第12話 回想、糠田が森
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「それじゃあ」
そんなことを考えていたら、僕はこんな言葉を口にしていた。
「『つるぎ庵』が復活したあかつきには、僕は君のところに婿入りするよ」
君の隣にいるのが、他の誰かじゃなくたって、この僕でもいいんじゃないの?
僕は和紗に婿入りのメリットを説明した。なかなかの名案だと思うんだけど、和紗は「何でそんな話になるんだ」といぶかしげに、
「そんなことして、五条さんに何のメリットがあるんですか?」
と、尋ねてきた。
「それはねぇ」
僕はやっとわかったんだ。
何で僕は。
その理由。
「『つるぎ庵』のおムコさんになったら、『あけづる』食べ放題だから☆」
すると、和紗はシラーっとした冷たい視線を僕に向けた後、プイっと顔を逸らしてしまった。
「あれ?和紗?」
「・・・・・・」
「なんでそっぽ向いてるの?」
「・・・・・・」
「この話気に入らない?おかしいなぁ。和紗にはメリットしかないと思うんだけど」
「・・・・・・」
「わかった、僕が店の手伝いをしないのが気に入らないんだ?よし、月一回だったら手伝おう」
「だから、そんなんじゃないです!」
だって、僕には必要なんだ。
反転術式でさえ癒せない傷を癒してくれる、あの身体と心に染み渡っていくような甘さの『あけづる』が。
きっと、君はそれを作ることが出来る。
それは他の誰も真似できない、君だけの術式。
優しくて、とびきり甘い呪術だ。
(色んな意味で、成長が楽しみだね)
新幹線はグングンとスピードを増して、東京へ向かっていく。
彼女にとって、新しい日々が始まる。
その日々は、良い日もあれば悪い日もあるだろう。
だけど、それは日日是好日。
いつしか聞いた祈りの言葉を、僕もそっと心の中でつぶやいた。
つづく
そんなことを考えていたら、僕はこんな言葉を口にしていた。
「『つるぎ庵』が復活したあかつきには、僕は君のところに婿入りするよ」
君の隣にいるのが、他の誰かじゃなくたって、この僕でもいいんじゃないの?
僕は和紗に婿入りのメリットを説明した。なかなかの名案だと思うんだけど、和紗は「何でそんな話になるんだ」といぶかしげに、
「そんなことして、五条さんに何のメリットがあるんですか?」
と、尋ねてきた。
「それはねぇ」
僕はやっとわかったんだ。
何で僕は。
その理由。
「『つるぎ庵』のおムコさんになったら、『あけづる』食べ放題だから☆」
すると、和紗はシラーっとした冷たい視線を僕に向けた後、プイっと顔を逸らしてしまった。
「あれ?和紗?」
「・・・・・・」
「なんでそっぽ向いてるの?」
「・・・・・・」
「この話気に入らない?おかしいなぁ。和紗にはメリットしかないと思うんだけど」
「・・・・・・」
「わかった、僕が店の手伝いをしないのが気に入らないんだ?よし、月一回だったら手伝おう」
「だから、そんなんじゃないです!」
だって、僕には必要なんだ。
反転術式でさえ癒せない傷を癒してくれる、あの身体と心に染み渡っていくような甘さの『あけづる』が。
きっと、君はそれを作ることが出来る。
それは他の誰も真似できない、君だけの術式。
優しくて、とびきり甘い呪術だ。
(色んな意味で、成長が楽しみだね)
新幹線はグングンとスピードを増して、東京へ向かっていく。
彼女にとって、新しい日々が始まる。
その日々は、良い日もあれば悪い日もあるだろう。
だけど、それは日日是好日。
いつしか聞いた祈りの言葉を、僕もそっと心の中でつぶやいた。
つづく
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