第6話 パティスリーグラン
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2018年、4月。
私は、東京某所にある製菓専門学校に入学した。
それから早2週間。
東京での暮らしに慣れつつあったけれど、その中でつくづく実感することがある。
それは・・・お金と時間がとにかく足りないということ!
家賃は五条さんに免除してもらっているし、光熱費も折半で済んでいるから、とても助かっている。
だけど、実習の度に学費とは別途で材料費がかかる。
それに、個人的に行っている研究と称してスウィーツ店巡りにかかる経費。
おじいちゃんが幾らか貯金を残してくれていたけれど、それには出来るだけ手を出したくない。
なので、私はアルバイトを始めた。
アルバイトを始めたら、今度は時間まで足りなくなった。
とにかく、学校とアルバイトと家事、そして呪術修業で日々は目まぐるしく過ぎていく。
「た、ただいまぁ~」
と、この日もヘトヘトでマンションへ帰ったのは、夜9時を過ぎた頃。
ただいまと言っても、出迎える人はいない。
五条さんは、只今長期出張中なのだ。
帰りの道中のスーパーで買ってきたお弁当をレンジでチンしてリビングで食べる。
ここ数日の食事は、ずっとこんな感じだ。
自分一人だけのために、ご飯を作る気にはとてもなれない。
「・・・(もぐもぐ)」
食べながら、私は食器を収めているオープンラック(新しく買った。もともとはなかった)を見た。
そこに並んだ、お揃いのアネモネ柄のお茶碗。
まだ一度も使っていない(買った日は外食したから)。
「・・・(もぐもぐ)」
私は思い出していた。
「僕、基本的にご飯いらないから」
ある日、五条さんが言った。
「だから、僕の分は用意しなくていいから。逆にいる時は連絡するね」
「・・・わかりました」
と答えながらも、私は少し拍子抜けした。
(そっか。そうなんだ)
いや、わかっていたんだけど。
そもそもルームシェア(ほぼ居候だけど)の理由が、ほとんど使われていないこの部屋の換気と管理を任せたいってことなんだから。
・・・でも、せっかくお揃いのお茶碗買ったのにな。
「・・・ごちそうさま」
食べ終えて片付けをして、私は自分の部屋に戻った。
「ただいま~、サトル」
クッションの上に置いていた、ウサギ型呪骸のサトル(五条さんによる命名)を抱き上げる。
五条さんが私に課した呪術レッスン。
それは、このサトルに呪力を吹き込み動くようにさせること。
そのためには、私の中の微弱な呪力を練り上げて意識的に使えるようにならなければならない。
呪力の源は、負の感情。
(今なら、お金ない時間ない疲れたで、呪力が練れそう・・・)
と、目を閉じ呪力を吹き込むべくサトルにおでこをくっつけるけれど。
シーーーーン・・・
サトルは微動だにしない。
「はぁ~あ」
私はため息をついてサトルを抱きしめたまま、そのまま床に寝転んだ。
(全っ然、動かない)
まだ一度もサトルが動いたことはない。
(疲れた。今日はもう寝よう・・・)
私は布団も被らず、サトルを抱いたままそのまま眠ってしまった。
私は、東京某所にある製菓専門学校に入学した。
それから早2週間。
東京での暮らしに慣れつつあったけれど、その中でつくづく実感することがある。
それは・・・お金と時間がとにかく足りないということ!
家賃は五条さんに免除してもらっているし、光熱費も折半で済んでいるから、とても助かっている。
だけど、実習の度に学費とは別途で材料費がかかる。
それに、個人的に行っている研究と称してスウィーツ店巡りにかかる経費。
おじいちゃんが幾らか貯金を残してくれていたけれど、それには出来るだけ手を出したくない。
なので、私はアルバイトを始めた。
アルバイトを始めたら、今度は時間まで足りなくなった。
とにかく、学校とアルバイトと家事、そして呪術修業で日々は目まぐるしく過ぎていく。
「た、ただいまぁ~」
と、この日もヘトヘトでマンションへ帰ったのは、夜9時を過ぎた頃。
ただいまと言っても、出迎える人はいない。
五条さんは、只今長期出張中なのだ。
帰りの道中のスーパーで買ってきたお弁当をレンジでチンしてリビングで食べる。
ここ数日の食事は、ずっとこんな感じだ。
自分一人だけのために、ご飯を作る気にはとてもなれない。
「・・・(もぐもぐ)」
食べながら、私は食器を収めているオープンラック(新しく買った。もともとはなかった)を見た。
そこに並んだ、お揃いのアネモネ柄のお茶碗。
まだ一度も使っていない(買った日は外食したから)。
「・・・(もぐもぐ)」
私は思い出していた。
「僕、基本的にご飯いらないから」
ある日、五条さんが言った。
「だから、僕の分は用意しなくていいから。逆にいる時は連絡するね」
「・・・わかりました」
と答えながらも、私は少し拍子抜けした。
(そっか。そうなんだ)
いや、わかっていたんだけど。
そもそもルームシェア(ほぼ居候だけど)の理由が、ほとんど使われていないこの部屋の換気と管理を任せたいってことなんだから。
・・・でも、せっかくお揃いのお茶碗買ったのにな。
「・・・ごちそうさま」
食べ終えて片付けをして、私は自分の部屋に戻った。
「ただいま~、サトル」
クッションの上に置いていた、ウサギ型呪骸のサトル(五条さんによる命名)を抱き上げる。
五条さんが私に課した呪術レッスン。
それは、このサトルに呪力を吹き込み動くようにさせること。
そのためには、私の中の微弱な呪力を練り上げて意識的に使えるようにならなければならない。
呪力の源は、負の感情。
(今なら、お金ない時間ない疲れたで、呪力が練れそう・・・)
と、目を閉じ呪力を吹き込むべくサトルにおでこをくっつけるけれど。
シーーーーン・・・
サトルは微動だにしない。
「はぁ~あ」
私はため息をついてサトルを抱きしめたまま、そのまま床に寝転んだ。
(全っ然、動かない)
まだ一度もサトルが動いたことはない。
(疲れた。今日はもう寝よう・・・)
私は布団も被らず、サトルを抱いたままそのまま眠ってしまった。
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