第11話 メゾン・ド・エグランティーヌ
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そして、フリーマーケット当日。
朝8時に会場の緑地公園に来て、私たちは開店準備を始めた。
「・・・なんで俺たちまで」
と、不服の声を上げるのは伏黒君。
「いいじゃん、伏黒~。なんか楽しいじゃん!学校の文化祭の準備みたいでさ」
と、伏黒君をなだめるのは悠仁君。
そう、手伝ってもらえるように、野薔薇ちゃんが二人に声をかけたのだ。
悠仁君は乗り気でいてくれているけれど、伏黒君は不満たらたらの様子だ。
「なんで休日までオマエらとつるんでなきゃならねぇんだ・・・」
「ごめんね、伏黒君」
私は言った。
「終わったら何でも好きなものご馳走するから」
「いや、そんなつもりじゃ・・・」
「あーもー!ウダウダうっとおしいのよ、アンタは!」
野薔薇ちゃんが私と伏黒君の間に入り込んで言った。
「男に二言はなし!引き受けたんなら最後までやり遂げる!」
「オマエなぁ・・・それが人に物を頼む態度かよ」
「あーもー、やめろよなぁ、オマエら。喧嘩するならそこのいてくれよ。準備で忙しいんだから」
いがみ合う野薔薇ちゃんと伏黒君を傍目に、悠仁君はテキパキと什器を組み立て配置していく。
「和紗さん、看板ここでいい?」
「うん!ありがとう、悠仁君」
「よっこらせっと・・・」
と、悠仁君は立てた看板をシゲシゲと見つめた。
「『メゾン・ド・エグランティーヌ』って・・・これが店の名前?どういう意味?」
「フフフフ・・・」
その質問を待っていた、と得意げな笑みを浮かべたのは野薔薇ちゃん。
「エグランティーヌっていうのはね、フランス語で野薔薇って意味なのよ」
「へぇ、そうなんだ」
「無教養なアンタはこんな機会でもなきゃ一生知ることもなかったわね、きっと」
「一言余計だな。でもさぁ、変じゃねぇ?」
悠仁君が首を傾げながら言った。
「売り物の洋服縫ったのって、ほとんど和紗さんだろ?それなのに釘崎の名前が店名につくっておかしくね?俺なら納得いかねーよ」
悠仁君の言葉に、
「だよな」
と、伏黒君は頷く。
そして野薔薇ちゃんは、
「え。和紗さんもそう思ってる?納得いってない?」
と、困惑しながら私に尋ねた。
私は慌ててブンブンと首を横に振った。
「そんなこと!だって洋服のデザインは野薔薇ちゃんの意見がほとんどだし。それに、私の名前を店名に使っても語呂が悪いしね」
「そ、そっか」
と、ホッとする野薔薇ちゃん。
「さ、開店まで時間がないわ。商品を並べていこう」
そうして、私は持ってきたトランクケースを開けて商品の洋服を取り出した。
一着一着をハンガーにかけて、ジャンルごとに分けてラックに並べていく。
「和紗さん、このシャツどこに並べる?」
と、野薔薇ちゃんに言われて私は振り返る。
見てみると、野薔薇ちゃんはサックスブルーのワイシャツを手に私の返答を待っていた。
「あ。それは売り物じゃないの」
と言う私の言葉に、野薔薇ちゃんは目を瞬かせた。
「え、そうなの?」
「うん。個人的に作ったもので・・・間違えて持ってきちゃったのね。トランクにしまっててくれる?」
「個人的に・・・」
すると、野薔薇ちゃんは急にニヤリと笑いながら言った。
「これってメンズシャツですよねぇ~。ひょっとして、カレシにプレゼントですかぁ~?」
「えっ!?」
思わぬ指摘をされて、私は赤面する。
「ち、ちがうちがう!別にカレシじゃなくて・・・」
「隠さないでくださいよぉ。別に和紗さんにカレシがいたって驚かないしぃ」
「そ、そんなのいないし!」
「はいはい。大事にしまっておきますねぇ」
「の、野薔薇ちゃん・・・!」
そんなこんなで『メゾン・ド・エグランティーヌ』のディスプレイは完成して。
「「すごーい!!」」
私と野薔薇ちゃんは嬉々として声を上げた。
「めちゃくちゃオシャレー!」
「ホントのお店みたーい!」
「このフリマがきっかけでショップから声かけられたらどうしよう!?私たち、パリコレデビューしちゃうかも!」
「野薔薇ちゃん、さすがにそれは気が早いよ~」
と、開店前からすでに浮かれ調子の私たちを。
「・・・女子って、妄想だけでなんであんなに盛り上がれんだろなー」
「・・・知らね」
と、悠仁君と伏黒君は生温い目で眺めていた。
朝8時に会場の緑地公園に来て、私たちは開店準備を始めた。
「・・・なんで俺たちまで」
と、不服の声を上げるのは伏黒君。
「いいじゃん、伏黒~。なんか楽しいじゃん!学校の文化祭の準備みたいでさ」
と、伏黒君をなだめるのは悠仁君。
そう、手伝ってもらえるように、野薔薇ちゃんが二人に声をかけたのだ。
悠仁君は乗り気でいてくれているけれど、伏黒君は不満たらたらの様子だ。
「なんで休日までオマエらとつるんでなきゃならねぇんだ・・・」
「ごめんね、伏黒君」
私は言った。
「終わったら何でも好きなものご馳走するから」
「いや、そんなつもりじゃ・・・」
「あーもー!ウダウダうっとおしいのよ、アンタは!」
野薔薇ちゃんが私と伏黒君の間に入り込んで言った。
「男に二言はなし!引き受けたんなら最後までやり遂げる!」
「オマエなぁ・・・それが人に物を頼む態度かよ」
「あーもー、やめろよなぁ、オマエら。喧嘩するならそこのいてくれよ。準備で忙しいんだから」
いがみ合う野薔薇ちゃんと伏黒君を傍目に、悠仁君はテキパキと什器を組み立て配置していく。
「和紗さん、看板ここでいい?」
「うん!ありがとう、悠仁君」
「よっこらせっと・・・」
と、悠仁君は立てた看板をシゲシゲと見つめた。
「『メゾン・ド・エグランティーヌ』って・・・これが店の名前?どういう意味?」
「フフフフ・・・」
その質問を待っていた、と得意げな笑みを浮かべたのは野薔薇ちゃん。
「エグランティーヌっていうのはね、フランス語で野薔薇って意味なのよ」
「へぇ、そうなんだ」
「無教養なアンタはこんな機会でもなきゃ一生知ることもなかったわね、きっと」
「一言余計だな。でもさぁ、変じゃねぇ?」
悠仁君が首を傾げながら言った。
「売り物の洋服縫ったのって、ほとんど和紗さんだろ?それなのに釘崎の名前が店名につくっておかしくね?俺なら納得いかねーよ」
悠仁君の言葉に、
「だよな」
と、伏黒君は頷く。
そして野薔薇ちゃんは、
「え。和紗さんもそう思ってる?納得いってない?」
と、困惑しながら私に尋ねた。
私は慌ててブンブンと首を横に振った。
「そんなこと!だって洋服のデザインは野薔薇ちゃんの意見がほとんどだし。それに、私の名前を店名に使っても語呂が悪いしね」
「そ、そっか」
と、ホッとする野薔薇ちゃん。
「さ、開店まで時間がないわ。商品を並べていこう」
そうして、私は持ってきたトランクケースを開けて商品の洋服を取り出した。
一着一着をハンガーにかけて、ジャンルごとに分けてラックに並べていく。
「和紗さん、このシャツどこに並べる?」
と、野薔薇ちゃんに言われて私は振り返る。
見てみると、野薔薇ちゃんはサックスブルーのワイシャツを手に私の返答を待っていた。
「あ。それは売り物じゃないの」
と言う私の言葉に、野薔薇ちゃんは目を瞬かせた。
「え、そうなの?」
「うん。個人的に作ったもので・・・間違えて持ってきちゃったのね。トランクにしまっててくれる?」
「個人的に・・・」
すると、野薔薇ちゃんは急にニヤリと笑いながら言った。
「これってメンズシャツですよねぇ~。ひょっとして、カレシにプレゼントですかぁ~?」
「えっ!?」
思わぬ指摘をされて、私は赤面する。
「ち、ちがうちがう!別にカレシじゃなくて・・・」
「隠さないでくださいよぉ。別に和紗さんにカレシがいたって驚かないしぃ」
「そ、そんなのいないし!」
「はいはい。大事にしまっておきますねぇ」
「の、野薔薇ちゃん・・・!」
そんなこんなで『メゾン・ド・エグランティーヌ』のディスプレイは完成して。
「「すごーい!!」」
私と野薔薇ちゃんは嬉々として声を上げた。
「めちゃくちゃオシャレー!」
「ホントのお店みたーい!」
「このフリマがきっかけでショップから声かけられたらどうしよう!?私たち、パリコレデビューしちゃうかも!」
「野薔薇ちゃん、さすがにそれは気が早いよ~」
と、開店前からすでに浮かれ調子の私たちを。
「・・・女子って、妄想だけでなんであんなに盛り上がれんだろなー」
「・・・知らね」
と、悠仁君と伏黒君は生温い目で眺めていた。