File0.ロストメモリー
What your name?
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『アヤノ…。』
学校の屋上。
風は強く、髪はそれに従うように揺れていた。
俺はただ、そこからの景色を眺めてる。
なんでだ?
どうしてだ?
思うことは色々あるけど…さ。
『如月。』
こんなにつらくて苦しそうな如月を、俺は初めて見た。
『ごめん…俺、そこに居たのに何も出来なかった。俺がアヤノを止めることが出来ていたら…。』
「神野は悪くない。俺がもっと早く気づいていたら…分かってやれていたら…!」
如月の手は強く握りしめられている。
俺達はお互い自分を責めていて、
そんな今日に限って、空はだるいくらいの快晴だ。
『俺、学校辞めるわ。』
「…は?」
ため息混じりに言葉を吐くと如月は驚いたように振り返った。
『いやさ、学校に居たところで俺は耐えれそうにないし。ここにも何も無いからもう辞める。』
「…そうかよ。」
そう言って如月はまた校庭を見つめる。
『…………。』
「……あのさ。」
沈黙を破って如月は俺を見た。
どこか戸惑うようにして口を開く。
「お前いつも皆とヘラヘラ笑ってるけど…本心で笑ってないよな?」
『…まさか!んな訳ねえだろ、楽しいから笑って――』
如月が急に俺を抱きしめた。
「頼むから嘘つかないでくれよ、もうこんな思いしたくないんだ…!」
如月の腕が、わずかに震えてる。
「…親友を、なくしたくないんだよ……。」
『!』
親友、だって?
『……わかった、話すよ。』
如月を俺から離すと、俺は少しずつ話した。
『俺、周りにいたやつらが信じられなかったんだ。教師もクラスも…皆ちゃちなうわべばかりの関係でさ。』
都合のいいように関わって友達面してくる、そんなやつらが大嫌いだ。
嘘だらけの関係に呆れてうんざりして。
『誰も気付かなかったのに、すげぇよお前。』
ヘラっと笑って言うものの、如月は眉間にシワを寄せたままだ。
『…でもさ、お前らと居るとすごく楽しかった。』
「!」
如月は少しだけ目を見開いた。
『これは本当だぜ?自然と楽しくて馬鹿みたいに笑ってた。それに……親友だなんて、言ってくれるしさ。』
少しだけ照れ隠しに笑う。
「お、おぅ…。」
如月も少し照れているのか、目線を逸らして呟く。
「…俺も学校辞める。」
『え?』
思わず目をパチクリさせた。
「俺だって耐えれるわけねぇよ。…お前までいなくなったらつまんねぇし。」
!
『…そっか、じゃあ二人揃って退学届けもらいますか!』
「あぁ。」
俺達は顔を合わせ、快晴の空の下で笑いあった。
学校の屋上。
風は強く、髪はそれに従うように揺れていた。
俺はただ、そこからの景色を眺めてる。
なんでだ?
どうしてだ?
思うことは色々あるけど…さ。
『如月。』
こんなにつらくて苦しそうな如月を、俺は初めて見た。
『ごめん…俺、そこに居たのに何も出来なかった。俺がアヤノを止めることが出来ていたら…。』
「神野は悪くない。俺がもっと早く気づいていたら…分かってやれていたら…!」
如月の手は強く握りしめられている。
俺達はお互い自分を責めていて、
そんな今日に限って、空はだるいくらいの快晴だ。
『俺、学校辞めるわ。』
「…は?」
ため息混じりに言葉を吐くと如月は驚いたように振り返った。
『いやさ、学校に居たところで俺は耐えれそうにないし。ここにも何も無いからもう辞める。』
「…そうかよ。」
そう言って如月はまた校庭を見つめる。
『…………。』
「……あのさ。」
沈黙を破って如月は俺を見た。
どこか戸惑うようにして口を開く。
「お前いつも皆とヘラヘラ笑ってるけど…本心で笑ってないよな?」
『…まさか!んな訳ねえだろ、楽しいから笑って――』
如月が急に俺を抱きしめた。
「頼むから嘘つかないでくれよ、もうこんな思いしたくないんだ…!」
如月の腕が、わずかに震えてる。
「…親友を、なくしたくないんだよ……。」
『!』
親友、だって?
『……わかった、話すよ。』
如月を俺から離すと、俺は少しずつ話した。
『俺、周りにいたやつらが信じられなかったんだ。教師もクラスも…皆ちゃちなうわべばかりの関係でさ。』
都合のいいように関わって友達面してくる、そんなやつらが大嫌いだ。
嘘だらけの関係に呆れてうんざりして。
『誰も気付かなかったのに、すげぇよお前。』
ヘラっと笑って言うものの、如月は眉間にシワを寄せたままだ。
『…でもさ、お前らと居るとすごく楽しかった。』
「!」
如月は少しだけ目を見開いた。
『これは本当だぜ?自然と楽しくて馬鹿みたいに笑ってた。それに……親友だなんて、言ってくれるしさ。』
少しだけ照れ隠しに笑う。
「お、おぅ…。」
如月も少し照れているのか、目線を逸らして呟く。
「…俺も学校辞める。」
『え?』
思わず目をパチクリさせた。
「俺だって耐えれるわけねぇよ。…お前までいなくなったらつまんねぇし。」
!
『…そっか、じゃあ二人揃って退学届けもらいますか!』
「あぁ。」
俺達は顔を合わせ、快晴の空の下で笑いあった。
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