第13話 呪いに取り憑かれた男
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「空気とかタイミングとか、そういうことじゃないでしょーっ!!」
私の怒髪天がふたりの頭上に炸裂した。
「死んだとか冗談でも言っちゃダメって教わらなかったの!!ふたりとも不謹慎よ!」
「冗談じゃないよー。悠仁、ホントに一度死んでるから」
五条さんは言った。
「宿儺の気まぐれか思惑かわからないけど、ヤツの反転術式で悠仁は生き返ったんだ」
「宿儺の・・・」
その名を聞いて、脳裏にあの邪悪な表情が思い浮かび、身体中にゾクゾクと寒気が走った。
「でも、悠仁にはこのまま死んだままでいてもらう」
と、言った五条さんの言葉に私はキョトンとする。
「え?」
「ことの発端は、宿儺を取り込んでいる悠仁が生きていることが気に入らない高専の上層部が仕組んだことだ。連中が悠仁がまだ生きていることを知ったら、また違うやり方で悠仁の命を狙ってくるだろう」
「そんな・・・」
気に入らないなんて。それどころか、命を狙われているなんて。
私は愕然としていた。
むしろ、悠仁君は大事に守られているものと思っていたからだ。
「だから、上層部の連中にもそこいらの呪霊にもどうこうされないくらいの力を悠仁につけさせたい。それまで連中を欺くってわけさ」
と、五条さんは言った。
「しばらく高専の隠し地下室に潜伏して、修業、修業、修業の日々を送る。だから、和紗にも協力してほしいんだ」
「私が?」
「協力っていっても、生活面でのサポートだけどね。特に食事面。自炊も出来なくはないけど、修業後はきっとヘトヘトだろうからね~。かといってデリバリーは頼めないし」
と、五条さんはチラッと悠仁君に視線を向けた。
その視線を受けて、悠仁君はもう一度私に向けて両手を合わせた。
「お願いしゃっす!和紗さん」
「それはもちろんオーケーだよ。でも・・・」
私は言った。
「伏黒君や野薔薇ちゃんはこのことを知ってるんですか?」
「もちろん、知らないよ~」
五条さんが答えた。
「恵も野薔薇もまだ悠仁が死んだままと思って涙涙涙の日々さ~」
「え。早く教えてあげましょうよ・・・」
「ダメダメ。敵を欺くには味方からって言うでしょ?だから、和紗からも話しちゃダメだよ」
「はぁ・・・」
そんなのでいいのかなぁ。
生きてること、教えてあげた方が良いと思うけど。
しかし、五条さんはフフフとイタズラな笑みを口元に浮かべている。
それで、私はハッとした。
「・・・五条さん」
「ん?何?」
「伏黒君や野薔薇ちゃんに、私の時みたいに変なギャグのサプライズを仕掛けようとか思ってませんよね?」
「えー?どうかなー?」
「絶っっ対!やめてくださいね」
「ん~?」
と、五条さんはすっとぼけている(絶対、やる気だ)。
・・・ということで、悠仁君は高専の隠れ地下室に潜伏し、五条さんと修業の日々に入った。
私も悠仁君のために三食分のお弁当を作る日々が始まった(ちなみに、そのお弁当は五条さんか伊地知さんに届けてもらう)。
毎日三食作るのは、糠田が森にいた頃以来だったから久しぶりで大変だったけど、頑張っている悠仁君のことを思えばあれこれ献立を考えるのは気合が入った。
自分一人のためだと適当に済ませてしまうのに、誰かのためだと料理は張り切りたくなる。
お陰で、専門学校に持って行ってたお昼ご飯はいつもおにぎりだけだったのがやたら豪華なお弁当になった。
そう、私の通う専門学校もちょっとした変化があった。
「陵 慶太です。専門は和菓子です。よ、よろしくお願いします」
怪我(自転車に乗っていて転んだらしい)で急遽休職することになった和菓子の先生に代わって、新しい先生がやって来た。
陵慶太
ホワイトボードに書かれた珍しい苗字に、私は目を瞬かせた。
(みささぎって読むんだ・・・)
陵先生は、まだ学生にも見えるくらい年若い男の人で、ひょろりと背が高くやせ型の体型だ。
クルクルとした天然パーマで、長い前髪と大きなフレームの眼鏡にその顔の半分は隠れてしまっている。
私の怒髪天がふたりの頭上に炸裂した。
「死んだとか冗談でも言っちゃダメって教わらなかったの!!ふたりとも不謹慎よ!」
「冗談じゃないよー。悠仁、ホントに一度死んでるから」
五条さんは言った。
「宿儺の気まぐれか思惑かわからないけど、ヤツの反転術式で悠仁は生き返ったんだ」
「宿儺の・・・」
その名を聞いて、脳裏にあの邪悪な表情が思い浮かび、身体中にゾクゾクと寒気が走った。
「でも、悠仁にはこのまま死んだままでいてもらう」
と、言った五条さんの言葉に私はキョトンとする。
「え?」
「ことの発端は、宿儺を取り込んでいる悠仁が生きていることが気に入らない高専の上層部が仕組んだことだ。連中が悠仁がまだ生きていることを知ったら、また違うやり方で悠仁の命を狙ってくるだろう」
「そんな・・・」
気に入らないなんて。それどころか、命を狙われているなんて。
私は愕然としていた。
むしろ、悠仁君は大事に守られているものと思っていたからだ。
「だから、上層部の連中にもそこいらの呪霊にもどうこうされないくらいの力を悠仁につけさせたい。それまで連中を欺くってわけさ」
と、五条さんは言った。
「しばらく高専の隠し地下室に潜伏して、修業、修業、修業の日々を送る。だから、和紗にも協力してほしいんだ」
「私が?」
「協力っていっても、生活面でのサポートだけどね。特に食事面。自炊も出来なくはないけど、修業後はきっとヘトヘトだろうからね~。かといってデリバリーは頼めないし」
と、五条さんはチラッと悠仁君に視線を向けた。
その視線を受けて、悠仁君はもう一度私に向けて両手を合わせた。
「お願いしゃっす!和紗さん」
「それはもちろんオーケーだよ。でも・・・」
私は言った。
「伏黒君や野薔薇ちゃんはこのことを知ってるんですか?」
「もちろん、知らないよ~」
五条さんが答えた。
「恵も野薔薇もまだ悠仁が死んだままと思って涙涙涙の日々さ~」
「え。早く教えてあげましょうよ・・・」
「ダメダメ。敵を欺くには味方からって言うでしょ?だから、和紗からも話しちゃダメだよ」
「はぁ・・・」
そんなのでいいのかなぁ。
生きてること、教えてあげた方が良いと思うけど。
しかし、五条さんはフフフとイタズラな笑みを口元に浮かべている。
それで、私はハッとした。
「・・・五条さん」
「ん?何?」
「伏黒君や野薔薇ちゃんに、私の時みたいに変なギャグのサプライズを仕掛けようとか思ってませんよね?」
「えー?どうかなー?」
「絶っっ対!やめてくださいね」
「ん~?」
と、五条さんはすっとぼけている(絶対、やる気だ)。
・・・ということで、悠仁君は高専の隠れ地下室に潜伏し、五条さんと修業の日々に入った。
私も悠仁君のために三食分のお弁当を作る日々が始まった(ちなみに、そのお弁当は五条さんか伊地知さんに届けてもらう)。
毎日三食作るのは、糠田が森にいた頃以来だったから久しぶりで大変だったけど、頑張っている悠仁君のことを思えばあれこれ献立を考えるのは気合が入った。
自分一人のためだと適当に済ませてしまうのに、誰かのためだと料理は張り切りたくなる。
お陰で、専門学校に持って行ってたお昼ご飯はいつもおにぎりだけだったのがやたら豪華なお弁当になった。
そう、私の通う専門学校もちょっとした変化があった。
「
怪我(自転車に乗っていて転んだらしい)で急遽休職することになった和菓子の先生に代わって、新しい先生がやって来た。
陵慶太
ホワイトボードに書かれた珍しい苗字に、私は目を瞬かせた。
(みささぎって読むんだ・・・)
陵先生は、まだ学生にも見えるくらい年若い男の人で、ひょろりと背が高くやせ型の体型だ。
クルクルとした天然パーマで、長い前髪と大きなフレームの眼鏡にその顔の半分は隠れてしまっている。