきちんとここに送り届けるし」
「・・・・・・」
そんなこと言われても信用できない。だけど、女の子たちも行くのを辞める様子はないので、私はもう黙ることにした。
そうして、祐平さんたちは肝試しへ行ってしまった。
「アホな連中やで。あんな煩悩のカタマリみたいなのについて行って。一晩遊ばれてそんで終わりやのになぁ」
それから私とモイちゃんは部屋に戻り、買ってきたアイスを食べながらテレビを見ている。
「・・・・・・」
モイちゃんの言葉を聞いて思い出した。
上京してすぐ、五条さんが私に言った言葉を。
『東京には呪いの他にこわいものがたくさんあるんだよ』
『飽くなき男の煩悩』
あの時は、何のことかわからなかったけれど。
「・・・このことだったんだ(ここは奈良だけど)」
「ん?何が?」
「ううん。ひとりごと」
23時を過ぎても、隣の部屋の女の子たちが戻って来る気配はない。
ついにしびれを切らして、私は言った。
「・・・やっぱり陵先生に話しに行こうか」
だけど、モイちゃんはあくびをしながら言った。
「そんなんせんでもええって。そのうち時間ギリギリに素知らぬ顔で帰って来るって」
「そうかな・・・」
「それよりもうそろそろ寝よう。電気消してもいい?」
と、モイちゃんは既に布団の中に潜り込み入眠モードになっている。
なので照明を消して、私も布団の中に潜り込んだ。
「・・・・・・」
モイちゃんがスヤスヤと熟睡する横で、私は眠れず暗闇の中目を開けていた。
するとそこへ、コンコンとドアをノックする音が聞こえてきた。
「・・・?」
布団から出て起き上がり、ドアを開けると。
「ごめん、夜分に」
そこには陵先生がいた。
意外と早い時間にお開きになったんだなと思いきや、彼らの後に続いて専門学校の女の子たちも出てきた。
「どこいくの?」
思わず私は彼女たちに問い詰めた。
「夜間は外出禁止でしょ」
すると彼女たちはバツが悪そうに互いの顔を見合わせた。
「肝試しに行くねん」
彼女たちの代わりに口を開いたのは、祐平さんだった。
私は眉をひそめて祐平さんを振り返った。
「肝試し?」
「そっ。夏の夜のお楽しみといえば肝試しやろ?この近所に有名な心霊スポットがあるねん。そこの話してたら盛り上がっちゃってさ、皆で行こうってことになってん」
「お願い、鶴來さん!」
女の子たちのうちのひとりが両手を合わせて懇願するように言った。
「日付が変わる前には戻って来るから!陵先生には内緒にしてて。ね?」
「でも、明日も実習はあるんだよ。それにあなた達に何かあったら、責任を問われるのは陵先生なんだよ?」
と、見過ごそうとしない私にしびれを切らしたのか、祐平さんの友達の一人が乱暴な口調で言った。
「あ~も~、頭が固いオンナやなぁ。察しろや、俺たち今良い雰囲気やねん。邪魔すな」
「良い雰囲気って・・・」
私は負けじとその人の顔を見据えて言った。
「そんなの関係ないです。私たちは勉強のためにここへきたんです。合コンしに来たんじゃないんです。どうしても彼女たちと付き合いたいっていうならせめて実習が終わってからにしてください」
「・・・はぁ?」
と、その人は凄むけど(何が「はぁ?」なんだか)、私は引き下がらず睨み返す。
ところが。
「もぅええやん、鶴來ちゃん」
私を諫めるように、モイちゃんが口を開いた。
「中高生の修学旅行じゃあるまいし、何かあっても自己責任ってことで行かせたらええやん」
「でも・・・」
その一方で、祐平さんも友達を諫める。
「オマエも落ち着けや」
そして、私の方を振り向いて言った。
「ごめんな、和紗ちゃん。こいつガラ悪ぅてさぁ。でも、慶太兄ちゃんには迷惑かけることはせえへんからさ。彼女たちのことはきちんとここに送り届けるし」
「・・・・・・」
そんなこと言われても信用できない。だけど、女の子たちも行くのを辞める様子はないので、私はもう黙ることにした。
そうして、祐平さんたちは肝試しへ行ってしまった。
「アホな連中やで。あんな煩悩のカタマリみたいなのについて行って。一晩遊ばれてそんで終わりやのになぁ」
それから私とモイちゃんは部屋に戻り、買ってきたアイスを食べながらテレビを見ている。
「・・・・・・」
モイちゃんの言葉を聞いて思い出した。
上京してすぐ、五条さんが私に言った言葉を。
『東京には呪いの他にこわいものがたくさんあるんだよ』
『飽くなき男の煩悩』
あの時は、何のことかわからなかったけれど。
「・・・このことだったんだ(ここは奈良だけど)」
「ん?何が?」
「ううん。ひとりごと」
23時を過ぎても、隣の部屋の女の子たちが戻って来る気配はない。
ついにしびれを切らして、私は言った。
「・・・やっぱり陵先生に話しに行こうか」
だけど、モイちゃんはあくびをしながら言った。
「そんなんせんでもええって。そのうち時間ギリギリに素知らぬ顔で帰って来るって」
「そうかな・・・」
「それよりもうそろそろ寝よう。電気消してもいい?」
と、モイちゃんは既に布団の中に潜り込み入眠モードになっている。
なので照明を消して、私も布団の中に潜り込んだ。
「・・・・・・」
モイちゃんがスヤスヤと熟睡する横で、私は眠れず暗闇の中目を開けていた。
するとそこへ、コンコンとドアをノックする音が聞こえてきた。
「・・・?」
布団から出て起き上がり、ドアを開けると。
「ごめん、夜分に」
そこには陵先生がいた。