第7話 ラヴロックスポートランド
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「和紗、僕、もう・・・」
「ま、待って。五条さん」
「もう我慢出来ない!」
「ダメっ、まだダメ!」
「だけど、コレ見てよ。こんなにも膨らんで大きくなってる・・・!」
「まだ早いです。ここは我慢して・・・!」
「ごめん、無理っ。出す!」
「ダメーっ!」
とある日曜日の昼下がり。
五条さんと私、ふたりとも珍しく一日オフの日。
私たちは何をしてるのかというと。
新しくオーブンレンジを買ったので、シフォンケーキを焼いていた。
学校の課題と五条さんへのギャラを兼ねて。
「ほらっ、やっぱり少し焦げてる!」
五条さんがオーブンから取り出したシフォンケーキの表面は、ほんのり黒く焦げてしまっていた。
それを見て、私は首を傾げる。
「うーん。設定温度が高すぎたのかなぁ」
「ま、見た目はイマイチだけど、すごく美味そうな匂いするよ。さっそく食べてみようよ」
と、早速焼き立てのシフォンケーキを実食してみることにしたのだけれど。
「うぇ〜・・・」
と、五条さんは舌を出した。
「中は生焼けだぁ」
「レシピ通りの温度設定したのに。やっぱり買ったばかりのオーブンって扱い難しいなぁ。クセがまだ掴めないっていうか・・・」
「ま、焼き具合はともかく、味自体は悪くないよ」
と、五条さんはもう一口頬張った。
「それにしても、学校の課題って和菓子だけじゃないんだね」
「一年目はジャンル問わず色々なお菓子について勉強するんです。専門を決めるのは二年目からですね」
「ふーん」
「でも、それがすごく面白いんですよね。洋菓子作りって和菓子作りにはない技術がたくさんあって、勉強になるんです」
「ほお」
「その技術を和菓子作りにも活かせたらなぁって思って。おじいちゃんは正統派な和菓子作りだったけど、私は和洋折衷なお菓子も作ってみたいんですよね」
「おっ、いいね。和洋折衷」
私の言葉を受けて、五条さんは言った。
「僕、好きだよ。餡子と生クリームの組み合わせとか」
「私も好きです!」
私はウキウキしながら言った。
「『あけづる』も白色一種類だけだけど、自然由来の着色料で、黄色とか桃色とか紫色とかカラフルに作れないかなぁって!マカロンみたいに」
「いいねぇ。呪物とは思えない可愛さ!」
さらに話は盛り上がる。
「じゃあさ、鶴の焼印も季節限定でデザイン違いにするとかどう?例えば、春は桜の花を咥えた鶴、クリスマスシーズンはサンタ帽子被った鶴とか」
「五条さん・・・!」
私はハッと息を飲んだ。
「それ、すごくいいです!そのアイデアいただきます!」
「どうぞどうぞ」
早速、私はお菓子のアイデアノートに焼印のデザインを描き起こしていく。
それを見ながら、五条さんは言った。
「いや〜、楽しみだねぇ。僕らの『つるぎ庵』復活の日が」
「・・・なんで『僕らの』なんですか」
「あれ、そこで盛り下がっちゃうの?」
食べ終えて片づけをしていたら、インターフォンが鳴った。
「おっ、来たかな?」
と、五条さんは座っていたソファから飛び上がるように立ちあがり、ウキウキとした様子で玄関に向かった。
(来たって、誰だろ?)
と、私はキッチンから様子を伺っていると、
「おかえり~、恵!ご苦労だったねぇ、日帰り出張」
と言う五条さんの声が聞こえてきた。
(メグミって、硝子さんが言ってた教え子の・・・?)
どんな女の子なんだろう。
気になって会話に耳をすませた。
だけど。
「ささっ、頼んでた例のものは?」
「それより任務の報告を先にきくべきじゃないですか?」
「ちゃんと祓ったんでしょ。恵がヘマするはずないもーん」
五条さんと会話しているのは、女の子ではなく男の子だった。
「ま、待って。五条さん」
「もう我慢出来ない!」
「ダメっ、まだダメ!」
「だけど、コレ見てよ。こんなにも膨らんで大きくなってる・・・!」
「まだ早いです。ここは我慢して・・・!」
「ごめん、無理っ。出す!」
「ダメーっ!」
とある日曜日の昼下がり。
五条さんと私、ふたりとも珍しく一日オフの日。
私たちは何をしてるのかというと。
新しくオーブンレンジを買ったので、シフォンケーキを焼いていた。
学校の課題と五条さんへのギャラを兼ねて。
「ほらっ、やっぱり少し焦げてる!」
五条さんがオーブンから取り出したシフォンケーキの表面は、ほんのり黒く焦げてしまっていた。
それを見て、私は首を傾げる。
「うーん。設定温度が高すぎたのかなぁ」
「ま、見た目はイマイチだけど、すごく美味そうな匂いするよ。さっそく食べてみようよ」
と、早速焼き立てのシフォンケーキを実食してみることにしたのだけれど。
「うぇ〜・・・」
と、五条さんは舌を出した。
「中は生焼けだぁ」
「レシピ通りの温度設定したのに。やっぱり買ったばかりのオーブンって扱い難しいなぁ。クセがまだ掴めないっていうか・・・」
「ま、焼き具合はともかく、味自体は悪くないよ」
と、五条さんはもう一口頬張った。
「それにしても、学校の課題って和菓子だけじゃないんだね」
「一年目はジャンル問わず色々なお菓子について勉強するんです。専門を決めるのは二年目からですね」
「ふーん」
「でも、それがすごく面白いんですよね。洋菓子作りって和菓子作りにはない技術がたくさんあって、勉強になるんです」
「ほお」
「その技術を和菓子作りにも活かせたらなぁって思って。おじいちゃんは正統派な和菓子作りだったけど、私は和洋折衷なお菓子も作ってみたいんですよね」
「おっ、いいね。和洋折衷」
私の言葉を受けて、五条さんは言った。
「僕、好きだよ。餡子と生クリームの組み合わせとか」
「私も好きです!」
私はウキウキしながら言った。
「『あけづる』も白色一種類だけだけど、自然由来の着色料で、黄色とか桃色とか紫色とかカラフルに作れないかなぁって!マカロンみたいに」
「いいねぇ。呪物とは思えない可愛さ!」
さらに話は盛り上がる。
「じゃあさ、鶴の焼印も季節限定でデザイン違いにするとかどう?例えば、春は桜の花を咥えた鶴、クリスマスシーズンはサンタ帽子被った鶴とか」
「五条さん・・・!」
私はハッと息を飲んだ。
「それ、すごくいいです!そのアイデアいただきます!」
「どうぞどうぞ」
早速、私はお菓子のアイデアノートに焼印のデザインを描き起こしていく。
それを見ながら、五条さんは言った。
「いや〜、楽しみだねぇ。僕らの『つるぎ庵』復活の日が」
「・・・なんで『僕らの』なんですか」
「あれ、そこで盛り下がっちゃうの?」
食べ終えて片づけをしていたら、インターフォンが鳴った。
「おっ、来たかな?」
と、五条さんは座っていたソファから飛び上がるように立ちあがり、ウキウキとした様子で玄関に向かった。
(来たって、誰だろ?)
と、私はキッチンから様子を伺っていると、
「おかえり~、恵!ご苦労だったねぇ、日帰り出張」
と言う五条さんの声が聞こえてきた。
(メグミって、硝子さんが言ってた教え子の・・・?)
どんな女の子なんだろう。
気になって会話に耳をすませた。
だけど。
「ささっ、頼んでた例のものは?」
「それより任務の報告を先にきくべきじゃないですか?」
「ちゃんと祓ったんでしょ。恵がヘマするはずないもーん」
五条さんと会話しているのは、女の子ではなく男の子だった。
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