第37話 香志和彌神社
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ヴロロロロ・・・・
「『
私の疑問の声に、九十九さんが答える。
「そっ。その名の通り、百度参りと逆のことを行うんだ。本堂から階段の最下段に降りるのを百回繰り返す。そうすることで、『
「・・・・・・」
「もちろん、それだけでは終わらない。問題は『逆詣』が終えた後のことだ。その瞬間、何が起きるのかは、私にもわからない」
「・・・・・・」
「っていうか和紗~、ひょっとして『逆詣』のこと知らなかったの?それで『香志和彌神社』に行こうとしてたワケ?」
「行けばなんとかなるかと・・・」
「ひょっとして、和紗って正真正銘のバカ?」
「・・・・・・」
九十九さんはかなりストレートな物言いをする。
でも、カラッとした口調なので不快に感じることはない。
というか、既に慣れた。
「よかったねぇ、私と一緒で。そんな調子じゃ無事に『香志和彌神社』に辿り着けても、ひとり途方に暮れてたと思うよ~」
「・・・感謝してます」
「フフッ。You`re Welcome!さ、飛ばしていくよ。しっかりつかまって」
そう言われて、私は両腕を九十九さんの腰回りに回した。
すると九十九さんはアクセルをグッとひねった。
ヴロロローーーッ
バイクは更に加速して、荒廃した東京の街を駆け抜けて行く。
そのまま一気に進むものかと思っていたら、
「ガバワバワバァーーッ!」
右前方から超大型呪霊(カバっぽい)が立ち塞がるように目の前へ飛び出して来た。
すると九十九さんは舌打ちして、
「おいでなすったか」
と言うと、思い切り身体を傾けながらハンドル左に切った。
(わーっ!?)
私は振り落とされまいと九十九さんにしがみつく。
地面スレスレまで車体を傾け、呪霊が振り下ろした拳を避けた。
すれからすぐに車体を真っ直ぐに戻し、更に加速して呪霊を撒こうとする、が。
「しつこいなぁ」
呪霊はしぶとく追跡してくる。
すると、九十九さんはドリフトしながらバイクを停車させた。さらにバイクから降りて、ツカツカと超大型呪霊に向かって歩いていく。
「
と九十九さんが呼ぶと、何処からか蛇のような龍のような細長いフォルムをした、骨と筋膜が連なった生き物が現れ、彼女の身体に巻き付く様に侍っていた。
「ガバッガワッ」
超大型呪霊が九十九さんに向かって突進してくる。
すると凰輪と呼ばれた生き物は、とぐろを巻く様にみるみる丸まって縮んで行き、ついにはボールの様になってしまった。
さらに、九十九さんはボール状になった凰輪を呪霊に向かって蹴り飛ばすと、
ボゴッ
凰輪はまるで大砲の玉のように呪霊の身体を撃ち抜いた。
「・・・(ぽかーん)」
予想外の威力に私は呆気にとられる。
祓われて粉塵と化した呪霊を背にして、九十九さんは元の姿に戻った凰輪と共に涼しい顔で帰ってきた。
「今のは・・・」
術式?それともただの物理攻撃?
不思議に思っていると、
「『質量』だよ」
九十九さんが言った。
「私の術式は、仮想の質量を自らに付与する。そして、凰輪は私の術式により呪具化した式神だよ」
「質量・・・」
「術式名は『
「ボンバイエ・・・」
その時、私の脳内で某プロレスラーの入場曲が再生されたのは言うまでもない。
「さ、先を急ごう」
と九十九さんが再びバイクに跨がろうとした時だった。
「由基ちゃん」
ふいに呼ばれた声に、九十九さんだけでなく私も振り返る。
するとそこには、奇妙な姿の──上半身裸のガチガチマッチョにハートのニップレスの男の人??がいた。
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