File3.奇策コード
What your name?
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
人混みに揺られるエレベーターの中は、なかなか蒸し暑い。
まるで、真夏の締め切った部屋の中に居るような、そんなら暑さ。外装に金かけんならこういった場所にも配慮が欲しい。
そういや高校の教室もこんな蒸し蒸しした暑さだったな、と思い出す。
____そこまで考えて、目頭が熱くなりだした。
『ご、ごめんシンタロー。俺トイレ行ってくるわ!』
「は?」
シンタローは不思議そうに首を傾げた。
『すぐ戻るから!!』
「お、おい?」
シンタローの言葉に耳を貸さずにその場から離れる。
『っ……はぁっ………!』
あの時の記憶が脳を直接刺激する。
まったく、嫌なものを思い出してしまった。
人気のない階段に隠れるように入り、サイフを取り出す。
『…カッター常備とか、本当に危険人物だよな。』
リストバンドをずらすと、幾つもの傷。
…………俺は、あの二年前から何か変われたのだろうか。
目の奥が熱くなるのと同時に、あの時の光景が広がっているような気がした。
そして、アイツの声。
………やめてくれよ。
"ごめんね…ユウキ。"
なんで、お前が居なくならなきゃダメだったんだよ!!
いつも通り感情に任せて、手に力を加えた。
その時。
「おにーさんっ、大丈夫?」
『!!』
突然背後から声をかけられ、咄嗟にカッターを隠して振り向く。
そこには俺と同じかひとつ下くらいの猫目の男。
『え、えっと…?』
「あぁごめん、慌ててトイレ駆け込んで行くものだから気になっちゃって!____でもさ、」
そいつは俺の顔を覗きこむように近づいた。
「さっき見かけたときに"面白い目"をしてるなと思ってさ。」
『え?』
面白い目?何を言ってるんだコイツは…。
なんだかよくわからないが――――ヤバい。本能がそう告げている。
『そ、そうですか!俺、友達待たせてるんでそれじゃあ!!』
「え、ちょ待っ…速っ!」
危険を察知した俺は猫目を置き去りにした。
これでも中学の時は陸上部、そこらのど素人が追い付くには無理があるだろう。
『…そういや、アレも治まってる…。』
もう目の奥の熱さはすでに消え去っていた。
相変わらず心臓が握り潰されるような感覚に襲われるが、治まっていればあとは平常心を取り繕うのみ。
『早いとこシンタローに合流するか…。』
俺はシンタローを探し始めた。
まるで、真夏の締め切った部屋の中に居るような、そんなら暑さ。外装に金かけんならこういった場所にも配慮が欲しい。
そういや高校の教室もこんな蒸し蒸しした暑さだったな、と思い出す。
____そこまで考えて、目頭が熱くなりだした。
『ご、ごめんシンタロー。俺トイレ行ってくるわ!』
「は?」
シンタローは不思議そうに首を傾げた。
『すぐ戻るから!!』
「お、おい?」
シンタローの言葉に耳を貸さずにその場から離れる。
『っ……はぁっ………!』
あの時の記憶が脳を直接刺激する。
まったく、嫌なものを思い出してしまった。
人気のない階段に隠れるように入り、サイフを取り出す。
『…カッター常備とか、本当に危険人物だよな。』
リストバンドをずらすと、幾つもの傷。
…………俺は、あの二年前から何か変われたのだろうか。
目の奥が熱くなるのと同時に、あの時の光景が広がっているような気がした。
そして、アイツの声。
………やめてくれよ。
"ごめんね…ユウキ。"
なんで、お前が居なくならなきゃダメだったんだよ!!
いつも通り感情に任せて、手に力を加えた。
その時。
「おにーさんっ、大丈夫?」
『!!』
突然背後から声をかけられ、咄嗟にカッターを隠して振り向く。
そこには俺と同じかひとつ下くらいの猫目の男。
『え、えっと…?』
「あぁごめん、慌ててトイレ駆け込んで行くものだから気になっちゃって!____でもさ、」
そいつは俺の顔を覗きこむように近づいた。
「さっき見かけたときに"面白い目"をしてるなと思ってさ。」
『え?』
面白い目?何を言ってるんだコイツは…。
なんだかよくわからないが――――ヤバい。本能がそう告げている。
『そ、そうですか!俺、友達待たせてるんでそれじゃあ!!』
「え、ちょ待っ…速っ!」
危険を察知した俺は猫目を置き去りにした。
これでも中学の時は陸上部、そこらのど素人が追い付くには無理があるだろう。
『…そういや、アレも治まってる…。』
もう目の奥の熱さはすでに消え去っていた。
相変わらず心臓が握り潰されるような感覚に襲われるが、治まっていればあとは平常心を取り繕うのみ。
『早いとこシンタローに合流するか…。』
俺はシンタローを探し始めた。