第11話 メゾン・ド・エグランティーヌ
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「よかったらどうぞー。月末に開催のフリーマーケットのお知らせでーす」
喫茶店を出て駅へ向かって歩いたところ、女の人がビラ配りをしていて、私たちに差し出した。
「フリーマーケット?」
興味を引かれて、私と野薔薇ちゃんはチラシを受け取り足を止めた。
すると、ビラ配りの人は言った。
「そうなんです。この近くにある緑地公園で、毎年開催してるんです。都内でも最大規模のフリマで、沢山の出店があって楽しいんですよ」
(フリマって・・・)
私はフリマに行ったことがない。
糠田が森では、年に数回蚤の市が催されていたけど。
そこで売られているものといえば、家の蔵に眠っている刀や兜、火縄銃など、誰が買うんだというものばかりだった。
(でも、東京のフリマってオシャレで楽しそう!)
野薔薇ちゃんも同じことを思ったらしく、
「楽しそう!」
と、声に出していた。
「じゃあ、ぜひ遊びに来てください!」
ビラ配りの人はニコニコしながら言った。
「ところで、布屋さんの紙袋をお持ちですけど、ハンドメイドされるんですか?」
「あ、洋裁を少々・・・」
「そうなんですね、素敵!出店者も募集してるんで、よかったら参加しませんか?ハンドメイド品を売ってるお店も多いんですよ」
「あ、いや、私は・・・」
人様に売れるようなレベルじゃないし、と断ろうとしたら、野薔薇ちゃんが嬉々として言った。
「すごく面白そう!ね、和紗さん、私たちも出店しよう!」
「え、でも何を売るの?」
「そりゃあ、和紗さんが作る洋服に決まってるでしょ」
「え、そんな人様に売れるようなレベルじゃないよ」
「そんなことない!絶対売れるって」
「でも月末でしょ。今からじゃそんな沢山作れないし」
「私も手伝うから!ね、やってみようよ〜。良いお小遣い稼ぎになるかもだし」
「・・・・・・」
お小遣い稼ぎ、という言葉に私はピクッと反応した。
確かに最近、東京暮らしに慣れてきてあちこち遊びに行っているせいか、出費が多い。
それに加えて、学校の実習も増えてきて学費もかかる。
バイト代以外に臨時収入があるとありがたい。
それに、さっき野薔薇ちゃんと語り合ったところだ。
たくさん、一緒に色んなことを楽しもうって。
「・・・じゃあ」
私は言った。
「やってみようかな」
それを聞いて、野薔薇ちゃんは嬉しそうに両手を上げた。
「やったー!これで私もフリマデビュー!」
そしてすかさずビラ配りの人が、
「よかったー!これ、出店申し込み用紙です!必要事項を記入していただけますか?」
と、書類を差し出した。
・・・そんなわけで、私と野薔薇ちゃんはフリーマーケットに出店することにした。
帰ってから早速、私は布の在庫を引っ張り出してスカートやワンピースを縫い始めた。
そんな私の様子を見て、五条さんはキョトンとしている。
「何やってんの、和紗」
「スカートを縫ってるんです」
「なんでまた急に」
「フリマに出店することになったんです。野薔薇ちゃんと一緒に」
「フリマ?野薔薇と?」
経緯を聞いて、五条さんは「ふーん」と頷いた。
「それだったらお菓子とか販売した方がいいんじゃ?腕試しにもなるだろし」
「私もそう思ったんですけど、素人が食べ物を販売するには色々許可が必要らしいんです」
「そうなんだ」
「はい。なので、今回は縫い物で参加しようって」
「そりゃ楽しそうで何よりだけど、作業はそこそこにしなよ。夜更かしはお肌に良くないよー」
「はいはい」
と、頷いたものの、スカートもワンピースもカットソーもパンツも、少なくともそれぞれ5着以上はほしい。
時間があれば、その他のアイテムも作りたい。
(時間があまりないから、急いで縫わないと!)
それに、いざ縫い始めると楽しくなってきた。
これからの季節を考え、店頭におくのは夏物にしようと決めた。それだと生地も薄手のもので縫いやすく裏地もつけなくていいので、比較的簡単に縫える。
そうしてフリマの日までに、私は野薔薇ちゃんにアシストしてもらいながら、10着のワンピース、8着のスカート、5着のパンツ、12着のトップスを縫い上げた。
喫茶店を出て駅へ向かって歩いたところ、女の人がビラ配りをしていて、私たちに差し出した。
「フリーマーケット?」
興味を引かれて、私と野薔薇ちゃんはチラシを受け取り足を止めた。
すると、ビラ配りの人は言った。
「そうなんです。この近くにある緑地公園で、毎年開催してるんです。都内でも最大規模のフリマで、沢山の出店があって楽しいんですよ」
(フリマって・・・)
私はフリマに行ったことがない。
糠田が森では、年に数回蚤の市が催されていたけど。
そこで売られているものといえば、家の蔵に眠っている刀や兜、火縄銃など、誰が買うんだというものばかりだった。
(でも、東京のフリマってオシャレで楽しそう!)
野薔薇ちゃんも同じことを思ったらしく、
「楽しそう!」
と、声に出していた。
「じゃあ、ぜひ遊びに来てください!」
ビラ配りの人はニコニコしながら言った。
「ところで、布屋さんの紙袋をお持ちですけど、ハンドメイドされるんですか?」
「あ、洋裁を少々・・・」
「そうなんですね、素敵!出店者も募集してるんで、よかったら参加しませんか?ハンドメイド品を売ってるお店も多いんですよ」
「あ、いや、私は・・・」
人様に売れるようなレベルじゃないし、と断ろうとしたら、野薔薇ちゃんが嬉々として言った。
「すごく面白そう!ね、和紗さん、私たちも出店しよう!」
「え、でも何を売るの?」
「そりゃあ、和紗さんが作る洋服に決まってるでしょ」
「え、そんな人様に売れるようなレベルじゃないよ」
「そんなことない!絶対売れるって」
「でも月末でしょ。今からじゃそんな沢山作れないし」
「私も手伝うから!ね、やってみようよ〜。良いお小遣い稼ぎになるかもだし」
「・・・・・・」
お小遣い稼ぎ、という言葉に私はピクッと反応した。
確かに最近、東京暮らしに慣れてきてあちこち遊びに行っているせいか、出費が多い。
それに加えて、学校の実習も増えてきて学費もかかる。
バイト代以外に臨時収入があるとありがたい。
それに、さっき野薔薇ちゃんと語り合ったところだ。
たくさん、一緒に色んなことを楽しもうって。
「・・・じゃあ」
私は言った。
「やってみようかな」
それを聞いて、野薔薇ちゃんは嬉しそうに両手を上げた。
「やったー!これで私もフリマデビュー!」
そしてすかさずビラ配りの人が、
「よかったー!これ、出店申し込み用紙です!必要事項を記入していただけますか?」
と、書類を差し出した。
・・・そんなわけで、私と野薔薇ちゃんはフリーマーケットに出店することにした。
帰ってから早速、私は布の在庫を引っ張り出してスカートやワンピースを縫い始めた。
そんな私の様子を見て、五条さんはキョトンとしている。
「何やってんの、和紗」
「スカートを縫ってるんです」
「なんでまた急に」
「フリマに出店することになったんです。野薔薇ちゃんと一緒に」
「フリマ?野薔薇と?」
経緯を聞いて、五条さんは「ふーん」と頷いた。
「それだったらお菓子とか販売した方がいいんじゃ?腕試しにもなるだろし」
「私もそう思ったんですけど、素人が食べ物を販売するには色々許可が必要らしいんです」
「そうなんだ」
「はい。なので、今回は縫い物で参加しようって」
「そりゃ楽しそうで何よりだけど、作業はそこそこにしなよ。夜更かしはお肌に良くないよー」
「はいはい」
と、頷いたものの、スカートもワンピースもカットソーもパンツも、少なくともそれぞれ5着以上はほしい。
時間があれば、その他のアイテムも作りたい。
(時間があまりないから、急いで縫わないと!)
それに、いざ縫い始めると楽しくなってきた。
これからの季節を考え、店頭におくのは夏物にしようと決めた。それだと生地も薄手のもので縫いやすく裏地もつけなくていいので、比較的簡単に縫える。
そうしてフリマの日までに、私は野薔薇ちゃんにアシストしてもらいながら、10着のワンピース、8着のスカート、5着のパンツ、12着のトップスを縫い上げた。