真っ暗な世界にさえ、疲れきった私の視界は慣れていなかったというのに、そこに急に光を与えられたらどうなるか…



＿私の視界から一瞬、世界が消えた





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少しして、何とか現状を把握する事が出来た。

まず目に飛び込んで来たのは、紫と黄色をぐちゃぐちゃに混ぜた様な色の怪しい果物。

その内面に禍々しくどす黒い狂気を持ちながら、溢れでる光は暖かく全てを包み込まんとする。

そんな印象を受けた。
もしやこの果物に浮かぶコレは唐草模様？
だとすれば悪魔の実だろうかと思ったが、ぐるぐると渦巻くその様子に、思考は停止し、視線を外せない。

動かない筈の体は自由を取り戻していた。
立ち上がり思わず手を伸ばして口へ含んだソレは…とても食べれた味ではなかったが、空腹と、<食べろ>と脳に響く言葉（本能）に従うままに飲み込んだ。
全てを食べ終えて直ぐに、違和感を覚える。
心の奥で沸々と、何かが暴れだす様な感覚がするのだ。

壊したい、奪いたい、私をあんな目に遭わせた奴をそれ以上の屈辱に遭わせてやりたい！！！
ただでさえそんなどす黒い破壊衝動に駆られそうなのを抑えているのに、その抵抗を崩すかの様に、
それだけでは生温いと、不敬な者は皆（みな）等しく殺せと、与えた力を解放せよと、恐ろしくも甘い提案が私の脳内に響くのだ。
まるで自分の体に2つの魂が入ってきたかの様だ。
頭が割れる様に痛い、苦しい
苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい＿＿！！！










…痛みから逃れる様に、意識を手放した。





＿最後に見た景色に、私を追っていた奴がいた気がした。