第4話 額多ヶ守-参ー
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翌日。
私は久しぶりに学校に行くことにした。
それを受けて、百合子ちゃんは「もう大丈夫だね」と自宅に帰ることになった。
「で?」
私は尋ねた。
「五条さんは、いつまでここにいらっしゃるんですか?」
すると、五条さんはキョトンとした様子。
「え。いたらダメなの?」
「ダメとまでは言わないですけど。ここにいて当然って顔されても困ります」
「じゃあ、いてもいいでしょ?」
「そもそも何しに来たんですか」
「冷たいなー。僕の腕の中で泣いてたか弱い和紗はどこ行ったのさ」
「変な言い方しないでください!」
と、私と五条さんが押し問答を繰り返していたら、
「いいじゃない、いてもらったら。和紗ちゃんのそばに五条さんがいてくれたら、私も安心だわぁ」
と、百合子ちゃんが言った。
「百合子ちゃん!?」
「あ、和紗ちゃん、そろそろ学校行かなきゃ。一緒に出ましょう」
「ちょっと、百合子ちゃん!?」
と、半ば強引に百合子ちゃんに腕をひかれ、
「いってらっしゃーい。掃除しておくねー」
と、すっかり居座る気満々も五条さんに見送られ家を出た。
店側の入り口を通ると、休店を知らず来たらしいお客さんがいた。
「勝手ながら当面の間お休みいたします」の張り紙を見て、そのまま踵を返し帰っていった。
「・・・・」
私は申し訳ない気持ちで、去っていくお客さんにお辞儀をした。
「『つるぎ庵』、これからどうなるの?」
と、百合子ちゃんにきかれて、私は答える。
「とりあえず四十九日が過ぎるまでお休み。その後は、博おじさんが考えるって」
「和紗ちゃんはお店に関わらないの?」
「んー・・・」
おそらく『つるぎ庵』はまったく別のお店に変わってしまうのだろう。
そこに私の居場所があるとは思えない。
答えられずにいたら、百合子ちゃんは言った。
「じゃあ、やっぱり東京行くんだね?」
「・・・うん」
「そっか。ちょっぴり寂しいなぁ」
「大丈夫だよ。ちょくちょく帰るつもりだし。百合子ちゃんの赤ちゃんにも会いたいし」
「うん。帰ってきてね。待ってるね」
「うん」
「東京かぁ。大都会だね」
「うん、それがちょっと不安・・・」
「なんで?五条さんがいるから大丈夫よ~」
「・・・なんで五条さん?」
「だって五条さんも東京でしょう?」
「だからって関係ないよ」
「そんなこと言わず、頼りにしちゃえばいいのに。そうやって『私ひとりで平気!』ってフリするの、和紗ちゃんの悪いところだよ~」
「・・・・・」
ほんわかしているようで百合子ちゃんは鋭い。
(でも、私すでに五条さんに頼りっぱなしのような)
と、私はここ数日の五条さんに晒した恥ずかしい場面の数々を思い出していた。
「・・・・・・」
「あれ?和紗ちゃん、顔赤いよ?」
「な、何でもない!」
と話しながら歩く私たちのそばを、パトカーが走り去っていった。
その車体には『石川県警』とかかれている。
私は久しぶりに学校に行くことにした。
それを受けて、百合子ちゃんは「もう大丈夫だね」と自宅に帰ることになった。
「で?」
私は尋ねた。
「五条さんは、いつまでここにいらっしゃるんですか?」
すると、五条さんはキョトンとした様子。
「え。いたらダメなの?」
「ダメとまでは言わないですけど。ここにいて当然って顔されても困ります」
「じゃあ、いてもいいでしょ?」
「そもそも何しに来たんですか」
「冷たいなー。僕の腕の中で泣いてたか弱い和紗はどこ行ったのさ」
「変な言い方しないでください!」
と、私と五条さんが押し問答を繰り返していたら、
「いいじゃない、いてもらったら。和紗ちゃんのそばに五条さんがいてくれたら、私も安心だわぁ」
と、百合子ちゃんが言った。
「百合子ちゃん!?」
「あ、和紗ちゃん、そろそろ学校行かなきゃ。一緒に出ましょう」
「ちょっと、百合子ちゃん!?」
と、半ば強引に百合子ちゃんに腕をひかれ、
「いってらっしゃーい。掃除しておくねー」
と、すっかり居座る気満々も五条さんに見送られ家を出た。
店側の入り口を通ると、休店を知らず来たらしいお客さんがいた。
「勝手ながら当面の間お休みいたします」の張り紙を見て、そのまま踵を返し帰っていった。
「・・・・」
私は申し訳ない気持ちで、去っていくお客さんにお辞儀をした。
「『つるぎ庵』、これからどうなるの?」
と、百合子ちゃんにきかれて、私は答える。
「とりあえず四十九日が過ぎるまでお休み。その後は、博おじさんが考えるって」
「和紗ちゃんはお店に関わらないの?」
「んー・・・」
おそらく『つるぎ庵』はまったく別のお店に変わってしまうのだろう。
そこに私の居場所があるとは思えない。
答えられずにいたら、百合子ちゃんは言った。
「じゃあ、やっぱり東京行くんだね?」
「・・・うん」
「そっか。ちょっぴり寂しいなぁ」
「大丈夫だよ。ちょくちょく帰るつもりだし。百合子ちゃんの赤ちゃんにも会いたいし」
「うん。帰ってきてね。待ってるね」
「うん」
「東京かぁ。大都会だね」
「うん、それがちょっと不安・・・」
「なんで?五条さんがいるから大丈夫よ~」
「・・・なんで五条さん?」
「だって五条さんも東京でしょう?」
「だからって関係ないよ」
「そんなこと言わず、頼りにしちゃえばいいのに。そうやって『私ひとりで平気!』ってフリするの、和紗ちゃんの悪いところだよ~」
「・・・・・」
ほんわかしているようで百合子ちゃんは鋭い。
(でも、私すでに五条さんに頼りっぱなしのような)
と、私はここ数日の五条さんに晒した恥ずかしい場面の数々を思い出していた。
「・・・・・・」
「あれ?和紗ちゃん、顔赤いよ?」
「な、何でもない!」
と話しながら歩く私たちのそばを、パトカーが走り去っていった。
その車体には『石川県警』とかかれている。
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