第11話 メゾン・ド・エグランティーヌ
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「え、いいの?」
と、私は戸惑いながらそれを受け取った。
野薔薇ちゃんはウンウンと頷いた。
「いいの。これは私たちが当てたものだから」
「わぁ、ありがとう」
と、私は早速カプセルを開けた。
中身は、イクラの軍艦寿司に目玉と手足がついたキャラクターのストラップだった。
「わあ、可愛い!」
「ホント!私のマグロだ~」
と、はしゃぐ私と野薔薇ちゃんを、
((・・・可愛いか?ソレ))
と、悠仁君と伏黒君は生暖かい目で見ている。
私は悠仁君の視線に気づいて、
「あ、悠仁君、さっきストラップ欲しいって言ってたよね。・・・要る?」
と、尋ねた。
だけど、悠仁君はブンブンと首を横に振った。
「いや!いいよ!和紗さんが持っててよ」
「そう・・・?」
するとそこへ、お会計を済ませて五条さんが店から出てきた。
「うわっ、何そのキモ可愛いストラップ」
と、五条さん。
「キモ、は余計です」
と、私はむくれつつも、
「ごちそうさまでした!ありがとうございます!」
と、一年ズと一緒にお辞儀をした。
「どういたしまして」
と、五条さんはニッと笑みを浮かべた。
「さ、一年ズは寮へ戻りなさい。さっそく明日から授業だよ~」
「・・・五条先生は?」
という野薔薇ちゃんの質問に、五条さんはキョトンとして答える。
「僕?僕は和紗と一緒に自分のマンションに帰るよ」
「え」
「言ってなかったっけ?和紗は僕のとこの居候だって」
「・・・・・・」
すると、野薔薇ちゃんはクルっと悠仁君と伏黒君の方を向き、コソコソと何やら話しだした。
「・・・大丈夫なの?あの人一応教師でしょ?問題ないの?」
「大丈夫だろ!五条先生だし!」
「・・・プライベートのことだ。どうでもいい」
「あてにならないわねー、アンタたち。・・・和紗さん」
と、野薔薇ちゃんは今度は私の方を振り向いて言った。
「連絡先交換しましょっ」
「あ、うん。そうだね」
私と野薔薇ちゃんは連絡先を交換した。
そして、野薔薇ちゃんは言った。
「スカートの生地、買いに行きましょうね!」
「うん。また連絡するね」
「・・・で、もし(五条先生が襲ってきて)何かあったらすぐ連絡してくださいね。助けに行くから」
「ん?う、うん」
何かってなんだろ。
呪霊に襲われるとかかな?
「じゃあ、おやすみなさーい!」
こうして一年ズと別れて、私と五条さんはマンションに戻るべくタクシーに乗り込んだ。
「・・・・・・・」
その車中、野薔薇ちゃんとお揃いのストラップを手に取り眺めていたら、
「野薔薇と仲良く出来そう?」
と、五条さんが尋ねてきた。
私は大きく頷いた。
「はい!とても」
「それはよかった」
「でも、なんだか意外で。野薔薇ちゃんって呪術師っぽくないっていうか。普通の女の子って感じで。悠仁君もだけど」
「恵のことは?」
「伏黒君は・・・っぽいですけど」
「ハハハ。誉め言葉ってことにしておくよ」
五条さんは言った。
「でも、悠仁も野薔薇もああみえてしっかりイカレてるけどね」
「イカレてる・・・?」
「呪術師としての素養がしっかりあるってこと」
「・・・・・・」
「でも、そのまえに学生であり、ひとりの若人でもある。そのバランスをとるためにも、和紗みたいな呪術高専の外の人間との交流も持ってほしいと思ったんだよね」
「・・・・・・」
外の人間。
自分でも自分を部外者だって言ってるし、わかっているのだけど。
(でも、何だか少しさみしいな)
境界線を引かれているようで、寂しくなる。
「・・・五条さんは」
「ん?」
「違う意味で、呪術師っぽくないですよね」
「どういう意味で?」
「軽薄すぎて」
「ひどいなぁ。こんなに生徒愛にあふれた情の深い教師はいないよ?」
五条さんも、伏黒君も悠仁君も野薔薇ちゃんも、境界線の向う側にいて、私だけがその手前で立ち尽くしている。
その距離がもどかしくて、少し寂しくて、気を紛らわせるように、私はストラップを触り続けていた。
と、私は戸惑いながらそれを受け取った。
野薔薇ちゃんはウンウンと頷いた。
「いいの。これは私たちが当てたものだから」
「わぁ、ありがとう」
と、私は早速カプセルを開けた。
中身は、イクラの軍艦寿司に目玉と手足がついたキャラクターのストラップだった。
「わあ、可愛い!」
「ホント!私のマグロだ~」
と、はしゃぐ私と野薔薇ちゃんを、
((・・・可愛いか?ソレ))
と、悠仁君と伏黒君は生暖かい目で見ている。
私は悠仁君の視線に気づいて、
「あ、悠仁君、さっきストラップ欲しいって言ってたよね。・・・要る?」
と、尋ねた。
だけど、悠仁君はブンブンと首を横に振った。
「いや!いいよ!和紗さんが持っててよ」
「そう・・・?」
するとそこへ、お会計を済ませて五条さんが店から出てきた。
「うわっ、何そのキモ可愛いストラップ」
と、五条さん。
「キモ、は余計です」
と、私はむくれつつも、
「ごちそうさまでした!ありがとうございます!」
と、一年ズと一緒にお辞儀をした。
「どういたしまして」
と、五条さんはニッと笑みを浮かべた。
「さ、一年ズは寮へ戻りなさい。さっそく明日から授業だよ~」
「・・・五条先生は?」
という野薔薇ちゃんの質問に、五条さんはキョトンとして答える。
「僕?僕は和紗と一緒に自分のマンションに帰るよ」
「え」
「言ってなかったっけ?和紗は僕のとこの居候だって」
「・・・・・・」
すると、野薔薇ちゃんはクルっと悠仁君と伏黒君の方を向き、コソコソと何やら話しだした。
「・・・大丈夫なの?あの人一応教師でしょ?問題ないの?」
「大丈夫だろ!五条先生だし!」
「・・・プライベートのことだ。どうでもいい」
「あてにならないわねー、アンタたち。・・・和紗さん」
と、野薔薇ちゃんは今度は私の方を振り向いて言った。
「連絡先交換しましょっ」
「あ、うん。そうだね」
私と野薔薇ちゃんは連絡先を交換した。
そして、野薔薇ちゃんは言った。
「スカートの生地、買いに行きましょうね!」
「うん。また連絡するね」
「・・・で、もし(五条先生が襲ってきて)何かあったらすぐ連絡してくださいね。助けに行くから」
「ん?う、うん」
何かってなんだろ。
呪霊に襲われるとかかな?
「じゃあ、おやすみなさーい!」
こうして一年ズと別れて、私と五条さんはマンションに戻るべくタクシーに乗り込んだ。
「・・・・・・・」
その車中、野薔薇ちゃんとお揃いのストラップを手に取り眺めていたら、
「野薔薇と仲良く出来そう?」
と、五条さんが尋ねてきた。
私は大きく頷いた。
「はい!とても」
「それはよかった」
「でも、なんだか意外で。野薔薇ちゃんって呪術師っぽくないっていうか。普通の女の子って感じで。悠仁君もだけど」
「恵のことは?」
「伏黒君は・・・っぽいですけど」
「ハハハ。誉め言葉ってことにしておくよ」
五条さんは言った。
「でも、悠仁も野薔薇もああみえてしっかりイカレてるけどね」
「イカレてる・・・?」
「呪術師としての素養がしっかりあるってこと」
「・・・・・・」
「でも、そのまえに学生であり、ひとりの若人でもある。そのバランスをとるためにも、和紗みたいな呪術高専の外の人間との交流も持ってほしいと思ったんだよね」
「・・・・・・」
外の人間。
自分でも自分を部外者だって言ってるし、わかっているのだけど。
(でも、何だか少しさみしいな)
境界線を引かれているようで、寂しくなる。
「・・・五条さんは」
「ん?」
「違う意味で、呪術師っぽくないですよね」
「どういう意味で?」
「軽薄すぎて」
「ひどいなぁ。こんなに生徒愛にあふれた情の深い教師はいないよ?」
五条さんも、伏黒君も悠仁君も野薔薇ちゃんも、境界線の向う側にいて、私だけがその手前で立ち尽くしている。
その距離がもどかしくて、少し寂しくて、気を紛らわせるように、私はストラップを触り続けていた。